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さとゆみさんの初子育てエッセイ『ママはキミと一緒にオトナになる』ママじゃないフルタイムワーカーOLのbook Review

私は地方で美容室の秘書をやっている
30代OLです。私は只今、疲弊中・・・🫠

1年間に及ぶプロジェクトの提出物の締切に追われた後だからだ。

とろけたいけど、
頭も身体もカチコチで、どこから力を抜いたらいいかわからない。

うーんと、悩んでいる内、あっという間に差し戻しが来て、また、頭を抱える日々に戻されてしまった。。

やる気と気力のバランスがしっくりこないことははじめてではない。だから、ここは潔く立ち止まろうと思って、パソコンを閉じて、休むことにした。

数日して、、
やっと気になった、椅子の上の書籍の山。
3月は、好きな作家さんの作品の発売が続いて、
通販で予約していた本を箱から出して積み上げた状態だった。
「せめて、本棚に直すか・・」と、手に取った本の1番上の本は、『ママはキミと一緒にオトナになる/佐藤友美(小学館)』だった。

この本は、WEBメディア『kufura』での連載が書籍化されたものだった。
半年くらい前から何度か目にした連載で、全部読みしたいなと思っていたので、書籍化が発表されたときに予約をしていたのだ。佐藤友美さん(以下、さとゆみさん)の作品は、これまで何冊か拝読していてるが、私が文章を読むことで期待している「問い」や「気づき」の質が高く、人生の教科書として、手元に書籍を残したくなる作品ばかりで、好きだ。

今回の作品の冒頭はこうはじまった
「僕には、僕の気持ちというのがあるから、ママにはそれを大切にしてほしい」。現在は11歳になる息子さんが6歳のときに言葉だった。実家で温泉旅行にみんなでいこうと話していた際に、「ぼくは行きたくない」と主張したときの言葉だったそうだ。

自分の気持ちを言葉にできる素敵な子だと思った。
その言葉を受け止めて、考えて、
考え改めたときに、「ごめん、ママが間違っていた」と言葉にできるさとゆみさんも素敵だ。

私には、子どもはいない。
だけど、日常の悩みや葛藤の8割はコミュニケーションだ。

作中のある章で、さとゆみさんが表現する
「世の中にある「分断」を進める言葉」と「世界を柔らかく包む言葉」は子育てをしていない自分の日常にも置き換えられて、印象的だった。

子育ての大変さを語られる媒体やネット記事が世の中には多く存在する。
だけど、実際に子育てをしたさとゆみさんとしては、「もちろん、いろいろ大変なこともあるけど、書くほどでない(媒体で取り上げるほどない)幸せがたくさんが存在している」という。

「大変も幸せも、両方あっておおむね幸せ。
 話すほどでもない幸せは、ちゃんとある」

そして、周りの人のかけてもらった言葉や、あれ、この人、親戚だったかな?というくらい親切にしてくれる人など、いろいろな人の大きく優しさに包まれたという。暖かくて優しい世界が広がっている。


この本を一冊読み終えて、
私は自分の周りにいる人に優しくしたくなった。
そして、プロジェクトを頑張った自分に「お疲れさま」と心の声で声もかけた。

ピリピリする日もあるけど、
でもできるだけ、未来につながっていく子どもたちのために、「世界が丸く柔らかい言葉」を使う世界の住人に私もなりたいと思った。

今回読んだ本はこちら


私が好きなさとゆみさんの本はこちら


『書くことを仕事にしたい/佐藤友美(CCCメディアハウス)』
書くことを仕事にしている人にも、日々を大事にしたい人にもおすすめ。

『女と、髪と、生きていく/佐藤友美(幻冬舎)』
女性の印象は髪(髪質・髪型)から、作れる。

#ママキミ #ブックレビュー#ママはキミと一緒に大人になる

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