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今日は花束を買った



今日は、10代最後の日

小学1年生からの幼なじみとHIROSHI前で集合した

行きたいカフェはお正月休みだった

行きたかった古本屋もお正月休みで、同じビルの理容室のおじさんが教えてくれた

理容室ではおじさんとおじさんのお友だちがいて、温かい空気の中にタバコのにおいがした

タバコは嫌いだったけど、ずっとそこにいたいと思った

幼なじみの恋人と電話で、3人で話しながら大通りに歩いて戻った

道中でお花屋さんがあったので、両親に贈るお花を買った

ママの好きなかすみ草を入れて、オレンジとピンクの綺麗なグラデーションのばら2本

1300円だったけど、その花束はどこまでも続く私の愛情だった

お花屋さんの人と少しお話をした

あなたみたいな素直で素敵な良い子はきっとだいじょうぶよ、将来が楽しみねって送り出してくれた

そう、私、可愛くていい子なんです

ジュンク堂で本を買った

詩集と、詩人の対談本と、デザイナーの丁寧なおじいさんの最近出した本

幼なじみはそんな私を見て、普段は本を読まないと言っていたのに、谷川俊太郎の詩集を買った

大人座に行って、両親への手紙を書いた

幼なじみは、谷川俊太郎を読んだ

緊張で体が震えた

幼なじみは、ゆっくりかきな  って言ってくれた

書けた

幼なじみは、恋人の話を幸せそうにした

私も大好きな人たちの話をした

たまたま、私の好きな人たちが大人座にいた

手を振ってくれた

幼なじみが無地のA4のノートをくれた

100ページ、なにでうめよう

そこでバイトをしている友だちが大福をくれて、
それにさした20っていうローソクを吹き消した

願い事はしなかった、その時が幸せだったから

10代、終わっちゃうけど、わたし

わたし、生きていてよかった

大好きだと胸を張れる人たちに出会えてよかった

この世界が大好きで大嫌いで愛おしい

よかった


しあわせそうだね



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