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昔はどんな子どもだったのか
おばあちゃんが習字の先生をしていたので物心ついたころには習字教室に通っていた。
でも私は習字の時間が好きではなかった。
自分の書く字が嫌いだったから。
一文字目の一画目を書いた時点でもう「あー、失敗した…」と思い、それ以上書けなくなることがしょっちゅうだった。
おばあちゃんの習字教室は、毎月の課題があり、各自お手本を見ながら自分のペースで書いて、いいものが書けたと思ったら先生(おばあちゃん)に提出して添削してもらうというスタイルだった。
私はとにかく一画目で挫折して課題の最後まで書ききれなかったので、いつも終わりの時間が近づくと、書き損じの中から「まだマシな出来」のものを引っ張り出してどうにか最後まで書いてようやく1枚提出するのがやっとだった。
「これ以上は書けない」と不機嫌な声も一緒に添えて。
当のおばあちゃんはまったく細かいことは気にしないタイプだったので、字の出来ばえについてはあまりごちゃごちゃは言われなかったんですけど…。
結局、小学校高学年の頃には習字を辞めてしまった。
何年やっても自分の字を好きになれなかったのが辛かった。
今では私は大人になったけど、こういう性格はあまり変わっていないと思う。
自分に自信がなくて、ミスをするとすぐに落ち込む…。
私の娘も、私に似て少しのミスをかなり気にしてしまうタイプ。
娘が「まちがえちゃった」と涙目で訴えるときは「平気だよ」「そのくらい大丈夫だよ」と返していますが、半分は私自身にも言い聞かせている気がします。
あの頃の私がかけて欲しかった言葉を、娘にはかけてあげたいな。
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