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オンライン MEET UP! レポート#31

みなさん、こんにちは!
4月からインターンとして参加させていただくことになりました、齋藤結です。
今回は、4月12日に行われたオンラインMEET UP!のレポートをお送りいたします。

第31回のテーマは「教育の現場から播磨のまちづくりへ」。
ライター、カメラマン、コミュニティマネージャーとして活動されている
中野 広夢(ロペス)さんをゲストに迎え、お話をうかがいました。
(岸田祐佳さんは、体調不良のためご欠席となりました)

中野さんは現在、兵庫県播磨地域のライフスタイルマガジン「まるはり」の取材フォトライターとして活躍されています。
まるはりは播磨地域のグルメやおでかけ情報、新店、新ネタといった地域の魅力を発信している地域情報雑誌です。

図2

実は中野さん、以前は小学校教員や塾講師など教育関係の仕事や、コミュニティマネージャーの仕事をされていたそうです。
一見、現在の仕事と直接的に結びつかないようにも感じられますが、お話いただくなかで、これまでのご経験と現在の仕事の繋がりが見えてきました。

中野さんがまちづくりの仕事に入ったきっかけは偶然だったといいます。
婦人服のアパレルブランドを手掛ける会社に教育事業の立ち上げメンバーとして入社したものの、事業は途中で頓挫。まちづくりの事業には、左遷のような形で入ったそうです。
初めはまちづくりや地域に興味がなかったそうですが、仕事を通して地域の想いやミッションを持った地域プレイヤーと関わっていくうちに、彼ら彼女らのことが好きになり、そういった人々が地域で活躍できるためにローカルメディアを立ち上げたのが現在の仕事の発端となりました。

その後、メディアだけでなくリアルな”場”で地域プレイヤーと関わり、彼らの活動をスケールさせていける仕事をしたいと考え、コワーキングスペースのコミュニティマネージャーに転職。
イベントや交流会を多数企画し、また、姫路市の都市計画大きなまちづくり事業に広報として携わるようになりました。

まるはりでの仕事は元々外注で受けていたそうですが、現在は社員として、インタビュー記事の取材やライティングをされています。
インタビュー記事では、地域の「人」に焦点を当てた記事を執筆されることが多いそうです。

このように様々な分野からまちと関わりを持つなかで、中野さんは自身の強みを見つけます。

それは、「乗っかり」力。

つまり、自分でコト起こしをするのではなく、起きているものに乗っかり、広めていくということ。
中野さんはこれまで、自身がプレーヤーでないことに引け目を感じていたそうですが、懐に飛び込んでいく力で地域に溶け込みつつ、「近すぎず、遠すぎない距離」で仕事をしているといいます。

播磨に来て5年という中野さんですが、地元の団体に参加したり、取材の場でも実際に中に入っていくなどして、まちの人との繋がりを深めています。

図3

また、元教員という中野さんの視点から「教育から見た地域」「地域から見た教育」というお話もいただきました。
企業からすると教育はコストがかかるため、即戦力のある人材を採りたがるものです。
しかし、この状況が続くと地域で誰も教育をしなくなり、土壌が痩せ細ってしまった「焼畑農業」のようなまちになってしまうことを危惧してきました。
中野さんは、地域のなかで人が育ちやすい環境を整えていくことが、より豊かな土壌を耕し、新たな実りを生むのだと考えています。

図4

質疑応答で投げかけられた「教師とまちづくりの仕事の共通点は?」という質問からは、中野さんの豊かな経歴から得られたご経験が垣間見えました。

教師とまちづくり、規模は全く違うように見えますが、やっていることはあまり変わらないといいます。
どちらも「たまたま同じ地域に住んでいる、様々な個性や良さを持った人の集まり」という点で共通していて、まちづくりは「クラスが地域になったもの」という感覚を持っているそうです。

集団の中でいろんな出来事や問題が起きたりすることは、クラスも地域も同じ。
そこで、ネタを捕まえて(Catch)、焦点を当てて(Spot)、広げていく(Spray)。この "CSS" と中野さんが呼ぶ手順は、クラスでもローカルメディアでも一緒なのです。

中野さんは自身の仕事について、「人の面白さを引き出すのが仕事」だといいます。どうやって人・モノ・コトの良さや面白さを引き出していくかを考えることは、教員のときも現在のライティングの業務でも同じだそうです。
「面白い人がいないとか、面白いできごとが無いとか、原因を周りに求めているうちは三流」という言葉には、インタビュー経験のある私も身が引き締まる思いでした。

今回のMEET UPを通じて、終始伝わってきたのが中野さんの「人」に対する愛と熱量。
目の前の人に対する興味関心や、知りたい!という中野さんの強い思いが
受け手の心をオープンにさせ、魅力を引き出せるインタビュー記事になるのではないかと思います。

「乗っかり」力と、人に対する愛や熱量。
中野さんの仕事の極意は、そこにあるのだと感じました。

それでは、今回はここまでといたします。
次回もお楽しみに!インターンの齋藤でした。

ライフスタイルマガジン「まるはり」

中野広夢さん note


文=齋藤 結

齋藤 結 (EDIT LOCAL LABORATORY インターン)

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