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がんばりすぎないセキュリティ

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2017年から筆者が主宰して発行し続けているメールマガジンです。 発行は週に1通ですが、書いている時にあれもこれもと盛り込んでしまうため、メルマガとしては相当長いです。その分内容…
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2024年7月の記事一覧

情報セキュリティ対策はIT機器だけじゃない(366号)

前回(ブルースクリーン)、前々回(Tor)とかなり難しい目の話が続きました。 というわけで、今回はITからちょっと離れて、事務所内の情報セキュリティ対策についてお話したいと思います。 情報セキュリティ対策はどこまで?そもそもの話になりますが、情報セキュリティ対策は、自分たちの秘密情報を具合よく使い続けられるようにする対策を言います。 例えば、ランサムウェアにヤられるのは困りますし、サーバ故障で業務がすすめられないのも困ります。パソコンが盗まれたり、自社のWebページが改

Windowsのブルースクリーンが起きる理由は?(365号)

2024年7月19日にWindowsがあちこちでブルースクリーン(システム停止)になるという騒動が起きました。 原因はCrowdStrikeという会社が提供するFalconというセキュリティ製品のアップデートだったようです。 このアップデートにバグが残っており、それがクラッシュを引き起こしたようです。 今回は、WindowsのブルースクリーンとCrowdStrikeのバグとの関係についてお話をします。 ブルースクリーンとは?ブルースクリーンというのは俗称です。BSOD(

ダークウェブを支えるTorという技術(364号)

ダークウェブの主な利用者はサイバー犯罪の当事者(犯罪者側)ですので、身元がバレることを恐れます。 そのため、犯罪者同士の連絡や情報共有には身元が(ほぼ)ばれないダークウェブが利用されます。 ダークウェブというのは、インターネット上にありながら、特殊な通信方式を使うことによって、どこからアクセスしたかという情報をほぼ隠蔽できる仕組みになっています。 前回は、ダークウェブの存在理由について書きました。 今回はそのダークウェブの参加者を警察などの捜査機関から隠蔽可能としている

誰でもわかるダークウェブのお話(363号)

2024年6月8日に始まったニコニコ動画のトラブルですが、これを書いている7月7日現在も解消できていないようです。 巷では、KADOKAWAが身代金を支払ったが追加の身代金を要求されたとか、窃取された情報がダークウェブで公開されているといった話も出ています。 さて、ここに「ダークウェブ」という言葉が出てきていますが、多くの方はその内実をご存知ないと思います。 「犯罪者達が利用する裏サイトなのかな?」くらいのイメージはお持ちでしょうが、実はそれを支える技術というものも存在

古いパソコンの処分、どうする?(362号)

パソコンは高価な割には、数年で古くなってしまいます。 使い続けたくても、OSのサポート期限切れなどで、買い換えざるをえないこともよくあります。 今回は、こういった古いパソコンの処分方法についてお話します。 PCリサイクル法古いパソコンを普通にゴミとして捨てちゃダメってご存じでしょうか? パソコンにはいろいろと貴金属が使われています。 例えば、CPUには金や銅、コンデンサには銀やパラジウム、モータ類にはネオジムなんかが使われています。 以前だったら、もっといろんな貴金属