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誰でもできる(かもしれない)ローカルコミュニティの編集

岩嵜修平

「ローカルコミュニティ(地域コミュニティ)」と聴いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。

Wikipediaいわく、「地域住民が生活している場所、すなわち消費、生産、労働、教育、衛生・医療、遊び、スポーツ、芸能、祭りに関わり合いながら、住民相互の交流が行われている地域社会、あるいはそのような住民の集団」とのこと。

まあ、要するに、住んでるところが近い人同士の集団だと思うんです。

でも、なんとなく、ローカルとかコミュニティとか言うとキラキラした感じがありませんか?特に、最近、雑誌に取り上げられたり、話題になっているローカルコミュニティというと、チラシとかサイトのデザインとかもカッコ良くて、中心にはイケてる感じの若者がいるような感じ。でも、本来は、住んでいるところが近いってだけで良くて、全くキラキラしてる必要は無いと思うんです。

もちろん、人の数が増えれば、その分、盛り上がって、金も集まって、いろんな企画が回りやすいんだとは思うんですが、人が多くなると、その分、中心から外れたコミュニティ参加者の満足度は下がり、多くの人の間で出来た空気感で居づらくなる人も増えると思います。

もちろん、居づらくなる人をゼロには出来ませんが、個人的には、なるべく、そういう人が居ないようにしたいと思っています。そのために、なるべくキラキラしないこと、中心を作らないことを意識してコミュニティを運営しています。

「お前、誰だよ」って話ですよね。名乗り忘れました。岩嵜と申します。特に肩書きなどもないのですが、このEDIT LOCAL LABORATORYの「オンラインMEETUP」というイベントでは、プライベートで運用している「谷根千コレクション」という2,000人ほどの参加者が居るFacebookグループ(オンラインコミュニティ)の運営についてプレゼンさせて頂きました。

谷根千コレクションのはじまりは、「もてなし屋 根津」というコミュニティスペース。元々、縁も無かった根津という場所で、ひょんなことから10畳ほどのワンルームを無料で使えることになり、そこをコミュニティスペースとして運用し始め、自分でイベントを主催したり、スペースのレンタルを行ったりしていました。

元々、ローカルコミュニティに興味があったので、折角であれば、地元の方に集まって頂けるような場所にしたいと思い、近所でチラシを撒いたり、SNSを活用したりしたのですが、なかなか地元の人が集まらず、それならばと地元である谷根千というエリアの情報を提供するウェブメディア「谷根千コレクション」を作り、そこで紹介する情報を集めるための場として始めたのがFacebookグループ「谷根千コレクション」でした。

おかげさまで、地元の人にもイベントに参加してもらうことができ、根津の藍染大通りという歩行者天国として有名な伝統ある場所で「谷根千コレクション」というミニ文化祭のようなイベントも主催することができました。

そこで生まれたつながりが今も続いている人も居るようで、嬉しい限りではありますし、そうした地元の人同士のつながりの一つ一つがローカルコミュニティでもあると思っています。

ウェブメディア、オンラインコミュニティ、イベントと展開していきましたが、全ての名前を「谷根千コレクション」で統一していたのは狙っていたところでもあります。

スペースを運用し始める前から意識していたのは、誰でも出来るフォーマットを作るということでした。スペース運営にしてもイベント主催にしても、ほぼド素人の自分が、折角、ゼロから始められるのであれば、同じようにゼロから始める人も真似しやすいようなフォーマットを作れば、同じような小さなメディア、コミュニティ、イベントも日本各地で生まれていくかもしれない。そうして、小さなローカルコミュニティが数多く生まれていくことこそが、最初に挙げたような居づらい人をなるべく減らすために重要なことだとも思います。(もちろん、汎ゆるコミュニティに向かない人もいらっしゃるのも事実で、難しい問題ではありますが…)

そして、ウェブメディアでもオンラインコミュニティでもイベントでも、なるべくキラキラしないこと、中心を作らないことを大事にしてきました。運営は黒子となり、基本的には参加者全員が能動的にその場を活用する。上手くいくことばかりでは無かったですが、常に意識し続けていたところではあります。

僕がやっていることは果たしてローカルコミュニティなのか?と聴かれると、自信を持って「そうです!」とは言えませんが、何かしら地元の人同士のつながりは生まれている訳で、それ自体は意義深いことだとは自負しています。

そして、僕が作ったのがローカルコミュニティならば、今まで読んできてもらった人には分かるように、ローカルコミュニティを始めること自体は、そこまでハードルが高いことではありません。

僕の場合はラッキーなことに空き部屋を貸してくる人が現れましたが、究極、自分の部屋に地元の方を招いて、飲み会でもやれば、それは立派なローカルコミュニティだと思います。もちろん、どんな人が来るか分かりませんし、問題が起きるリスクもありますので、そこら辺のリスクは、告知先の制限や知人の口コミなど、コントロールすることが必要です。継続するとなると、何かしら費用が嵩むかもしれないので、イベントなど収入を得るための方法を考えていく必要もあるでしょう。

でも、まずは、始めてみて欲しいです。きっと自分自身にも、そして、そこに参加した人にも何かしら得るものはあるはず。

方法に迷ったら、是非、ご相談ください。「◯◯コレクション」を世界まで届けましょう。


岩嵜修平
谷根千コレクション 運営
編集・ライター
大学卒業後、IT企業での勤務を経て2013年に独立。フリーランスとして、編プロでの業務委託など。その後、友人の紹介で文京区根津の一室を借り、2015年からコミュニティスペース「もてなし屋 根津」を運営(2018年に閉鎖)。近隣の谷根千エリアの魅力を発信するメディア「谷根千コレクション」を開設。併せて立ち上げたFacebookグループの参加メンバーは谷根千在住者を中心に2,000人以上。現在はカルチャーメディアでの編集・ライティングと某地方自治体でのコミュニティ支援に従事。

谷根千コレクション | Facebook





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