砂浜ランチ

文学系の記事を書いています。 「テキストを深く読みこむ」がモットーです

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【現代思想】デリダの「差延」をできるだけ具体的に

 現代思想に興味がある人は「デリダ」という人物を知っていると思います。    しかし実際にデリダの文章を読んだことはあるでしょうか?  デリダの本は高価な上に、一文が長くて読みづらい文章、古代から現代の哲学者まで引用するスタイルは、正直言って読む気を無くします。  そこでこのブログでは、哲学史の広い範囲を議論するデリダの形式はやめにして、できるだけ具体例を用いながら「差延」という概念について話していきたいと思います。 目次 1.「差延」を学ぶメリット 2.「差延」とは

    • 『金閣寺』―少年がひとりの大人になるとき―

      大人になるとはどういったことなのだろうか? 私たちは<本当の大人>になることができるのだろうか? なぜ大人になることは苦しいことなのだろうか?  この記事を読んでいるみなさんは、こういった疑問を青年期にいだいたことはないだろうか?  こういった疑問に対して、『金閣寺』をテキストに使いながら考えていきたいと思う。 1.上記の疑問に対する三島の答え 2.少年と青年の間 3.まとめ 1.上記の疑問に対する三島の答え 『金閣寺』の中で三島が出した答えは 「大人になることは

      • 樋口一葉で現代社会を分析する

        1.「にごりえ」を手に取ったきっかけ 2.あらすじ 3.現代との比較 4.社会的弱者への視線 まとめ 長いので1~4の中で気になったところだけ読んでください。特に2は長いです。 1.「にごりえ」を手に取ったきっかけ 昨日、伊藤飛呂彦訳の「にごりえ」を読んだ。 中学生の時に学研版の原書を読んだが、ぐちゃぐちゃの文章に悩まされ意味が分からず放っておいた。 今、大学一年となって生協でたまたま目に入って手に取ってみた。 あの時にわからなかった感情が今ならわかるのかもしれないと

        • 【詩】モンシロチョウ

          蝶が 羽をつかいぱたぱたと 空中をさまよっていた。 緑色のフェンスの上から見下ろす 飛んでいる花弁 を 踏みつぶし、羽と羽の間をぴーっと 破いてみた   遠くからきこえてくる ドアを叩きつける音がしたきがする 春という季節がやってきたのかもしれない   世界中で意味もないセックスが同時に開始される 消えたくないなら 美しい蝶を殺すのが 一番トベるよ

        【現代思想】デリダの「差延」をできるだけ具体的に