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(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる

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たこ焼き屋が舞台の、ご飯&あやかし&人情ものの連載小説です。お楽しみいただけましたら嬉しいです( ̄∇ ̄*) ★創作大賞お仕事小説部門参加中 ---------- 大阪市南部のあび…
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#創作小説

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<プロローグと各話リンク>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 完全書き下ろし。noteでのみご覧いただけます。 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! ★創作大賞お仕事小説部門参加中 たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる プロローグ  たこ焼きを焼く時に、まず生地を流すかたこの切り身を入れるか、迷うところである。  ……坂梨渚沙は迷わない。ステンレスの容器に積まれた切り身のたこをわし掴むと、器用にひと切れずつたこ焼き鉄板の穴に入れて行く。  

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<エピローグ>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる エピローグ   冬の入り口が見え始め、風は徐々に冷たくなって来ていた。  「さかなし」閉店後、茨木童子がグラスに注いだ紙パックの日本酒を豪快に傾けながら、うっとりと目を細める。 「わはは、やっぱり日本酒やな。昼に飲めへんのは、ま、しゃあないか」  そのせりふに、竹ちゃんが呆れた様に鼻を鳴らす。 「昼

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第12話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第12話 笑顔でいてくれたら 「こんにちは!」  翌日のお昼ごろのことだった。「さかなし」はいつもの様に営業中で、お昼ごはんにたこ焼きを求めるお客さまがちらほらといる時間帯である。  声の主は和馬くん。その横で母親がしとやかに頭を下げた。 「和馬くん、お母さま、こんにちは」 「こ

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第11話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第11話 求められることとのギャップ  その日、「さかなし」の営業が終わり、茨木童子と葛の葉がいつもの様に押しかけ、もとい、訪れ、たこ焼きを肴に酒盛りになっていた。 「ふぅん、その和馬くんて子、心配やねぇ〜」  葛の葉が憂いげに息を吐く。渚沙から話を聞いたからである。 「子どもって

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第10話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第10話 正直者だからこそ 「ごちそうさまでした!」  たこ焼きとコーラを綺麗に空にした和馬くんは、行儀良く手を合わせた。渚沙は(ほんまにええ躾してもろてるんやなぁ)と感心する。  高水準の教育、きっちりとした躾。どれも母親の溢れる愛情が見て取れる。だが母親が忙しい分、あまり関われる

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第9話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第9話 ファーストコンタクト  「さかなし」は今日も通常営業である。お昼に近付くとお客さまもぼちぼちと増え出し、店内のご利用も増える。 (お昼からビールとたこ焼きって、最高やもんなぁ)  渚沙はそんなことを思いながらたこ焼きを焼き、店内のお客さまに注文の品を運んだ。そんな賑わいを横に

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第8話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第8話 親と子に大切なもの  その日の夜、従来の閉店時間の20時に「さかなし」を閉めてすぐ、座敷童子が「帰ったぞ」と姿を現した。 「え!? もう終わったん!?」  渚沙が目を見張り、竹ちゃんも目を丸くすると、座敷童子は「あ」と声を上げた。 「間違えた。まだ終わっておらん」 「そう

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第7話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第7話 親の期待と子どもの器  朝ごはんを食べ終え、座敷童子は「さかなし」を出て行った。これで座敷童子の恩恵は失われる。竹ちゃんの言葉の通り、いつもの「さかなし」が戻って来る。  昨日の営業後に仕込んでおいた水出しのお出汁は、座敷童子モードだっただめに量が多い。渚沙はそれを通常の量に分

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第6話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第6話 親と子の思いやり 「和馬としては、やはり親からの重圧を感じているのじゃろうなぁ。参考までに、渚沙はどうだったのじゃ?」 「私? 私はなぁ……」  渚沙は自分の学生時代のことを思い出す。  小学校も中学校も校区内の公立でのんびり過ごしていたし、高校も自分の学力から少しばかり背

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第5話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第5話 教育は大事なことだが  翌日の定休日、渚沙と竹ちゃんはたっぷりと休養を取って。座敷童子も一緒になってのんびりとし。  その翌日、また忙しい1日が始まる。鉄板いっぱいのたこ焼きを焼いて、いざ開店。ひっきりなしにお客さまが訪れ、目も回る忙しさである。  お昼を回り、そろそろ竹ちゃ

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第4話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第4話 小さなお客さまの事情  座敷童子が「さかなし」に来て数日、繁忙期が続いていたが、今日1日乗り切れば、明日は水曜、定休日である。渚沙は鉄板を前に「よっしゃあ!」と気合を入れた。  お店を開ける10時には、鉄板を焼き上がったたこ焼きでいっぱいにしておかなくては。渚沙は温まった鉄板に

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第3話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第3話 戦いのあと 「……疲れた」  「さかなし」の営業を終え、身体が疲弊し切った渚沙は店内のテーブルに突っ伏した。竹ちゃんが「お疲れさまカピ」と氷が入った麦茶を持って来てくれる。 「ありがとぉ〜」  渚沙は叫ぶ様に言うと、きんと冷えた麦茶を一息に喉に流し込んだ。まだ暑い季節、鉄板

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第2話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第2話 てんてこ舞いがやって来た 「たこ焼き8個ちょうだい。持ち帰りで」 「はい。味はマヨソースでええですか?」 「うん」 「はーい。お待ちくださいねぇ」  渚沙は焼き上がっているたこ焼きを8個、発泡スチロールの容器に入れる。イートインなら舟皿に入れるのだが、お持ち帰りなら蓋が付

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<4章第1話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 4章 期間限定の恩恵 第1話 飛び込んできたもの  その日の「さかなし」営業時間が終わり、またいつもの様に茨木童子と葛の葉が訪れる。基本的にはいつもタダ飯、タダ酒を遠慮無くかっくらう2体なのだが。 「おら、今年もきのこが生え始めたで」  茨木童子がそう言って、細長い緑の葉っぱで編まれた袋をどさっとテーブル