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ELL Online Meetup!vol.13 レポート

こんにちは。9月からインターン生として入りました!よねくぼひなこです!
10月13日に行われたOnline Meetup!の第13回レポートをお送りいたします。

今回は、「足りないものはまちをつかう・ローカル×ローカルで考える」をテーマに、瀧口幸恵さんと山本山田さんをゲストに迎え、トークを展開しました。
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 1人目のゲストの瀧口幸恵さんは、EDIT LOCALの第2代事務局長であり、多数のコミュニティの文化芸術祭や地方創生に参加しているアクティブガールさんです!

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●ローカルに目覚めたきっかけ
 まずは瀧口さんが、いつ「ローカル」について興味を持つようになったかをお話して頂きました。きっかけは、食を面白く発信するEAT&ART TAROさんに出会い、アートプロジェクトに参加するようになったことです。様々な土地に長期滞在して、その土地の暮らしを垣間見た時、「人の営みの美しさ」に感動し、初めてローカルに興味を持つようになったということです。

●2つの“遊び”
 次に瀧口さんが住んでいる墨田区にて行っている、アートに関する様々な“遊び”を紹介して頂きました。
 1つ目は、墨田区を中心に長屋や、民家の軒先など、まち全体をアートにする「39アートin向島」です。動画では、海外から招いたアーティストの作品の一部が紹介されていて、子どもたちが提灯の光に移されたお化けの影で遊んだり、プロジェクションマッピングを用いて、昔の街並みをよみがえらせたりする演出に圧倒されました。

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“まち”と“人”が一体になるアート空間が作り出されていてとても素敵でした。

 2つ目は、「未確認開通!?京島駅」です。(これは個人的にすごく惹かれました!)

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これは架空の「京島駅」という駅を想像で作り、それぞれのクリエイターがPR動画やアプリ開発などを“勝手に”行う“遊び”です。

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 例えば、この「MADACA」はウェブと連動した仮想のICカード風ステッカーです。街に仕掛けられている【うっかりタッチ】をweb版「MADACA」で読み込むことで、参加者の作る個性豊かな駅を集められるゲームができます。そこには、まちや参加者についての様々な情報が書かれています。

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街を散策しながらたくさんの駅を集めると、自分オリジナルの路線図が完成します。

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 このように空想の「MADACA」という同じプラットフォームを通して、まちや参加者について知り、つながることができる、そうしたゆるいつながりが生まれるのも、「京島駅」というたのしんで参加できる“遊び”であるからこそと思いました!

●「Next Commons Lab」について
 最後は、瀧口さんが所属している一般社団法人「Next Commons Lab」について紹介していただきました。Next Commons Labは「ポスト資本主義社会を具現化する」をテーマに、共感でつながる開かれたコミュニティをベースに、多様な暮らし方、働き方を選択し実現できる仕組みを作る試みです。

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 進行中のプロジェクトは多種多様ですが、メインプロジェクトとしてあるのが「ローカルベンチャー育成事業」です。このプロジェクトは、日本各地にある地域固有の資源あるいは課題を発掘し、それらをプロジェクトとして可視化、事業へと繋げるための人材集めやコーディネートなどを通して、地域に根差したあたらしいコミュニティや産業の種を形成するもので、以下のように様々な地域で実践されています。

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 その他にも、地域で暮らす多世代の人々が、日常的に自身のスキルや余暇時間を活用し、困りごとやちょっとしたお願いをマイクロワーク(小さな仕事)として可視化し解決する「マイクロワーク」プロジェクトや、

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大阪・関西万博と共に推進し、SDGsに包括的に取り組む「Sustainable Innovation Lab」プロジェクトなどさまざまなプロジェクトが行われています!

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 多様な人を巻き込み、社会の根底にアプローチしていく姿勢は、今後目が離せないですね。

 そして最後に言っていた瀧口さんの言葉が印象に残りました。
座敷童みたいになりたい!そこに“いる”だけで、何もしていないけど(誰も気づいていないだけで)いいことが起こっているみたいな。」
そんな“座敷わらし”瀧口さんの活動にこれからも期待したいですね!

