オンライン MEET UP! レポート#25
オンライン MEET UP!レポート#25
みなさんこんにちは!インターン生の望月りおです。
10月12日に行われたオンラインMEET UP!のレポートをお送りいたします。
第25回のテーマは、栃木の武将『藤原秀郷』で地域創生、情報発信の指針『ローカルメディアコンパス』。
宮本 誠さんと船本 由佳さんをゲストにお迎えし、トークを展開しました。
1人目のゲストの宮本さんは、栃木県宇都宮市で印刷業を営みながら『栃木の武将『藤原秀郷』をヒーローにする会』の活動をされています。
藤原秀郷って知っていますか?
藤原秀郷は藤原鎌足の7世であり、平安時代に平将門を倒したことで知られている武将です。そんな秀郷は子孫を多く残したことで、子孫の数が日本一と言われています。苗字が「〇藤さん」の方は秀郷の子孫になり、佐藤さんは御所を警備する左衛門尉の藤原、内藤さんは天皇の警護を行う官職の内舎人(うどねり)の藤原から由来されています。
また、栃木の街の礎を作ったほとんどは秀郷の子孫であり、奥州藤原氏の「清衡」も子孫とされます。
秀郷の強さは、「俵藤太伝説」として残され「近江の大ムカデ退治」や「宇都宮の百目鬼退治」はおとぎ話として伝承されており、希代のヒーローだったことが分かります。
その中でも「宇都宮百目鬼退治」は、鬼を倒したという伝説があり「鬼滅の刃」のモデルなのではないかという考察から注目を集めています。「大百足退治」は、陰陽師でも登場しています。
もうひとつの名前
藤原秀郷には別名俵藤太(たわらのとうた)という名前があります。この名は「今昔物語」や「御伽草紙」などに出てくる名前で、「藤原」の「長男である太郎」という意味があります。「近江の大ムカデ退治」のあと、使っても尽きることのない量の米俵をお礼にもらったことから「俵」という名前になったそうです。
最近では、ゲーム「Fate/Grand Order」にも出てくるそうです。
栃木県の魅力
栃木県は昨年まで都道府県魅力度ランキング47位でした。
実際に宮本さんも、藤原秀郷を知る前は「栃木なんて何もないし…」と自虐的でアピール下手だったそうです。しかし、47歳の時に藤原秀郷の魅力を知り、その素晴らしさに「こんな人が居たんだ」という衝撃を受けました。
自らが栃木県の魅力を知らなかったからこそ、「栃木県の歴史を知って皆で栃木を宣伝しよう」という思いが生まれ、『栃木の武将『藤原秀郷』をヒーローにする会』が始まりました。
栃木県の課題とこれから
都道府県魅力度ランキングからも分かるように、栃木県の課題は「認知度不足」とされています。そこで、栃木の歴史と文化を知ることで栃木を自慢したくなるプライドを育て、子ども達が「誇りに思える栃木県」を目指していく必要があります。
宮本さんは、マイナーな武将をキャラクター化した図鑑を作ることや、大学生と連携したマップ作りを行っています。また、栃木県は東京に近く日帰りで行けてしまうので、宿泊が伸びないという課題から、藤原秀郷スポットのコースを作成して、泊まりたくなる仕組みづくりも構想しています。
藤原秀郷を知ることで、栃木のプライドがupし認知度が上昇することで行ってみたくなるというサイクルが目に見えます。
2人目のゲストの船本 由佳さんは、NHKのキャスターを経て神奈川県横浜を拠点にNPO法人「森ノオト」でワークショップデザイナーとして活動されています。
情報の海を渡る指標となるコンパスを作りたい
ひと世代前まで、情報は川のように流れており、テレビやラジオ・新聞といったマスメディアが上流から情報を流し、個人が川裾から情報を選び取っていました。しかし、現在では、ブログやTwitter・InstagramなどのSNSが広がり、個人が情報の泉を持つようになったことで、様々な場所から情報の水が湧き出るようになりました。そうしたことで情報が溢れかえった現在では、正しい情報も不確かな情報も分からない情報の海のような状態になってしまっています。このような状況下で、船本さんは受け取り側も正しい情報を選びとる必要があると考えています。しかし、何よりも「情報を発信する側」がそれぞれの行動指針を持って情報発信をしていくべきだと考え、情報の海を渡るためのガイド「ローカルメディアコンパス」というワークショップツールが作られました。
ローカルメディアコンパスはどうやって使うの?
ローカルメディアコンパスは、神奈川県内で活躍するメディア関係者の「悩み」や「迷い」「やりがい」などの現場でのエピソードや意見を参考に選ばれたお題が並び、情報発信の現場で起きたたくさんの「失敗談」や「経験談」から学ぶためのワークショップカードです。
情報発信者が自分の方向性を決めるコンパス(羅針盤)を持って堂々と情報の海をわたっていけるように、考えるきっかけを与えてくれます。
対象者となるのは、メディア(新聞社、地方紙、放送局、ウェブメディアなど)に所属する人やこれからローカルメディアを始める人、ライター志望の人、団体や企業の広報担当者、情報リテラシーに関心がある人などです。
ワークショップを通して、グループで「こんな状況に直面したら私はどう行動したらいいのか」と自分と仲間の行動基準について考え語りあうことができるだけではなく、取材活動をすることの意義や楽しさを伝える目的もあります。
「ローカルメディアコンパス」は「情報発信者とはかくあるべき」と提唱するものではなく、発信者自信が「このように情報発信をしたい」と考えていくためのきっかけづくりであり、「メディアリテラシー」を育むツールにしたいという願いが込められています。
ローカルメディアでまちづくり
「ローカルメディアコンパス」を作り上げたNPO法人「森ノオト」は、Global(地球規模)に進む環境問題に対して、Local(地域・家庭)から実践していく人を増やすために、Media(情報発信)によって普及啓発していく事を軸に活動されています。活動としては、横浜の青葉区の住宅街を拠点に情報発信事業や地域交流事業、ものづくり事業を行っているようです。
ウェブサイトはこちらから
http://localmedia.morinooto.jp/
「ローカルメディアコンパス」はネットショップやニュースパーク、日本新聞博物館で購入することができます。
誰でも簡単に情報を発信することができてしまう今だからこそ、他人事だと思わず受け手にどう伝わるかを考えながら情報発信をしていくべきですね!
次回もお楽しみにしていてください♪
インターンの望月でした。
文=望月りお