マガジンのカバー画像

朝ドラ俳句

35
俳句を始めたが、吟行にも行けなくて、朝ドラを見ていたら句が浮かんだ。
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

らんまん 七月

7/31 踏まれても塵の埋れど姫菫 カーテンの透ける色消し春の風 植物誌頁のめくり春の塵 張り巡る紙干す紐や春を待つ 悩めども赤子は育ちヒメスミレ 7/28 大柄の子守半纏友の事 秋落暉語り尽きなき女学生 次々と祝福述べて冬廊下 凍てし夜の印刷機より一枚出 屈辱の出入り禁止の暮れやすき日 7/27 こどもの日落ちて発見ムジナモぞ 石段の親子三人夏夕日 父の日の論文すすむ水の草 夏の宵徳利の油文字 咲かぬはずメジナモの花咲きにけり 7/26 人誘ふ頭の中は花畑 草萌ゆる世間話の

らんまん 六月

豊の秋花婿見惚れ光らす目 高砂聞こゆ八月大名 鏡割新郎新婦笑み溢れ 山桜接ぎ木の繋ぐDNA 姥桜時代の母の映る時 風鈴や永遠の別れが泣きじゃくり 簾抜け二人泣き合ふ声の見え 並び寝る蚊帳の別れの式前夜 白無垢の秋澄む光金屏風 秋晴に眩き姿高島田 木下闇鎮守の森の杉木立 挨拶を老木の待つ山萌えて 胴乱や採集習い春の山 川の岩優しき咲かせヤマツツジ 山笑ふそれぞれの道山全て 花のころ試み届けと押す暖簾 石堅し新酒生み出し水と米 宵闇に香流るる峰の月 春動く動かぬ夕餉きみ忘れ