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スザンヌ・ヴェガのたたずまい

ビルボードライブ東京でスザンヌ・ヴェガのライブを観てきました。

年齢も時代も飛び越えて変わらない声。Tストラップのフラットシューズ、黒いジャケット、黒いスキニーパンツ、サーモンピンクのインナー、シルクハット。
自分に似合うものを完全に把握している装いです。若い頃から、この眼差し、このたたずまいで歌ってきたんだろうなと思わされます。

今回のツアーでは、(記憶が正しければ)イギリス、ドバイ、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドと回り、朝6時に東京に到着。
大阪公演を終えるとイギリスにとんぼ返り、そのあともツアーは続くそうです。

ベースプレイヤーと2人だけの身軽なツアー。世界各地の空港に降り立って、ライブステージでさまざまなお客さんを観て観られて、30年あまりを過ごしてきたミュージシャンの心象風景を少し想像しました。

(空港といえば、東京のビルボードライブは、ちょっとひんやりして、夜の空が見えて、オリーブ系のおつまみ、お酒、海外の香水の匂いが混ざりあった感じが、空港のラウンジに似ているなと思います。)

デビューアルバムから新曲まで、演奏したほぼすべての曲をひとつひとつ紹介しながら進んだステージでした。Small Blue Thingも、Tom's Dinerも、ほぼ伴奏なしでもこんなに惹きつけられる。
初恋を歌った曲です、と紹介された曲もありましたが、詩集を朗読しているような、淡々とした歌い方が、感情に耽溺しない達観を感じさせました。


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