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「SFマガジン」10月号と50年の歴史のカケラ

「SFマガジン」2022年10月号、スタジオぬえ創立50周年記念特集号が届きました。絢爛豪華にオールスター大集合な表紙イラストが素晴らしいのですが、その印象とはあるイミ真逆に、ものすごく硬派なトーンで、スタジオぬえのなりたちや日本のSF世界に提示してきたものをひも解く特集になっていて。

バズっているから買ってみた。って感じの若いかたがたは序文からMAXぶっちぎりなテンションの語りにびっくりしちゃうであろう、なんというか、すごい知識のかたがたが、字数制限を超えた言葉で世界を突き進んでゆくさまが清々しくて。この仕事を始めたころ、すこし歳上の先輩がたと過ごした時間を思い起こさせるものもありました。

かつて同誌に連載されていた「スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ」の再録も嬉しいところでした。中学生のころ背のびして買った「スタジオぬえ メカニックデザインブック」に掲載されていて、設定とはここまで考えるものなのか!と、あのころ圧倒された記事と30年越しに再会することになるなんて。そのすこし前、レンタルビデオでみた「愛おぼえていますか」が衝撃的で、ムック本などにあたっているうちに…というのが、スタジオぬえ、という名前を意識したきっかけだったっけというのを思い出したりもして。

自分の世代でも背のびしてようやく、というくらいだったし、映像のみられかたや味わいかたも年々変化してきているので、いわゆるアニメが好きな層であっても、スタジオぬえ、という存在を意識するのは難しくなってきている気がします。肌感覚でいうと25年ぐらいは情報が断絶している印象があります(それはもしかしたら設定画であったり、制作スタッフといった、コンテンツがかたちになる以前の諸々があまりフォーカスされなくなったなあ…と、感じるようになってからの時間数、なのかもしれない)。

この号が、スタジオぬえという名前やその仕事に、若いかたがた、に限らず、多くのかたがあらためて興味を持ってゆく呼び水になると良いなと思います。

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