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瀬戸内で16人と歩んだ1年 南裕子

EDIT LOCAL LABORATORYが毎月会員向けに配信しているメールマガジンより、会員リレーコラムのご紹介です。全国で活動するメンバーがそれぞれの現場での実践やEDIT LOCAL LABORATORYに参加した理由など、ご寄稿いただいております。ぜひご覧ください。
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「瀬戸内かわいい部」は、瀬戸内の魅力的なモノ・コトを“かわいい”という視点から探し・伝え・育むことを目標にしたゆるやかなコミュニティ。2018年の夏の西日本豪雨のあと、岡山で暮らす一人の女性が「自分のうまれた場所をはじめて愛しいと思った。このまちのいいところをもっと伝えたいと思った」と声をあげ、その呼びかけから産声をあげました。

SNSでの発信や、交流会・写真展などのイベント開催を経て、今は「せとかわデニムプロジェクト」という、瀬戸内産のデニムのB反(市場に流通されない生地)を活用した商品開発プロジェクトを行なっています。

「“かわいい”という視点からデニムを見つめ直し新しい商品を作る!」
そのミッションに賛同した16人のメンバーとスタートしたこのプロジェクト。デニムに詳しいわけでも、商品開発の経験があるわけでもない、メンバー同士もほぼはじめまして。ゼロからスタートしたこの企画が1年後にどこにたどりつくか…それは大きな実験でもありました。

■仕事も居住地もばらばらのメンバー
せとかわデニムプロジェクト(略してデニプロ)のメンバーは、仕事も居住地もさまざま。最初は距離の壁にもどかしさを感じることもありましたが、オンライン/オフラインの両方を駆使してコミュニケーションを重ねることでその壁を乗り越えてきました。
今ではメンバーが全国にいるからこそ“できること”の方が多く、地域をこえた発信やイベント出展でプロジェクトの広がりを進めています。

■できた商品だけでなく、その過程で生まれた言葉や変化も大切な作品
デニプロの一大ミッションは、デニムのB反を活用したかわいいアイテムを作ること。
でもそれだけではなく、プロジェクトの過程で生まれた言葉や変化にも価値があると思い、その記録を大事にしてきました。
商品作りを通じてデニム産業への理解が深まったり、「いいものを作りたい」と思うがゆえに悩んだり、プロジェクトがきっかけで新しい出会いに繋がったり…。そうした変化やエピソードも大切に残しておくために、SNSやHPのメンバーインタビューなどを通じて発信しています。

■“人”を起点に広がるコミュニティ
プロジェクトが進むにつれ、メンバーひとりひとりの思いや参加背景、活動内容に共感して応援くださる人が増え、少しずつコミュニティが広がっていきました。
友人知人、家族、地域の生産者の方々、かわいいモノ・コトが好きな人、地元のために頑張る人を応援したい人、各地でローカルプロジェクトを運営する人etc…様々な層から興味を持っていただき、中には一歩踏み込んで、イベント準備・商品撮影・梱包発送などに参加してくれる人も…。さらに、そうした協力者の方々を起点にまた応援してくださる方が増え、デニプロは大勢の方の手を借りてぐんぐん育ってゆくことになりました。

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このプロジェクトでわたしたちは「瀬戸内デニムピクニックシート」という一つの商品を作りあげました。でもそれと同時に、プロジェクトを起点に広がった地域や人との関わり、1年を一緒に駆け抜けたこのチームこそが大切な成果だったような気がしています。

そんなプロジェクトも、この春が終わる頃一度フィナーレを迎えます。ゼロからはじめたプロジェクトが、一体どんなフィナーレを迎えるか? 1年をかけた壮大な実験の結果がどうなるか、それがわかるのはまだもう少し先ですが、自分たちが想像していたよりも、ずっとずっとゆたかな形でその瞬間を迎えられそうです。

Profile
南 裕子/1987年生まれ。岡山県出身。出版社の広報や、演劇の宣伝美術を経て、現在フリーランス。「地域と文化のための仕事」をテーマに、東京⇄岡山を月1で行き来しながら、PR・デザインを軸に活動中。2018年〜「瀬戸内かわいい部」運営メンバーとして活動中。 

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