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セイタカシギのヒナを見た話、撮影環境(私有地周辺)の話

セイタカシギのヒナを見たい!

親の腹に入り、多脚親鳥に見える様子と、ヒナの伸びポーズ(エンジェルポーズとも言われる)を
撮影したかった。

結果を先に言うと無事に見ることができた。

伸び~
親1羽ヒナ3羽の脚8本!


お疲れさまでした!
後は余談です!


「地名+セイタカシギ」で検索すると、びっくりするぐらい沢山の生息地情報が出てくるのだが、地名を入れないとあまり出てこない。

後の人の為に撮影場所を公開しておく、と言っている僕だけれど、ここはハッキリとは公表しない。
なぜなら…私有地がめちゃめちゃ絡んでいるからである。
何気ない情報や写真はあるのでどうしても行きたい方は調べてみてください。
まあ県名で調べると出てくるんですが…

少年時代を過ごした千葉県佐倉市はここより田んぼが沢山あった

ちなみに使えなくなってしまった情報もネットには転がっている。

千葉県野鳥の会の方が出している

曽根新田とセイタカシギ
~残してもらいたい貴重な生息地~

だ。書いているのは1999年。もう25年も前。

かつては良い場所だったのでしょう。コロニーと書いてあるぐらいだし、1999年の最大観測数は82羽である。

残念ながら現在はグーグルマップ、ストリートビューで見る限りセイタカシギがいるような環境ではない。(恐らく)私有地なので仕方がない。

それにしてもグーグルマップで見るとソーラーパネルが多い。
山の土砂崩れ等でも話題にあがるソーラーパネルですが、果たしてこれはエコなのか…

江戸川区や谷津干潟でもセイタカシギは最近繁殖していないようである(多分、恐らく、maybe)
繁殖保護のために情報封鎖が行われているのならそれはそれで良いのだけれど、少なくとも僕がネットで調べた程度ではわからなかった。
2008年~2011年頃に葛西臨海公園のセイタカシギの孵化失敗の情報がある。
谷津干潟では2020年の情報で「近年は繁殖期に来ていない」と書いてある。

谷津干潟に関しては2017年頃は「オールシーズン無休で常駐していてバードウォッチャーが見向きもしない」という情報もある。なんてことだ、1~4月に行ったが一度も見ていない!
「いつまでも、あると思うな、野鳥と環境」というやつか…(それとも9月過ぎたら普通に来るんですかね


話を戻す。

今回の撮影地の事前調査でわかったのは、私有地(休耕地)にいる鳥を隣接している道から撮影する場所、ということ。数年間はその形態が続いているようなので、道路は公道だろうし、所有者様は寛容な方なのだろうなとは思う。
じゃあまあ適当に行くか~とはならない。自分で調べないとスッキリしないので。

現地の様子

職業上私有地への立ち入りには敏感である。
なので「ここ私有地っぽくない?」という場所は事前に軽く調べる。

今の時代ネットで誰でも少額で情報を確認できるので「知らなかった」では済まないことでもある。

登記情報提供サービス(アカウントを登録し、地番検索サービスで地番を確認し、公図と私有地の全部事項証明書を取得する。支払いはクレカ登録でできる)

道路と水田、水路があるのでグーグルマップと公図を照らし合わせる。
本当は役所調査すべきでもあるのだが、基本的に地番が付いていない場所は公共用地である。
農地の場合、私有地の中に耕作者用の通路があったりして、ここを歩いてしまうと私有地に進入していることになる。
地図、航空写真で見ると人が通れる場所があるが、公図でみると地番のついた土地、という場合は上記に該当するので通らないのが正解。
(所有者と直接やりとりして「好きにしていいよ」と言われたら遠慮なく私有地にも入りますが、そうでない場合はこのように対応します)

調べた結果、セイタカシギの生息地(休耕地)は私有地、隣接している道路は公道であるようだ。
なので路上駐車しても良いのだが…休耕地以外の農作業の邪魔になったら申し訳が無いし、近くに駐車場があればそこに駐車する、のがポリシーなので徒歩5~10分ぐらいの駐車場に駐車した。何より初めて訪問するところなので様子見です。

全部事項証明書、つまりは登記簿によるとこの私有地は数年前に相続が行われており、所有者は少し離れた場所に住んでいた。
休耕の理由は「親は農家だけれど子は継がなかった、もしくは耕作面積を減らした」からだろうか?近くに農作業小屋はここ数年で新設されたようなので後者かもしれない。
どちらにしろ休耕地というのは売りにくいし税金も多めにかかるし面倒な土地である。
なにより鳥を見に来る人間は邪魔だろうしお金を貰えるわけじゃあない。
余程寛容な方でない場合そのうち無くなる可能性も高い。(以上、すべて勝手な推測です)

こういうの、自治体が保護を頑張ってほしいけど、もともと田が多いエリアだから一か所買い取って保護するという先例ができると他の農家からの申し込みや苦情が出て色々大変なんだろうなぁとは思う。

オオヨシキリもだが、ウシガエルの声も多かった。私が子供の頃(30年ぐらい前)もこういった用水路にウシガエルのオタマジャクシがおり、捕まえて家でカエルになるまで飼育したことがある。(ウシガエルの飼育は2005年12月より法律で禁止されています。生きたまま運ぶのも×)

ということで休耕地が未だに残っていることに感謝しつつ散策し、撮影してきた。
最初に遭遇したセイタカシギ(成鳥)は警戒距離が10m以上あったので「あ、これ近づけないタイプか?」と思ったが、この個体が特殊だったのか他はそうでもなかった。
派手な動きは避け、終始しゃがんでいたが身体は晒したまま、それでも成鳥・ヒナ共に4,5mぐらいの距離で撮影することができた。
あまりに親鳥とヒナに警戒される場合は撮影もやめておこうと思ったが、問題なさそうと判断しました。

周りでギョシギョシ鳴いている警戒心の薄いオオヨシキリを撮影したい欲を抑えつつ沢山写真を撮ることができた。

近すぎてファインダーに収まらない事も多かった親鳥。
この写真も水中の足が全部見えていたとしたら収まっていないで距離でしょう

シギチのヒナを見たのはこれが初めてだった。
生まれてすぐ歩きだし、自分でエサを採る。
シギチ以外の一般的な鳥は巣の中でじっと待ち、口をあけ給餌してもらい、巣立ち後も暫くは給餌生活だというのに!
なんて健気なんだろう。

とても小さい。ミユビシギも小さいが更に小さい。
最近ミソサザイに慣れていたのでそれよりは大きいが…

途中セイタカシギのペア同士が縄張り争いの喧嘩をしたが、その時のヒナは地に伏せていた。
その仕草がかわいかったが、同時に泣きそうにもなった。これしか防御法がないのだ。
あれが同族ではなく猛禽やカラス、ヘビであったらひとたまりもない。
自然って厳しいなぁ。
(というのはヒナに食われる虫類も同じなのだが…)

親鳥の腹に入ろうとヒナが集まってきたが、親が警戒の鳴き声を発した
写真に写ってないところで他家族の親鳥が喧嘩をしかけてきた。
ヒナは状況を察して伏せの体勢に。
喧嘩が終わって解散するヒナ。今回は親同士の喧嘩だけで良かったね…

撮影日は曇天~雨の予報であったが、暑いぐらいの晴れタイミングもあり、朝6時~7時半の撮影は終了。
午前9時からオープンする近くのインスタ映えしそうなお店で朝食を食べ、海ほたる経由で自宅に戻った。

元気でね

いつまでも、あるとは思っていないけれど、なるべく長くあるといいな、撮影環境。
そしてヒナ、頑張れ!


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