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スタッフクレジットについての考察

TVアニメ「テスラノート」に参加させていただいております。ヒロイン・牡丹たちがスパイ活動時に装着しているイヤホンやワゴン車など、作品世界を彩るメカ・プロップデザインを担当させていただいております。よろしくお願いいたします。…と、流れるように話をしていますが、じつはこの役職名が正式にクレジットされるようになったのは第5話『「信頼関係」についての考察』のエンディングから。それまでは参加しているかどうかは自分で言うしかない、という状態でした。

第1話の時点で、どこをみてもクレジットがなかったのでプロデューサーのかたに問い合わせたところ、素で忘れていらしたようで。たしかに3DCGアニメ、かつ、場面によっては2Dの作画で制作されている、というつくりなので、3DCG、作画、背景美術など、それぞれの行程で関連する会社は通常のアニメ作品よりも多めで。また、作業をしていたのも制作の初期段階で、かなり以前のことなので、ウッカリ忘れてしまうというのも無理からぬところではあるかなと。あまり良い働きができたかどうか自信がないところもあるし。

とはいえ、キービジュアルでは牡丹さんが「テスラの欠片」に手を伸ばしているし、もう一方の手はクナイを握りしめている。クルマの腕にはドヤっという感じにスパイ時計もある。どれもデザインした品々ではあるし、公式サイトでは「テスラの欠片」の設定画がダイレクトに使われていたりもする。無理からぬところだなとは思ったものの、わりと強めに問い合わせた記憶があります。そのときは役職名は「美術設定」でいいですか?という返しだったのですが、「プロップデザイン」が妥当でしょうと提案させていただきました。

「美術設定」とは、美術、とつくだけあって、背景美術でどういう風景を描いてゆくのかを説明するためのもので、実績と異なる項目ではダメだろうというのもありますが、どちらかというと「美術設定」は第1話の時点から存在する項目だったのでそこに追加するほうが処理がラクなんだろうなという気配を感じたから、というのが大きいです。

その後、監督やほかのスタッフのかたと、なにか話し合いがあったらしく「メカ・プロップデザイン」という役職名で落ち着いたようでした。すでに映像が完成している話数についてはクレジット関係にも手出しができないとのことで、今週放送ぶんにしてようやく問い合わせの結果が反映される運びとなりました。よかったです。

しょうじきオイコラという案件ではありましたが。むしろ、このドタバタがあったことで、この作品以上に良い働きができていたかどうか自信がないタイトルでも、ごく自然にクレジットしていただけていたことが、どれだけありがたいことであるのかについて、あらためて考察する機会も生まれた、忘れられない案件にして、たいせつな知見になりました。

TVアニメ「テスラノート」公式サイト

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