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サヴァン症候群の人から見える世界。すごく違うところとぜんぜん違わないところ。

子供と読める本を探していたときに、そういえばこれは未読だったな…と手に取った本。

何年の何月何日は何曜日か…

そんなことがたちどろこにわかるカレンダー計算や、極めて豊かな共感覚を元にした暗算や素数暗記、多言語の習得。サヴァン症候群であり、アスペルガー症候群である彼の能力が、言語と計算にまたがっているおかげで、彼の見える世界が、言葉に乗ってわかりやすく伝わってくる本でした。

生活する上での困難、また、育てる親、家族の困難、新しい物事にチャレンジする困難…それらは想像を絶するほどですが、あくまで一人称での語りなので、それらが拡大も縮小もされずに述べられていることで、共感できることが多かったです。

そして、人の頭の中なんて、絶対わからない。

そういう根本にたちかえる本ですし、ドラマチックで子供にも興味深い本なので、早速長女行き…と思ったのですが、彼はイギリス人なので、原書で読むのもいいのかも。

'I was born on 31 January 1979 - a Wednesday. I know it was a Wednesday, because the date is blue in my mind and Wednesdays are always blue, like the number nine or the sound of loud voices arguing.'

こう読むと、日本語訳もとても自然だったけれど、英語の方がより彼が語っている声の温度に近い気がします。特に、原題タイトルから冒頭文の流れるようなブルーの始まりがとても素敵だなと思います。

よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!