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僕らなら大丈夫と思っていたのに…。産後クライシスはどう乗り越えればいいのか

(2021年10月17日に加筆修正をしました)

近ごろは、産後でも夫婦が仲良くいられる方法について質問を受けることが増えました。それをきっかけに、僕は自分たち夫婦のこれまでの行動を振り返るようになりました。

子どもが産まれる前にはラブラブで、一緒にいるだけで人生が楽しい♪という夫婦が、子育てを始めてまもなく関係が冷え切っていく。「産後クライシス」と呼ばれる現象です。

産後の妻は夫への愛情が激減する


ベネッセ次世代育成研究所が、約300組の夫婦を対象に「子どもが産まれた後、夫婦の愛情がどう変わるか」を調査した有名なデータがあります。

調査結果によると「妻が妊娠期」には、夫・妻ともに約70%が「配偶者といると本当に愛していると実感する」と答えています。2人の愛の結晶(言い方が古いか)の誕生を待ちわびている時期なので、互いへのラブラブ度も高いのは当然でしょう。

しかし、この愛情レベルはこの後、意外な推移を見せるのです。
「配偶者といると本当に愛していると実感する」の回答は「0歳児期」には、夫が63.9%に対して、妻は45.5%と大きく減ってしまうのです。さらに「1歳児期」には夫が54.2%、妻が36.8%へ、「2歳児期」になると夫は51.7%、妻は34.0%にまで落ち込みます。折れ線グラフで見ると、そのインパクトの大きさがわかります。

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(ベネッセ次世代育成研究所、第1回 妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査より)

付き合いたてのようなトキメキやドキドキ感がなくなっていくのは理解できるが、それにしても妻の夫へ対する愛情レベルの下りっぷりには驚くばかりです。

産前はとても仲が良く、産後クライシスなど他人事に思っていた僕ら夫婦も、息子の誕生後には相当に揺れました。愛情レベルの急降下が僕らを襲ったのです。まるで、飛行中の飛行機が揚力を失ってきりもみ落下していく感じです。

長男誕生後、慣れない育児に夫婦ともに気持ちの余裕はなくなり、お互いを思いやることができなくなったのです。心身ともにつらい中、妻をケアするどころか日中は通勤を含めて12時間不在にする僕を見て、妻は離婚を考えたほどでした。離婚危機が本格化したのは、息子が生後3ヶ月のことでした。

「夫婦だけの生活に、子どもを迎え入れる」という考えでは、立ちいかなかった


夫婦関係の乱気流を乗り越え、いま僕ら夫婦はとても楽しく暮らしています。息子は2歳を迎え、イヤイヤ期真っ盛りのためイライラすることはあるけど、産後のゴタゴタがまるでウソかのようにお互いを思いやり、愛しい気持ちを抱きながら子育てに向き合えています。(たまに、不機嫌になってしまうことはあるけど)

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