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まずは木を知ることから始めたい「触れて楽しむ!木のワンダーランド2023」

2023年8月18日(金)〜8月20日(日)まで、東京ビッグサイト西3ホールにて「触れて楽しむ!木のワンダーランド」(入場無料)が開催されます。

このイベントは、国産の木材を使うことで日本の豊かな森林を守る、というコンセプトで、期間中木のインテリアの展示販売やワークショップ、イベントステージが繰り広げられます。
今日はぜひ皆さんに日本の木材に関心を持っていただきたい気持ちで、noteに書き留めています。お時間があったらぜひお読みください。

日本の森林が死にかけているというシビアな現状

なんだこのイベントは?と不思議に思う方もいらっしゃると思います。
ですので、このイベントが開催される背景について。

日本は国土の約2/3にあたる2500万haが主に急峻な斜面の森林の国であり、長い歴史の中で豊富な木材資源を生かした社会を維持してきました。飛行機から日本の国土をみても、海外の国に比べると日本は森林に覆われた緑豊かな国であることがわかりますよね。しかし、今、日本の森林は様々な意味で危機的な状況にあります。

大きな理由として「切るために植えた木を切れていない」という点。
実は、森林は、原生林と言われる太古から自然の木々が育っている森林と、人間の手によって管理されている人工林が存在します。現在日本には1000万ha程の人工林が存在しています。つまり森林が豊かな国日本は、その半分弱が人の手によって作られた森林というわけです。
戦後、住宅やインフラ利用のために植えた人工林の約半数が、現在成熟期を迎えた主伐(しゅばつ)のタイミングを迎えています。しかし、切ることができないという奇妙な状況が生まれています。

参考資料:

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/nourin/20170920/170920nourin01.pdf

というのは、日本の森林の所有形態は、実に7割を超える所有者が1〜5ha程度のミニ森林であり、それぞれが零細状態で管理運営を行なってきていることが関係しています。簡単に言うと高齢化にともなうマンパワー不足や維持管理費用などの問題で森林が管理がされていない地域が広がっているのです。

また、木を切るにしても、急な斜面からの切り出しのための道路整備ができていないこと、機械の維持などが難しい、木材一本あたりの単価が安いという社会問題を抱えています。

昔は山を持っていることが財産だったのに、今はこうした流通の問題があったり異常に安く買い叩かれてしまった結果、「マイナスな財産」になり放置されてしまったケースも多々あります。昔から植林していたことで山の整備や管理ができていたことが、今では放置され荒れ果ててしまっているのです。

結果、木を定期的に切って育てることで循環していた森林管理がうまくいかなくなり、森林に太陽光が届かず、枯れた木により根が土を維持できなくなって大雨時に山崩れが起きたり・・といった悪循環が生まれています。
また、皆さんが春先に悩む花粉症も、戦後の住宅建設のために意図的に増やしたスギやヒノキの過剰供給が原因となっています。

森林は、山に降った雨を時間をかけて地に染み込ませ、水源を確保し、生物が生きる土壌を作ります。森林が死に絶えると、貴重な水資源にも影響があります。
また土砂災害や河川の氾濫、砂漠化にもつながってしまいます。
森林が死にかけている今、わたしたちも無関心ではいられないですよね。

消費者としてわたしたちができること

わたしたち日本人は木に囲まれた暮らしが長いこと当たり前でした。
無垢材を用いた空間や木を使ったインテリアは温かみがあって落ち着く、という方は沢山いらっしゃいます。木材がたくさん内装に使われたカフェが素敵だと思う方もいるでしょう。わたしも落ち着く古民家カフェ巡りが大好きです。

ただ、消費者として木の価値やすてきな魅力を知っているのに、木を扱う人たちの課題や森林の現状に目を向けたり、応援する機会がほとんどないのが現状です。

応援したくても、何をどうしたら応援につながるかもよくわかりませんよね。。

そこで!難しいことは抜きにしてまず「木を知る」ところから初めていくことをお勧めしたいなと思います。
木のワンダーランドは、ビジネスユーザーだけでなく一般の来場客も楽しめる木材のイベントです。まずは、楽しんで、知って。知ることで興味が湧き、自分にできることが少しでも見つかれば。「日本の国産材に目を向けてみようよ」という機運がこのイベントで少しでも高まることを願ってやみません。

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