濱松の歳時記　９月

二百十日
　　避難マウンド二百十日の人はゐず
防災の日
　　座布団や前後に長し防災日
二学期
　　靴音や二学期の朝ドア閉まり
秋の蚊
　　秋の蚊や宴会場の飛び疲れ
秋の蚊帳
　　聞こえ来ぬ秋の蚊帳吊る手も重し　
蚊帳の別れ
　　回廊の果てに積み置く別蚊帳
秋の蝶
　　どたどたと秋の蝶追ふ学者かな
白露
　　水出しのかをり去りゆき白露の日
　　
蜻蛉
　　隊列の順番待ちて赤蜻蛉　
糸瓜
　　自己主張全部それぞれ糸瓜揺る
二百二十日
　　棚田道二百二十日の落暉かな　
秋の夜
　　秋の夜やテレビ版見て去年の妻
仲秋
　　仲秋や八百屋の物も皆高し
八朔
　　馬の上晴れて八朔神事かな
夜なべ
　　こつこつと今宵も夜なべ縄を綯う
三社神社祭礼
　　祭礼の太鼓の響き祢宜の打つ
芒
　　オアシスの水をきらして芒かな
撫子
　　撫子や秘かに咲きて堤道
敬老の日
　　敬老の日市の使い来て金一封
萩
　　玄関の露抱く萩をかき分けて
お中日
　　御霊様開扉のうなりお中日
お鴨江
　　お鴨江や顔だけ見せて牛女
秋分の日
　　秋分や北から帰る魚釣り
秋彼岸
　　秋彼岸青き稲田の鷺のゐて
彼岸花
　　裏庭の鳥が植えたか彼岸花
秋の七草
　　一つづつ秋の七草覚えこめ
十五夜
　　団子積む皿新しき十五夜
馬追
　　馬追や夕餉見下ろし梁の上
桔梗
　　似合う色墓前に桔梗二~三本
猫尾藻の口あけ
　　猫尾藻や三枚船の縁間近

賀茂神社祭礼　加茂真淵　
　　うーん句が浮かばぬ顔で加茂真淵