現地現物

今回は親の話。

私は自分の目で見たものしか信じない!というほどの凝り固まったものはないのだけれど、実際に自分の目で見ることが何よりも自分の腹落ちすることにつながっていると思います。

十年以上前にビジネス書でいくつかの会社のクレド(信条、行動指針)とかを読みことがマイブームでした。その中で私の肌感覚に合っていたのがトヨタ自動車の社の方針「現地現物」…その場に行ってその物ズバリを見ること、でした。その場の雰囲気の中に様々な言葉にできない情報が詰まっている!幸い私には移動するために身体を運んでくれる足がある、時間やお金がかかるかもしれないけれど、実際に見ることができる機会があるなら見に行くべきだ!というのが、私自身のクレドです。

ある統一地方選挙時のこと。選挙公報やネット上で、「文字/書き言葉」として読んだある政党の公約にものすごく心惹かれたのですが、NHKの政見放送でその政党の政見放送を見た時に…ものすごくギャップを感じました。「え?文字情報として読んだときに、ものすごくグッと来たのに、何?この口頭での喋りの拙さ…というか、この候補者は文字として挙げた選挙公約を本人自身が信じてないような態度にしか見えないんだけど?」というショックを受けました。話し方にその人のすべてが表出するわけではないでしょうが、話し方や佇まいにその人の来し方や様々な情報が詰まっているので、文章という[情報がそぎ落とされたもの]だけを信じてはならない、動画で音声ありの情報も参照しなければ!と感じました。…これって選挙で誰に投票するかだけではなく、どういうサービスにお金を支払うか?もそうですよね。どの通信制高校にするか?塾・予備校を併用するならどこにするか?大学進学するなら、どこがいいか?

ということで、2年前の子すずめの通信制高校選択の際には数か所、見に行きました。ここだ!と決めた後はその通信制高校(N高)のキャンパスイベントは複数回、複数キャンパスへと参加しました。N高のキャンパス数か所に絞り込んだ後は、最寄駅から歩いてみたり、そのキャンパスのある地域の様子もうろうろ徘徊して、付近のコンビニの品揃え(揃えている商品によって付近の様子がなんとなく把握できる)やコンビニのトイレのきれいさ、客のようす、周りに性風俗系っぽい店はないか(性風俗関連の宣伝トラックが頻繁に走っている地域かどうか)など、私なりの観点で精査したつもりです。その「地域を見る観点」については、「これからアナタが一人暮らしするときにチェックして抑えておくべきポイントと被るものだと思うので、アナタ自身もしっかり自分の目で確かめなさい」と口伝で伝授した…つもり。

不登校のお子さんがいるご家庭の方の場合、その子の機嫌に振り回されたり、保護者自信も疲弊していて実際に見学に行く気力体力がない場合や、そもそも広域通信制高校を選択したため拠点スクーリングの会場に気軽に見学にいくこと自体も難しい場合もあるとは聞き及んでいますが…そういう状態だとしても、もしもチャンスがあるならば[現地現物]で実際の通信制キャンパス(スクーリング会場)を入学前に見に行くことをお勧めしたいです。

…というのも、別の通信制高校に進学した子すずめの中学時代の友人、体内で血圧調節がうまくいかない病気になってしまい、朝起床できなくて不登校になってしまいました。中3時に体調が定まらなかったことや、人混みが苦手だからと、実際のキャンパスに見学に行ったのはオーキャンのタイミングで1回だけ、学校案内パンフレットを読んだだけ、通信制高校合同説明会(私たち親子と行った)のブースで話を聞いただけ。入学後の6月には「こんなはずじゃなかった…」と。

もうね、私立高校の入学案内パンフも、大学専門学校パンフも、通信制高校パンフも、いいことしか書かれてなくて当然じゃないですか、彼ら教育産業さんたちがわざわざお金かけて印刷してるんだもん。その中に書かれていることと実際のギャップを把握するためにも、現地現物なんですよ。現地現物できなくても、学校事務局に質問相談メールを書くとか、相談Zoom面談を申し込むとか、高校だと3年、専門学校や大学などでは2~6年、「こんなはずじゃなかった…」と2~6年耐えねばならないのって、逆に時間がもったいないと思いませんか?

…ということで、現地現物推しである保護者の私は、明日、某コンサートホールにライブ行ってまいります。他人が書いたライブレポート、ライブのセトリ読んでも、実際に会場の空気感はわからない、やっぱリアルの空気感を感じなきゃね!

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