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ばあちゃんとブルマを買いに行った思い出

小3の頃、ブルマに憧れて
母に「ブルマが欲しい!」とねだった事があります。

その頃(2000年ごろ)
ブルマは廃止され始めていて、目にすることは少なかったのですが、
私が通っていたブラジルの日本人学校には
色んな地方から転校生がくるので
ある日、青いブルマを履く子がやって来たのです。
それがどうしても可愛く思えてしまい、
「ブルマ欲しい!」願望が芽生えてしまいました。

ところが母にお願いしても
「ブルマを履いていたら変態の標的になるから、やめときなさい」
「ブラジルには売ってないしね〜」
とあしらわれ、買ってもらえそうにはありませんでした。

そして、それからしばらくして
日本に一時帰国したときに
ばあちゃんにおねだりをしたのです。

そしたら、「よし、買ってやるか!」と
近所の体操服が売っているお店に
ブルマの取り扱いがあるか電話で聞いてくれました。

なかなかブルマを扱っているお店が
見つからなかったのですが
唯一、電車に乗って数駅先にある学生服屋さんに
売っているとの情報をゲットし、
ばあちゃんとわたしは
真夏の炎天下の中、
ブルマのお買い物へと出かけました。

ばあちゃんと2人っきりでお出かけすることは
あまりなくて、いつも母や妹、いとこが一緒なので
その日は、ばあちゃんをひとりじめしているみたいで
良い気分でした。

家から駅までの道のり、
ひまわりを横目にばあちゃんに手を引かれながら
歩いたのをよく覚えています。
「近道だよ」と細い道を通ったりなんかして、
ばあちゃんとふたりっきりの嬉しさと
ブルマへのワクワクのが混ざって
すごい浮かれていました。

無事に学生服屋に着いて、
「さきほどブルマのことで電話しました…」とばあちゃんが言うと
お店の人は用意していてくれたみたいですぐに出してくれました。

わたしは「青いのが可愛いから良いな〜」
と思っていましたが、
出てきたのは濃紺のブルマ。
もうブルマを履く人がいなくなってきて、
お店に残っているのはそれだけでした。

それでも念願のブルマを買ってもらえた事が嬉しくって、
帰りも浮かれていました。

帰りの電車でばあちゃんと横並びに座っていると
空いていた私の隣にガングロギャルとその彼氏がやってきました。

(わぁ、ちょっとコワ。。)と思い
ばあちゃんの方にギュッと寄ると、
ばあちゃんもガングロカップルに気づいてくれたようで、
(ああ、うんうん)みたいな表情をしたかと思ったら突然、

「こんにちは。この子はねうちの孫でね、今ブラジルから帰ってきてるんです(ニコニコ)」

と、いきなり彼らに話しかけました。
私は(えっ!?)と思ったし、
ガングロカップルも(えっ!?)というような
表情を一瞬したのを見逃しませんでした。

でも、ガングロギャルはすぐに
「ブラジルから来たの?カッコいいね!だからそんなに色黒いんだ〜」
とわたしに笑顔で話かけてくれました。
わたしの腕の横に自分の腕を並べて、
「私、日サロ行ってこの色だよ、一緒じゃん。うらやま〜(笑)」
みたいな感じでフランクに接してくれたのです。

それが嬉しくって、すぐに恐怖心はなくなり、
最後は「バイバーイ!」と手を振りお別れしました。

ブルマ片手に、
ガングロギャルとも仲良くなれて
またまたルンルンで家路に着きました。

わたしの
東京のばあちゃんは
こんな感じで、誰にでも、というか何にでも
物怖じしないし、
隔たりなく平等に接する人です。

当時はその魅力にあまり気づいていなかったけど
今になってみると、
そういうばあちゃんの行動をすごく覚えていて、
なんとなく真似っこしていました。

きっと「なんかいいことだ」とはわかっていたのだと思います。


ちなみに
この一時帰国後、
わたしはガングロギャルにハマり、
ブラジルでギャルメイクの研究にいそしむのでした。

友だちにもギャルメイクをしてあげたり、
誰かのお別れ会では、ギャルメイクで
モーニング娘。の曲を披露したりしました。


ブルマはその後履いた記憶がありません。
ブルマ愛はいずこへ。。笑

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