まんぷく俳句 3月

3/1
特許許可春の決断安全を　
春めくがカレー味より父怖し　
冬日射すアトリエ慌て書き直し　
春支度つらい役でも人の為
3/2　
父訊ね猫の恋ほど熱ありや　
料亭や春雨過ぎし暖簾ゆれ　
業界発足見えし春の虹　
母を呼び庭の桜を仰ぎ見て
3/4　　
秋の声ラーメンを朝食す意義　
宵の秋この身へ避けて子の躾
秋高し万博運ぶコーヒーと　
秋の空画期的しな開発へ　
3/5　まんぷく俳句　
万博や三回行った秋の昼　
秋の朝プロジェクトの出発　
秋のアメリカ丼と箸が無い　
うすら寒画伯見直すカレー味
3/6　　
秋深し容器選定案豊富　
柚子もいれスープ作りが迷走す　
カボス描く天才じゃないヒッピーか　
スープ麺容器そろえん釣瓶落とし
3/7　
秋めくが売れる売れないカップ麺　
秋されしランチタイムをすごす友　
アトリエも秋風吹きて筆とまり　
名前決めカップヌードル秋めきて
3/8　
啜れないラーメン長い黄落期　
風光るカラフルマット画家の居間　
春の風チャイムの音髪を切り　
春のさてん僕はスパゲティ英会話
3/9
春の宵きれいに揚がるカップ型　
開発や叱咤激励小鳥引く　
春の猫世界の国からコンニチハ　
萎縮する口を挟まず古巣なり
☆3/11　
夏来る発砲スチロール見出す　
浅き夏芸術家の卵冷め　
夏きざす子育てなげく赤暖簾　
肩を抱き若夏の夜別れ
3/12
どうなのよ抱き合う二人春の宵　
春日和粉末スープだまになり　
春陽やその場しのぎに惑わされ　
夏近し経験なくて解らない　
3/13　
六月来るスープ造り顆粒案　
皐月空命運かける勝負時　
空梅雨や縞のソファー思考して　
真夜中に梅雨晴れきたと起こすとは
3/14
半夏生アトリエゆらぐ弟子指導　
土用入りコーヒー啜り噂話　
熱帯夜発砲スチロール匂い抜け　
湯をかける具あるヌードル夏の夢
3/15
具が無いと浅知恵しぼる浅き夏　
喫茶店恋のゆくえを話す夏　
父に似て知恵しぼりたし夏の夜　
夏の宵フリーズドライが記述あり
3/16
初秋やフリーズドライ試運転　
コーヒーを秋の夕暮れ一人待つ　
秋気澄むコンパスで描くカップ口　
白薔薇で失恋癒す秋の暮
3/18
秋初月ヌードルにあう海老探す　
勘違い芸術の秋恋夢み　
絶品とオムレツ奢るはちぐわつ　
肉作り秋の台所二人立つ
3/19
夏始めやっと完成肉作り　
六月来るイーゼルの前立つ二人　
夢の姉母はいいのと語る夏至　
夏の朝白い蓋開けプーバラン
3/20
勢揃い初伏の昼試食会　
夏に入る腹痛の母反転か　
夏夜中万博20回行きし女　
夏茶店二人の上に画伯の絵
3/21
夏の宵ヌードルの蓋納屋にあり　
お花畑芽が出た弟子が感涙す　
腸破裂ネルの寝間着が皴よせて　
サイズ変え割れぬヌードル夏のミス
3/22
武士の娘伏せる枕辺霞草　
夏の夕ヌードルにあうデザインを　
夏の夜くだもの籠で企みて　
驚きぬ天地反転夏の夢
3/23
夏の夢ヌードルにカップ思いつき　
武士の娘退院祝う夏の昼　
白薔薇のコーヒーで浮かぶデザイン　
新涼やヌードルライン動き出し
3/25
ヌードルに称賛の声多し秋　
そぞろ寒長くないよと夢の人　
売れぬとはデザイン嘆く秋小寒　
肌寒し売れ行き不振販路変え
3/26
秋半ば特販ルート開発へ　
秋の暮武士の娘が嘆きけり　
派手なコートウーマンリブ説く秋の口　
秋麗夜中の電話売れました
3/27
秋の夜中働く自動販売機　
商秋消費者のこころ知れ　
菊咲月コーヒー追加麺談義　
秋の暮生前葬を語る母
3/28
秋気澄む白装束が母がたつ
武士の娘棺桶に入る秋の朝　
そぞろ寒母に似てくる年喰いて　
爽やかに母の娘でありがとう
3/29 　
秋の朝頭に浮かんだアイデア　
思い残すものはない朝さやか　
購買層若者たちへ秋の色　
秋の歩行者天国ヌードルを
3/30　 まんぷく俳句 　最終回　
秋の歩行者天国完売す　
ヌードルや人気沸騰天高し　
牡丹鍋ちから信じ後継者　
襟巻てラーメン食べた親友と　
眺め入る秋のアトリエ二人の絵　
桜咲くクアランプール麺旅行