【毎週ショートショートnote】お題:モンブラン失言(511文字)
俺は美容液を売っている会社で、キャンペーンの一環として「SNS美肌コンテスト」を開催した。
勝者は誰だって良い。いなくたっていい。
敗者にSNSで「この化粧品で、また頑張りましょう」と売りつけるのが目的だからだ。
1次審査は本気の選考を行う⇒1次審査の敗者が上客
敗者に営業するには”落とした理由”が必要となる。
主催者が直接言うと客が逃げる。そこでスケープゴートを用意する
主催者の意思で動く実体のない人物(?)を間に挟んで、本気の好き勝手を言わせる。敗者を晒しものにして、価値観を崩壊させる。そこで主催者が出てきて「あなたの気持ちわかりますよ」となだめると効果的。
スケープゴートが実体のある人物と信じ込ませるためには、意味不明の自己紹介や日常の一コマのを入れたり、別人物とのやり取りを捻じ込んで「自分とは別の人格」を強調させる必要があった。
ストーリーをドラマチックに魅せる演出にこだわりすぎて、小芝居の至る所に矛盾が出てきたが、信じている人にはわからない。
ー完璧だと思った計画は、ある失言で失敗した。
「イチゴのモンブランをカフェで食べました❤」
俺はモンブランなど食べたことが無かったからだ。
このショーショートは架空の話です。
ユーモアの創作物であり、実際の団体とは関係ありません
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