新しいアートの拠点をつくりたい──TOMO都市美術館、2021年に新館オープン
2020年4月からアーティストのトモトシと共にはじめた、オルタナティブな試みである「TOMO都市美術館」。9月末に、突然の強制退去という危機をむかえておりましたが、現在、新館オープンにむけて、クラウドファンディングをはじめています。プロジェクトウェブサイトにて、以下の「「TOMO都市美術館」の使命」と題したテキストほか、ライティング・編集を担当しています。是非、ご注目いただけたら嬉しいです!
▽ 新しいアートの拠点をつくりたい──TOMO都市美術館、2021年に新館オープン
https://motion-gallery.net/projects/tomo_museum/
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▼ 「TOMO都市美術館」の使命──100年先の芸術の物語の登場人物と企む
コンテンポラリー・アート・ヒストリー──それはまだ存在していない。コンテンポラリー・アートに関する同時代の議論のなかで、「現代」の意味を問うことに注意を払おうとするこの実践にとって、都市はどのような用途であり得るだろうか。都市とは、自立と共生がせめぎあう、最高の出会いの場であり、変化しつづける場である。したがって、都市とは劇場化する芸術における抵抗の契機であると呼びたい。
この実践が示そうとするのは、コンテンポラリー・アートについての同時代の諸実践が、いくつかの問題関心と問いを社会運動や自然科学と共有していることである。その問いとは次のようなものである。「人類史における疑いえない思い込みをいかに打ち砕くか」。これを手掛かりとして、人類の倫理を変化させる芸術の変革の可能性を探り、その結果として人類の社会や行動さえも変化させることを試みたい。
実践にあたっては、次の洞察を描く。未来における人類の倫理を予測して人類史を読みなおすことにより、想像の限界状況を突破する。すなわち、「現実」として同時代を契機とする新しい未来は、新しい過去でもなければならない。ここに至って、過去・現在・未来のいずれも特権としない、新たな人類史としてコンテンポラリー・アート・ヒストリーは立ち上がりはじめるのである。
重要なのは、ラディカルな意思の連帯を加速させつづけること。この来るべき共同体の実践領域のために、劇場化する芸術においての舞台ではなく、ラディカルな意思の出会いの場であり、企みの場として楽屋でありつづける──これがこの実践の使命である。
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