「宇宙戦艦ヤマト2205」の仕事の話-TAKE OFF-
「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」前章の関係者試写会では、感想は23日におこなわれる完成披露上映会以降で、という注意を事前にいただいていました。そうか、多くのかたがたが初めて作品にふれるその日のことを、今回の送り手のみなさまはとても大切にしているのだなあ。と、案内状でも、それから試写会会場でも、おなじ注意をいただきながら思ったものでした。
みた直後の感覚をすぐお届けできないのは残念ではあったけれど、この作品を待ってくださっていたかたがたと一緒のタイミングからそれを始められることのほうが、ずっと素敵なことなんじゃない?本編が進んでゆくほどにその思いは強くなってゆきました。
これまでのシリーズとは多くの部分が変わった「ヤマト」。作業中にみてきた絵コンテや原画とはまた違う雰囲気をまとった映像がそこにあって。とくに、実際に動いてしゃべっている若いクルーたちがとても魅力的で。ちょっとした表情や立ち姿、みんなでいるときの雰囲気が、彼や彼女がこれまで過ごしてきた時間の重みをたしかに感じさせて。前章が終わる頃には、土門たちのことが大好きになっていました。キャロライン姐さんもまじかっこいいし、太助もいいやつだしで。っと、キリがないのでこのぐらいに。
ちなみに事前にいただいていたおもな注意は、23日の完成披露上映会以降に口コミの拡散、感想投稿の協力を。というものと、投稿内容はネタバレを避けてください。というものの二項目。登場人物の行く末や物語上のギミックを伝えず、というのはもちろんのこととして、どこまでを伏しておくべきネタとするかの判断など、なにげにかなり頭を使う必要のある内容で。
ということで試しに、ネタバレに配慮しつつ自分の仕事を紹介してみます。えぇと、プロップデザイン、セットデザイン、メカ作画監督としてクレジットしていただいております。大きいものでは、始めのほうに出てきた軍港の風景のデザインを。小さなものでは、主計科のクルーが食品を載せるカートなどをデザインしています。カートについては艦内の日常に寄り添うものであり、「2202」でも、第四話での発進準備中にクルーが押していた台車がとても印象深かったのもあり、気持ちを入れてデザインしてみています。
メカ作画監督の仕事では、…と…の操縦席や、…の作画のお手伝いをしています。しまった、メカニックは「ヤマト」の華ということもあり、言えないことが多すぎて。すごくふわっとしたことだけ言いますと、自分なりに試しているいくつかの表現が、これまでとはちょっとだけ風合いの異なる色調や特殊効果が加わることで、みたことのない仕上がりになっていて、嬉しかったです。という感じで、すみません、いまはまだ言えないことばかりなので、まずは劇場で今作をみていただければ幸いです。
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