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調達成功がビジネスの自信に!研究開発型スタートアップ「C-INK」金原代表が語る、株式型CFへの挑戦で得た気付きとは【起業家のホンネ #06】

導電性に優れた銀ナノインク「DryCure(ドライキュア)」を製造する株式会社C-INKは、2022年11月に株式投資型クラウドファンディング(以下、株式型CF)を利用し、目標の約2,000万円を大きく上回る3,898万円の資金調達に成功しました。

今回のC-INK代表取締役の金原 正幸氏へのインタビューでは、株式型CFを実施した背景やイークラウドをプラットフォームとして選んだ理由、実施後に株主になった方とどのようなコミュニケーションをされてきたかお聞きしました。

▼C-INKとは?
導電性に優れた銀ナノインク「DryCure」を製造する岡山大学発ベンチャー企業。DryCureは、身の回りの電子機器に使われる「電子回路」の製造において、インクジェット印刷による安定的な細線印刷を可能にする。従来のスクリーン印刷に比べて銀材料費や人件費の削減を実現。DryCureは、株式型CFの調達後、アメリカの大手航空機器メーカー「Garmin(ガーミン)」の航空機制御システムに採用が決定した。


◼️株式型CFを実施した経緯

───株式型CFを実施される以前の事業の進捗状況について教えてください。

私はもともと岡山大学で微粒子の合成を研究していました。そこで塗って乾かすと電気を良く流す物質の合成に成功し、2012年にC-INK(当時の社名は「コロイダル・インク」)を創業しました。

株式型CFを実施する2022年までには採用先が出て量産を始めるなど、ビジネスとして走り始めていたところです。しかし、それでも事業の拡大へ資金調達は必要で、何とかVC(ベンチャーキャピタル)2社から出資を受けたという状況でした。

C-INKのインクを使ったインクジェット印刷は、需要拡大が見込まれる「電子回路」の製造コストを大幅に下げることが可能です。私達はここに商機があると考え、普及を加速させるための試作用プリンターを開発し、販売したいと考えていました。調達の目的は主にそのプリンター開発への投資でしたが、実際の調達は難航していました。

───資金調達に動く中でどのような課題があったのでしょうか?

私たちは研究開発系のスタートアップで、技術力には圧倒的な自信があります。実際にインクジェットインクは完成して採用実績も出ていましたし、外部調査による他社との比較など客観的な評価もあります。

このためVCの中でも特に技術系に理解のある大学系VCをメインに当たったのですが、それでも私達がゼロから研究・開発した新しい技術の評価は難しいようでした。

売れればスケールアップしていくのですが「絶対に売れます」とは言えません。納得していただけるほど裏付けのある売上計画を、私が伝えられなかったこともあると思います。VCのウケはあまり良くありませんでしたし、VC内で懐疑的な意見が出ても押し通してくれるほど熱量の高いベンチャーキャピタリストと出会うこともできませんでした。

───株式型CFという選択肢が生まれたきっかけは何でしたか?

ビジネスマッチングアプリで、波多江さん(イークラウド代表)が僕に申請してくれたことがきっかけでした。当時「クラウドファンディング」(CF)という言葉は知っていましたが、株式型CFがどのようなものか具体的には知らず、話を聞いてみようかなと思いました。そこでわれわれのビジネスについて紹介し、波多江さんからは株式型CFについて説明していただきました。

◼️イークラウドを選んだ理由

───株式型CFの実施にあたって不安はありましたか?

将来的にIPOを狙っていますので「反社チェックがしっかりしているか」と、「個人株主が増えることでVCからの調達が難しくなるのではないか」という2つの不安がありました。

反社チェックの問題については「大和証券グループとの連携」や「投資後に契約違反が分かった場合は取引解除ができる」ことを説明していただき安心しました。VCからの調達については、実施する前から苦労していましたので(笑)。とにかくチャレンジしてみようと考えました。

───イークラウドを選んでいただいた理由を教えていただけますか?

