【日記】弔辞―産まれてこれなかったユーモアたちへ―
「まだ1か月目ってことは、ぴよぴよのひよこやんな」
大学に、機材の納品を終え、駐車場。取引先が僕に向かってそう言った。なんというか、陽気な大阪のおじさんという言葉がぴったり似合っている方だった。夏の空は、すっきりと晴れていた。
「ええ。早く立派な鶏になれるよう、頑張ります」
僕は取引先にそう返す。すると、若輩が自分の例えに乗ってきたのに気をよくしたのか、彼は言葉を続けた。
「しっかり成長して、たくさん卵ぉ産まんとあかんなぁ」
上手い例えだと思った。「卵」とはつまり、「会