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私流小さな村おこし 志賀風夏

みなさんはじめまして。
志賀風夏と申します。
以前EDIT LOCAL LABORATORYさんで、古民家のリノベーションアーティスト、なんて言っていただけましたが、そんな大層なものではなく、
普段は福島県の川内村という小さな村で、陶芸をしたり、草野心平という詩人の別荘を管理、案内をしたりしてのんびりと生活しております。
今は自宅にある古民家を改修して、カフェや、日替わりシェア店舗のようなものを作ろうと悪戦苦闘している最中です。

なぜ古民家再生をすることになったのか。

私は今地方で盛んに行われている「地域おこし」と呼ばれているものにはさほど興味がありません。
もちろん今の地方をどうするのか考えますし頭を悩ませることも多いですが、みんなで集会を開いたり、イベントを定期的に行ったりすることへは少し気が引けてしまうのです。
最近ネットでよく目にする「ていねいな暮らし系」や「地域おこし系」といった言葉は、今やカテゴリとしての言葉ではなく「意識高い系」のような、私たちとは違う人たちというようなニュアンスを含んでいることに気付きました。そして、私が地方に住んで感じていた違和感もここにあるのだと感じました。

私は一時期村を出たことはありましたが、また村に帰ってきました。よほどのことがなければこれからも川内村にいると思います。村を知って欲しい。村の魅力を伝えたい。そんな思いも一生をかけての長期戦と思っています。

しかし、今は地域おこしと言われるもので、あまり長期戦を考えての環境が整っていなのではと考えました。もちろん川内村を好きになってくれ、村を盛り上げたい。と移住してきてくれる方もいます。しかし、移住し、自分で起業か就職をし、拠点を作る。となるととても高いハードルになります。
短期的な地域おこしは簡単にできますが、たくさんのイベントやコラボなどが続き、最初は協力を惜しまなかった村の方達もちょっとずつ疲弊してきています。

何かをしなくては。と考えなくてもいいんです。
村には、村を好きでいてくれる人が必要です。

そんな時に思いついたのが空き家を改装したスペースです。カフェやショップとして、村の魅力を知ることができる場、川内村で何かをしたいと考えている人を応援し、貸し店舗として貸し出しサポートしあう場、村の人が、自分が作った作物がどう利用され、どんな人に食べられているのか。それを見ることができる場。血のつながりがなくても、伝統や技術を継承していくことができる場。そんな場所が必要だと思いました。

まだまだオープンするのは先ですし、名前も決まっていません。
でもゆっくりと、これからも川内村で何ができるか進んでいければと思っています。

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志賀風夏(しがふうか)/1994年生まれ。福島県川内村出身。陶芸家、かわうち草野心平記念館管理人。デザインやイラストなどをはじめとして、村人として川内村に関する様々な活動を行っている。

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