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 2人目のゲストは、「かみいけ木賃文化ネットワーク」というプロジェクトを行っている山本山田さんです。“かみいけ”は、上池袋の略で、そこら辺に広がる木賃住宅を両親から引き継いで、企画・運営をしているそうです。

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●活動されている地域について
 上池袋は戦争時に全焼してしまったため、戦後、住宅地開発が行われ都内に勤める単身世帯向けに、木造賃貸(木賃)アパートが大量に増加しました。
木賃アパートは、4.6畳〜6畳、風呂なし、トイレ共同が普通で、現代では“普通には住まない”ため、空き部屋、空き家や取り壊して駐車場になってしまう、というのが現状です。さらに資産価値の低下や耐震・防災への不安などさまざまな問題を抱えている木賃アパートは、“いろいろ足りていない”のです、、、、、しかし、山田さんやそのご家族、また山本さんは、そうしたポンコツ具合に愛着を持っていました。
そこで!発想を転換して、「足りないからこそネットワークすることで生きるのでは!?」と考えたそうです。そこで生まれたのが「かみいけ木賃文化ネットワーク」

●木賃文化=「足りないものはまちを使う文化」!
 昔の木賃アパートでは、例えば、お風呂がないなら銭湯に行こう、台所が充実していないから町中華に行こうという風に、暮らしの中で足りていないものはまち使う、そうすることでまちのつながりが生まれていました。
 しかし、この「かみいけ木賃ネットワーク」は、ただの風呂なしに住むということではなく、暮らしの中で生まれていく力、アイデア(例えば、サードプレイス)として木賃文化を現代版に読み替え、様々なプロジェクトを行っています。拠点は3つ(山田荘、くすのき荘、北村荘←NEW!)あり、やってみたいこと(その中で生まれる足りないもの)はまちやまちの中にあるもの(木賃アパート、空き家)を使い、場と活動と人のネットワークを広げ、楽しいコトを企み、おこしています!

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●「かみいけ木賃文化ネットワーク」のメンバー(モクチンズ)と拠点

「かみいけ木賃文化ネットワーク」メンバーの「モクチンズ」会員は29人と2匹(犬、猫)で、あらゆるジャンルの方たちで構成されていて、モクチンズの中でもさまざまなネットワークができあがっています。

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 そして、メンバーの拠点となる木賃は3つあります。
 1つ目は、山田家が所有している木賃アパートの「山田荘」です。一階1号室にはEDIT LOCALの編集室があります。

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 2つ目の「くすのき荘」は、元々運送会社の事務所だったところを借りて、シェアスペースと山本山田さんの住まいとして使われています。

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会員制ですが、コワーキングスペースのようにきっちりはしていなく、いろんな意味での”シェアアトリエ” として使われています。

 そして、第三の拠点となる「北村荘」は、モクチンズメンバーの大学院生が手を挙げて、「探求→究する家」というコンセプトで、現在改修を行なっているそうです!

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 大学の中だけでは、限られた関係しか持てないという問題意識から、地域の中で対話でき、仲間が集まる場を作りたいという思いから作られました。
こうした地域の問題を解決できるきっかけが作れるのも、「木賃」というプラットフォームがあるからこそですね。

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●「かみいけ木賃文化ネットワーク」のプロジェクト
  一体どんなふうに使っているのか、事例をいくつかご紹介していただきました。
くすのき荘や山田荘などを行き来しながら、生活や作品制作を行う福家由美子さんや、

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住まいは違いますが、よく遊びに来てくれる美術のおじさん上原祥吾さん、

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他にもこ、どもとおとなの遊び場として利用したり、展示や演劇、夏祭りをやったり、、また出張してイベントをやったりなど、、

そして特に面白かったのが、風呂なしアパートを屋台にした「木賃屋台 足りなさ荘」です!

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“足りないからこそ、接続されることで生きる”という木賃文化をまさに体現したもので、例えば、銭湯の前で飲み屋屋台をやるなど、接続した場所によって変幻自在に使い方が変わる屋台なのです!

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 あとは、すみだ公園で、ナースとコラボした「健康がたりなさ荘」(笑)、は不健康自慢を紙に書いてナースに診察してもらう企画で、2日間で100枚以上集まったそうです。足りないことを、ポジティブに捉えた企画、面白いですね。

ローカルの土壌を作り、つなぎながら楽しくみんなで”遊ぶ”ことができるのも、こうしたかみいけ木賃文化ネットワークがあるからこそなんですね。

●「足りたいものはまちを使い」小さな出来事を積み重ねていく

何かが足りないという状況、余白は人を創造させる、そして新しいものや遊びが生まれていく、、!そんな「かみいけ木賃文化ネットワーク」、絶賛メンバー募集中です!足りなさを感じている方、おもしろい企みや遊びをしたい方、ぜひ!

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 今回のゲスト2人に共通しているキーワードは「遊び」でした。直感的な「たのしさ」「面白さ」は当たり前のようで、実はとっても重要なことだと気付かされました。
「楽しい」からこそ人が集まってくる、「遊び」という余白があるからこそ、さまざまなコトが生まれ、つながる。それを体現した活動をお二方はされているのだとおもいました!

そんな「遊び」にこれからも注目していきたいですね!

次回は11月10日です!ぜひお気軽にご参加ください~~!

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