私は最初からイークラウドを推していたのですが、取締役が「これまで手掛けた案件の多いプラットフォームのほうがいい」と言って社内で意見が分かれまして、最後は波多江さんに頼んで取締役を説得していただきました。

私がイークラウドを良いと思った理由は、案件あたりの調達金額が1番大きかったことと、資料の作り方が丁寧だと感じたところにあります。イークラウドのほうが一つひとつの案件に愛を感じられました。

実際、イークラウドのご担当に「募集の効果を最大化できるよう、コミットしてやっていきます」とおっしゃっていただいたのですが、そこなんです。そこがとても重要で、「絶対に成功させる」という気持ちで並走していただけるという安心感を持てたことが決め手になりました。

◼️株式型CFを実施した感想

───株式型CFの実施にあたって、印象に残っていることはありますか?

プロジェクトがスタートするまで「すごく早い」と感じました。VCの場合は、投資委員会にかけるまでのやり取りが長く、支援をいただけるのか否か分からない時間が結構続くと感じていました。株式型CFは必要なチェックはされているものの、実施の可否がみえてくるまでの時間も、募集ページができるまでの時間も、早いなと感じました。

そしてイークラウドの皆さんの「熱意」ですよね。特に募集ページはわかりやすく、専門性のあるC-INKの技術を「ここまで丁寧に説明してくださるのってすげえな」と驚きました。みんな情熱的で本当に素晴らしいと思います。募集ページを通して一般の方々に知っていただく機会ができたこと、これは後々の事業展開で大きく効いていくだろうと思います。

イークラウドの熱意は他の案件からも伝わってきます。井上さん(イークラウド広報)が「ADDress」さんを実際に利用してレポートを書いていましたが、あれも「イークラウドならでは」でとても良かったです。私も行ってみたいと思いました。

───社内外の反応はいかがでしたか?

株式型CFの案件として募集ページを公開したり、プレスリリースを出していただいたり、SNSでシェアしていただいたりと、知名度アップにつながったと思います。それはVCから調達するのとは全く違う景色でした。技術の狭い領域でビジネスをしていると、どうしても社会との距離が生まれてしまいます。クラウドファンディングを利用したことで、「こんな面白い会社があるんだ」と一般社会の方に知っていただけたのは大きかったです。

また、募集期間に合わせて「創業秘話」をnoteに掲載したのですが、募集が終わった今も読んだ方から「分かりやすかった」と感想を頂いています。私はもともと自分から発信するのが苦手で、noteも最初は乗り気ではなかったのですが、きちんと言葉にしたほうが良いんだと気付かされました。今後も続きを書いていこうと思っています。


◼️株式型CFを実施して起きた変化

───株主になった方から反応はありましたか?

岡山県の本社で株主総会を実施したところ、お越しいただいた方たちがアメリカの営業先を紹介してくださったり、営業のアドバイスをくださったりしてとても助かりました。そのお二人は広島と兵庫の方だったのですが意気投合したそうで後日、食事に行かれたと聞いています(笑)。他にも「取引先の事業部長に紹介したいので資料を送ってほしい」と連絡いただいた方もいました。とても有名な企業でした。

最初はどんな方たちが株主になるのか不安でしたが、応援していただいていることを直に知ることができて、「もっと頑張らないと」というモチベーションになりました。

───株式型CFでの資金調達によって実現したこと、これからしたいことを教えてください。

イークラウドを通じて4,000万円弱の調達ができました。今まで集めるのに苦労していた金額です。調達が思いどおりにいかず不安な時期もありましたが、株式型CFで多くの方から共感をいただき、調達を成功させることで、事業継続できることが分かりました。これはすごいことです。

最近ではアメリカの大手航空機器メーカー「Garmin」の航空機制御システムに採用していただき、順調に事業進捗しています。投資家は募集ページに書かれた情報で判断しなければいけませんから、不安になることもあると思います。今後もしっかり進捗していることを報告して、2回目、3回目の調達につなげていきたいです。最終的には、上場することで株主に恩返ししたいですね。

◼️最後に

───株式型CFを検討している起業家に伝えたいことはありますか?

私たちは、株式型CFで調達して事業を継続できることが分かり、自信がつきました。これは実際にやったから分かったことです。

ほとんどの起業家は資金繰りに苦労して、悶々としていると思います。「もうダメだ」と思っても、チャレンジしてみる価値はあります。イークラウドには良い人たちが集まっていますので、調達に困っているなら相談してみることをお勧めします。

───ありがとうございました!


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