今が一番

先日、49歳になりました。
50年近く生きてきて、今が一番幸せですし、若い頃に戻りたいとは思いません。

日にち限定なら80年代とか90年代に戻ってみたい気もしますが…それはまた別の話。

若い頃の「楽しい」といえば、はしゃいで気分が高揚していて、ちょっと浮かれた感覚が蘇ってきます。
それはそれで良いのですが、そんな感覚は基本的に長続きしません。
それどころか、今ハッピーかと思えば、すぐに怒ったり悲しんだり、
私の場合、若いうちはとにかく気分の高揚が激しかった。
それが若さというものなんでしょうけど、もう、それはノーサンキューだなー。

たとえピチピチの肌やしなやかな体が戻ってきたとしても、ノーサンキュー。

すぐに仕事を覚え、簡単に忘れないピカピカの脳細胞が戻ってきたとしても、ノーサンキュー。

兎にも角にも、頑なにノーサンキュー。

だって、今は熱烈な大恋愛をしていなくても、
空を見ていればしみじみとハッピーですから。
友達との予定がぎっしり詰まっていなくても、
木の梢から鳥の声が聞こえれば、しみじみとハッピー。
例え、顔が二重アゴになりお腹が三段腹になっても(?)、
雪深いある日に春の風を感じれば、しみじみとハッピー。

人生には悲しいことが起きることも、十分分かっている。
でも、目をあげればそこには空がある。
悲しい気分やモヤモヤした気分はちゃんと味わいつつ、
たなびく雲を見ていれば、ゆるゆると心が満たされていく。
そんなことが増えてきました。
喜怒哀楽に振り回されることが減り、
喜怒哀楽の背景にある自分自身にフォーカスできるようになってきたのかな。

昔大病して入院していた部屋は、6人部屋でした。
60代から最高齢は90代のおばあちゃんたちと、20代の私。
ある夜、誰が言い出したのか、「人生でいつが一番幸せだったのか。」という話になりました。
ほとんどのおばあちゃんたちが、「子育てをしていた時が一番楽しかった。」と、懐かしげに語りました。
すると90代のおばあちゃんがひと言。
「私は今が一番楽しいわねえ。」
この人、ガンで入院しているんですよ。
でも、「年寄りのガンは、進行しないから」と、意にも介さない様子でした。朝は新聞を隅々まで読み、夜は孫からもらったゲームを夜更かししてやっているような、素敵な人でした。
私は、「こんな女性になりたいものだ。」と、思ったものです。

さて、私もあっという間に人生後半戦に入りました。
この先いくつになっても「今が一番楽しいわねえ。」って、言えそうな気がしていますよ。

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