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お互いの言葉が響き合う、森ノオトは地域のソウルメイト|SOCORA・西山浩平さん(取材先/いいかも市出店者)

森ノオトにかかわる人たちの声を聞きながら、ローカルメディアのあるまちの現在を描いていくインタビュー企画。7回目は青葉台にチョコレート専門のラボを構え、月一度森ノオトセレクトのお買い物を楽しめる「いいかも市」でもお馴染みのSOCORA・西山浩平さんです。森ノオトの事務所とラボが程近い場所にあり、あおばを食べる収穫祭にも協賛していただく西山さんから見える森ノオトとは?編集部スタッフの佐藤沙織が話を伺いました。


—— 一流ホテルやレストランでの華麗なる経歴を持つ西山さん。いいかも市で注文するチョコレートはいつも絶品で感動しています。西山さんのお祖母様の家に移り住んだことをきっかけに、チョコレート専門のラボを青葉台に構えたとのことですが、西山さんと森ノオトが関わるきっかけはなんだったのでしょうか?
 
森ノオトを知ったきっかけは、「あおばを食べる収穫祭」だったかな?主催者が森ノオトっていうことを知って。で、近所に代表の北原さんも住んでたっていう。
 
自分が今開業して7年目で、開業時はホテルとかメーカーの注文にオーダーメイドで製作するOEMを中心にやってたんですけど、周りの声もあって、地域との交流を始めたんです。
 
最初は柿生で開催していた「Vege&Fork Market」に声をかけて参加しましたね。動物性のものや白砂糖を使わない……そんなナチュラルな人が集まるイベント。「Vege&Fork Market」 のコンセプトは、OEMとは別に、自分のやりたいことや目指したいことに通じていたから、そういう部分で地域と関わり合い持って楽しめたらな、と。それで青葉台のキーワードを調べていくうちに、森ノオトがみんなに絡んで関わり合いを持っていることに気づきました。

当日製作していたチョコレートには、青果ミコト屋(青葉区)の発酵蜜と西山さんのご友人のクラフトジンを使用。なめらかで美しいチョコレートの製作過程に目が釘付け

—— SOCORAさんは森ノオトのAppliquéともコラボしたりと、地域のつながりを形にするようなコラボがたくさんありますね。
 
自分は今企業と取引することが多いけど、世の中寄付で回るとも思っていて。そういう内なる思いと重なる場所と関わりを持っていたいという気持ちもあります。
 
——コラボもそんな思いからなんでしょうか?
 
協力者、というか。ボランティアとか寄付って、その団体への理解がないとできない。頑張ってー!っていう気持ちで賛同してる。
自分も職人なんで、世の中に貢献することを仕事の半分くらいは持っていたいんですよね、法人としての仕事とは別に。食べた人を笑顔にしたいとか。森ノオトも、そうですよね。地域の人に幸せになってほしいっていう取り組みで。だから自分も森ノオトも思いは一緒。得意分野でそれぞれ活動しているけど、集まったら面白いよねっていう。自分にはできないことをしているから、森ノオトの皆さんのことは尊敬してますよ。
でも森ノオトがもっと偏りのあるメディアだったら、入っていかないかもしれない。カラーがナチュラルだし、中のメンツも付き合いやすい。
 

SOCORAさんは、3年ぶりに開催されたあおばを食べる収穫祭2022にもご協賛いただきました

—— 西山さんが森ノオトの取材を受けた2018年と今とで、森ノオトの印象は変わりますか?
 
今自分が森ノオトで関わっているメンバーが年下の世代になってきて、敬語を使う必要がなくてやりやすい(笑)。あとみんなクリエイティブでいいね。NPOとして成り立たせているのも立派だと思いますよ。もっとそういうのが成立する社会になっていけばね。いいかも市ももっと広がっていくといいよね。
 
——西山さんはいいかも市にも、コロナ禍前のリアル開催の時からずっと出店してくださっていますね。
 
近いからね。法人としての SOCORA は華やかに見えるかもしれないけど、こうして近所にチョコドリンクとか注ぎに行ったりしてる(笑)。法人としての仕事とは別に、僕の場合は半分個人としてね。
 
——先ほどの“仕事の半分”の部分でしょうか?

そう。地域でお店をやってる人のいろんなコミュニティがあるけど、森ノオトはそのみんなと手をつないでるって感じもしてますよ。対外的にブランディングしているわけではないけど、森ノオトは青葉台で顔が広いからね。「HYGGELIG(ヒュッグリー)」(市が尾)さんともいいかも市で出会いました。
 

取材途中、ボンボンショコラを楽しげに買っていかれるお客さんが印象的でした。迷ってしまうほど種類豊富なチョコレート。じっくり選ぶお客さんの話を聞いて、西山さんが相談に乗ります

——森ノオトがあることで、西山さんに何か変化はありますか?

自分にとってはプラスでしかないかな。事業として大きな利益が出るとかではないけど、お金じゃないところだよね。人となりというか、ソウルメイトみたいな。お互いの言葉にちゃんと響き合える人たちが手を取って一緒に歩いてるんで、困っていたら、やれることある?っていう手助けがある。
 
森ノオトに協力している人も、みんな肩肘張って協力してるわけじゃなく、楽しくてやってる人たちが多いんじゃないかな?森ノオトの言葉がちゃんと響いてるからやるわけで。そういうナチュラルな発信を続けていければいいんじゃないかな。商売も数字も大切な時はあるけど、そこじゃないよねっていうことがある。
 

西山さんらしい写真を、とリクエストすると「娘がいないと無理だな〜」と言われ、後日送っていただきました。なんて愛らしい写真!クールな印象の西山さんの、娘さんとの写真に思わずほっこり

(おわりに)
西山さんが表現する森ノオトを、取材中私は新鮮な気持ちで聞いていました。お金を挟む関係が広く浸透する社会で、ここまで地域貢献の観点から森ノオトを深く理解し応援してくれる方が身近にいる心強さが、ひしひしと心に染みる時間となりました。地図を片手に青葉台のお店についてお話してくれた西山さんの姿は、私の目には生き生きと楽しげに映りました。

青葉台というキーワードで森ノオトとSOCORAがつながったように、共通の言葉を挟んで仲間をつくる力がメディアにはある!ローカルメディアの役割のようなものが、西山さんのお話を通じて私の胸にストンと馴染んでいくのを感じます。私がこれから書く記事が、どれか一つでもそんなつながりを生むきっかけになればいいなと改めて強く思います。
 
(取材・撮影:佐藤沙織)

この連載は森ノオトのNPO法人設立10周年の今年、「ローカルメディアのあるまちづくり」を、森ノオトにかかわる人たちの言葉を通じて描いていく企画です。
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