11月16日

ハルヴァ

 先日、業務スーパーに立ち寄った折りに、漫画「鍋に弾丸を受けながら」に出ていて気になっていたイスラム圏のお菓子、ハルヴァを買った。作中に出てきたハルヴァはイランのものらしいが、業務スーパーで販売されていたものはトルコ風とのことだった。また作中では食べるとバラの香りがほのかにしたそうだが、業務スーパーのものは箱の表面に書いてある通り胡麻の香りが凄かった。食べるまでもなく胡麻が香る。
 買った直後は一口で満足するぐらいボリューミーで、食べきれず捨てるはめになるのでは…と少し怯えていたのだが(何しろ1パック350gある)、食べやすいよう切り分けてラップに包み、冷蔵庫にしまっておいたら、次の日朝食のデザートに食べたら胡麻の香りが消えて随分と食べやすくなっていた。
 この胡麻の香り、決して悪い香りではないのだが、香りが香ばしいのでその匂いを嗅ぎながら食べると口の中が砂糖の甘みでいっぱいになって、頭がバグる。胡麻の香りがするお菓子に中華の胡麻団子があるが、あれよりも香りが強いのでうえっぷとなってしまう。
 とはいえたまたま私が胡麻の香りを異常に気にしただけかもしれない。気になる方は業務スーパーに行った際に是非。ちょっとした異文化を体感できる。
 そんなわけで今朝もハルヴァを食べた(ノルマ)
 「鍋に弾丸を受けながら」に出てきたハルヴァは和三盆にも例えられていたが、業務スーパーの方はしっとりしつつシャクシャクとした食感で、日本にはなかなかない食感だと思う。というのに胡麻の香りが霧散してから気づいた。味に匂いが大きく関わっているのを、鼻詰まり以外で初めて実感した。

スマホの充電忘れ

 デザートもしっかり食べて優雅に家を出たら実は昨夜、スマートフォンの充電を忘れていたようで、電車に乗ってから充電の残量が10%を切っているのに気付き、泡を吹いて倒れそうになった。
 スマートフォンアプリの定期は予備電力とやらで一応は改札の出入りができるそうだが、やはり気が気じゃなかった。だから改札までスマートフォンの電源を落としていたのだが、電源を入れ直していざ改札を通ろうとしたら、改札が反応しなくて青ざめた。どうやら電源を入れ直した直後のスマートフォンは、認証を済ませてからでないと各種機能が使えないらしい。当然といえば当然だが。
 なんとかメトロへ乗り換えの改札を潜り、電車に乗り込むと定期とスマートフォンのリスク分散を思った。同時に、Suicaのカードに戻ることはないだろうなとも思った。一度手にした便利を、万が一、起きるかどうかもわからない事態に備えて捨てることはそうそうない。今の社会のありようがそれを証明しているし、私もその中に順応できる程度には同じ思想なのだ。

測量士補

 相変わらず、仕事の合間に手が空くので、上長の許しもあって測量士補の勉強をしている。この間までは宅建の勉強をしていた。しかし試験直前でFGOにすっかりハマったので放棄した。なにしろ宅建も測量士補も仕事の手が空いた時の暇つぶしであって、必ず必要ではない。活かす予定も甚だ不明だ。
 とはいえ宅建は不動産の知識、言い換えれば衣食住のうちの住を勉強するのも同然で、勉強自体はなかなか面白かった。一時血迷って電験の勉強をしたこともあって、テキストに並ぶ内容が読めば理解できるのが素直に良かった。内容も興味深いし、昔騙されたな…と思うこともちらほらあった。
 なかなかためになるのだが、いかんせん提出される問題の底意地が悪かった。一般人にどないせぇっちゅうねん、となる問題がごろごろ出てくる。しかしそれもそのはず、不動産は資産も同然なわけで、どうしたってそれを取り巻く環境は魑魅魍魎が跋扈する。以前不動産に勤めていた友達の話を聞いて、改めてそう思った。
 その点測量士補は、出題範囲もテキスト一冊に収まるくらいだし、何より受験料が安い。三千円もしない。そのくせ国家資格である。
 勉強の内容もなかなかエモーショナルだ。測量は常に誤差を前提としている。学校でも社会に出ても「これはこういうもんだ」が罷り通っている中、間違いありきの測量は私にとって新鮮だった。
 また、ありとあらゆる技術で可能な限り誤差を縮めようとする様も、真摯に思えてとても好感が持てる。
 しかしラジアンだのトータルステーションだの、聞いたこともない単語がぼんぼん出てくる。そしてわたしは未知の単語が出まくる文章を読むと、速やかに眠りにつくのだ。おかげでSF小説はほぼ睡眠導入剤である。でもハヤカワの翻訳SFが好きという。
 うつらうつら夢現にテキストを読みきり、ようやく過去問をやるところまで来た。相変わらずだいたい意味がわからないが、とりあえず過去問は宅建ほど性悪には感じないので、私も真面目に頑張りたい。

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