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コミュニティ放送 開局への散歩道☆彡⑧

コミュニティ放送 開局への散歩道☆彡
008〔指定電界のおはなし〕 

 国内向け日本の放送の歴史を少しお話しておきます。

① 日本での放送は、中波ラジオ放送(中波放送)が最初で、当時は、放送(BC)、または、標準放送といい、1925年(大正14年) 社団法人東京放送局(JOAK)が放送を開始しました。
 中波放送(周波数526.5kHzから1606.5kHzまで)は、放送の方式(電波の型式)が振幅変調(Amplitude Modulation)だったことからAM放送、周波数帯の区分からMF(Medium Frequency)放送、または、MW(Mediumwave, Medium Wave)放送ともいわれていました。

② 標準デジタルテレビジョン放送(テレビ。地上波デジタル放送と区別するために地上波アナログ放送ということもある。)といい、1953年(昭和28年) 2月 NHK 東京テレビジョン(JOAK-TV)が、8月には、民間放送初となるNTV 日本テレビ(JOAX-TV)がテレビ放送開始します。

③ 超短波放送(エフエム放送)は、実験局なのに、なぜか放送の形態で放送が開始され、知らず知らずのうちに正式な放送局になっていきます。

 1953年(昭和28年)長岡教育放送が実験局として開局したのが最初。その後、1957年(昭和32年)から、NHK-FM放送がに主要都市で順次(実験局での)放送を開始。
 実験局で放送を開始という表現(認識)が多い。

 1958年(昭和33年)には、「東海大学超短波放送実験局」(学校法人東海大学)が放送を開始し、1960年「東海大学超短波放送実用化試験局」が開局(局名「FM東海」)は、無線局免許状の放送事項に、広告放送が含まれ、実用化試験局(実験局)なのに、初の民間放送局という表現(認識)がされています。

 1963年(昭和38年) ステレオホニック(ステレオ)放送の標準形式(AM-FM方式)の採用を受け、6月にFM東海が、12月には、NHK-FMがステレオ放送を開始しました。(それまでは、モノホニック(モノラル)放送でした。)

 1969年(昭和44年) NHK所属の実験局、実用化試験局が一斉に放送局(地上基幹放送局)に種別を変更し、本放送を開始。12月には、 愛知音楽エフエム放送(エフエム愛知)が一般放送事業者(地上基幹放送局 超短波放送)として開設された第1号とされています。 

 さて、電波は、送信する位置から離れると離れるほど、電波の強さは弱くなっていきます。

 指定電界強度の考え方は、人口が多いところでは、雑音が多く、人口の少ないところでは、雑音が低いということから、1950年(昭和25年)に設定され、放送区域や周波数の選定に使用されています。

 エフエム放送(超短波放送)では、

全国の市区町村ごとに
地上高4mの位置

送信場所から発射された電波が
当該放送区域を示す等電界強度の線の値
(徐々に弱くなっていく放送電波の地域における最低電界強度の値)

を定めています。

〔根拠〕平成23年 総務省告示第285号(基幹放送局の開設の根本的基準第2(2)(一)の規定に基づく超短波放送、超短波音声多重放送又は超短波文字多重放送を行う基幹放送局の地上波電界強度の値)

放送区域の基準

基幹放送局の開設の根本的基準
(昭和25年 電波監理委員会規則第21号)第2条第15号(放送区域)

 一の基幹放送局の放送に係る区域であって、超短波放送、超短波音声多重放送又は超短波文字多重放送を行う基幹放送局の電界強度地上4メートルの高さにおけるものとする。)の範囲において総務大臣が告示する値以上である区域をいいます。

①  区域      : 高雑音区域
  電界強度の範囲 : 10mV/m以下(80dBμV/m以下)
             3mV/m以上(70dBμV/m以上)
  参考世帯数等  : 25万世帯以上

② 区域      : 中雑音区域
  電界強度の範囲 :  3mV/m未満(70dBμV/m未満)
             1mV/m以上(60dBμV/m以上)            
  参考世帯数等  :  1万世帯以上25万世帯未満

③ 区域      : 低雑音区域
  電界強度の範囲 :  1mV/m未満(60dBμV/m未満)
             0.25mV/m以上(48dBμV/m以上)
  参考世帯数等  :  3,000世帯以上1万世帯以下

基幹放送局の開設の根本的基準第2条第15号(2)(一)の規定に基づく
超短波放送、超短波音声多重放送又は超短波文字多重放送を行う基幹放送局の
地上波電界強度の値
(平成23年 総務省告示第285号)

市区町村別に地上波電界強度の値が記載

概要 
① 電界強度の範囲: 5mV/m(74dBμV/m)
   参考世帯数等: 85万世帯 東京都23区、大阪市の一部の区

② 電界強度の範囲: 3mV/m(70dBμV/m)
   参考世帯数等: 25万世帯 主に政令指定都市の一部

③ 電界強度の範囲: 2mV/m(66dBμV/m)
   参考世帯数等: 8万世帯 東京都の主な市部と政令指定都市の一部

④ 電界強度の範囲: 1mV/m(60dBμV/m)
   参考世帯数等: 1万世帯 各都道府県の主な市部

⑤ 電界強度の範囲: 0.25mV/m(48dBμV/m)
   参考世帯数等: 3,000世帯 


基幹放送局の開設の根本的基準第7条の指針

① 開設しようとする基幹放送局の送信空中線の型式及び構成、設置場所並びに高さ並びに実効輻射電力は、その放送しようとする地域におけるその放送の受信が有効に行われるため必要な電界強度を生ずるものであること。

② 開設しようとする基幹放送局の送信空中線の設置場所は、その局を開設することによりその局又はこれと放送の種類を同じくする他の基幹放送局の放送区域がそれぞれ当該他の基幹放送局又は当該開設しようとする基幹放送局の放送区域の全部又は大部分と共通となる場合には、当該他の基幹放送局の送信空中線の設置場所に近接したものであること。

 興味があれば、「総務省 電波利用のホームページ」の「電波に関する法令を調べる」から「基幹放送局の開設の根本的基準第2条第15号(2)(一)の規定に基づく超短波放送、超短波音声多重放送又は超短波文字多重放送を行う基幹放送局の地上波電界強度の値(平成23年 総務省告示第285号)を開き、市区町村別に地上波電界強度の値が記載されていますので、必要な市区町村の値を調べてみてはいかがでしょうか。

 「総務省 電波利用のホームページ」(https://www.tele.soumu.go.jp/

次回は、〔放送区域〕です。

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