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エンジェル投資をする方法について知ろう【Angel's School #04】

弊社は「理想の未来に挑戦できる社会へ」というビジョンのもと、今までプロ投資家や一部の資産家に限られていたエンジェル投資の世界を民主化すべく「イークラウド」というサービスを運営している会社です。

このnoteマガジンではエンジェル投資に役立つ、基本的な知識から具体的なTIPSまで解説しています。

第3回では上場株式と非上場株式の性質の違いについて学んできました。

第4回ではエンジェル投資をする方法について解説していきます。一般個人にとってはハードルが高かったエンジェル投資ですが、そのハードルを下げる「株式投資型クラウドファンディング」とその役割について紹介します。

エンジェル投資を阻む3つの壁

これまでのエンジェル投資は、投資機会は一部の投資家に限られていました。そこには「金額の壁」「情報の壁」「コミュニティの壁」という3つの大きな障壁が存在していました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.金額の壁

日本の場合、エンジェル投資の平均額は500万円程度といわれています。リスクが高いフェーズの会社1社に対して500万円単位で出資できる投資家はそう多くはないため、結果的に資金の出し手は資産家や、新規上場やM&Aによって多額のリターンを得た経営者など、一部の富裕層に限られていました。

日本の上場株式では一単元(通常の株式取引における売買単位)の平均価額が20万円程度となっています。このことからも、エンジェル投資の平均額は一般の投資家にとってはかなりハードルが高いといえます。

2.情報の壁

上場企業ではIR資料などインターネット上でも公開されている情報が多いため、企業の成長余地を読み取ったりアナリストなど専門家の解説を読んだりと、自身が投資するかどうかの意思決定がしやすい状態にあります。

ところが非上場企業であるスタートアップには財務諸表などを公開する法的義務はなく、これら資料を一般公開することはほぼありません。公式サイトなどで事業内容が理解できても、経営状態や財務状況、成長戦略が深く理解できないことには、投資の判断は難しいといえます。

3.コミュニティの壁

いざスタートアップに投資しようと思っても、上場株式を扱っているような一般的な証券会社では投資機会がありません。エンジェル投資の機会を得るには、投資したいスタートアップや有望な起業家へアクセスするためのコミュニティに属していなければ非常に難しいといえます。

今はSNSや個人的なコミュニケーションをとるツールも充実しているので、起業家へ連絡をとること自体は可能かもしれませんが、そもそも調達ニーズがある会社なのかも分かりませんし、スタートアップ側からしても初めてコミュニケーションをとる個人に出資してもらうことは現実的には難しいでしょう。

このように、そもそも投資機会を得ること自体が難しいという点も、エンジェル投資を阻む理由になっていました。

そしてこの3つの壁に対して、エンジェル投資の民主化の役割を担うのが株式投資型クラウドファンディングです。

エンジェル投資の民主化を担う株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングは先述の3つの障壁を次のように解決しています。

1.金額の壁を解決

株式投資型クラウドファンディングは、その名のとおり「クラウドファンディング」の仕組みを活用しています。インターネットを通じて多くの投資家から少額ずつ出資金を募ることで、投資家としては約10万円から(案件によっては約5万円から)スタートアップに投資できるようになりました。

また起業家としては個々の株主と1対1のやり取りを行う必要なく、多くの投資家から資金を調達することができるようになりました。

2.情報の壁を解決

スタートアップの投資判断に必要となる企業価値や事業計画、リスクなどの情報を、株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームがクラウドファンディングの募集ページで開示します。投資家は、プラットフォームが公開する募集ページにアクセスすることで、投資先を選ぶことができるようになりました。

3.コミュニティの壁を解決

株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームは、第一種少額電子募集取扱業者の登録を受けています。そのスタートアップが本当に個人投資家が期待する成長曲線を描けそうかどうか、目利きのプロである登録業者の厳正な審査を経て、クラウドファンディングの実施の可否が決まっていきます。

これにより個人投資家も各プラットフォームに審査されたスタートアップにアクセスすることができるようになりました。

このように株式投資型クラウドファンディングは一般の個人投資家にとってのエンジェル投資のハードルを下げる役割を担っています。近年では、法改正によってより多くの個人投資家の方がエンジェル投資に参加しやすいように環境が整ってきています。

また、日本国内でスタートアップの更なる創出と成長を後押しするための手段としても株式投資型クラウドファンディングが挙げられるなど、今後の業界の成長が期待されています。

エンジェル投資の流れ

株式投資型クラウドファンディングが、エンジェル投資への参加をしやすくする役割があることはわかりました。ここでは、エンジェル投資をする際の手順について簡単に説明します。

株式投資型クラウドファンディングを使ったエンジェル投資のステップは、主に以下のとおりです。

まずは、各プラットフォームへのアカウント登録・投資家情報登録をする必要があります。

登録はいつでも可能ですが、実際に投資できるようになるまでには多少の時間を要します。イークラウドの案件の中には、募集を開始してから8時間半ほどで上限募集額に達し、募集を終了したものもありました。せっかく出会ったスタートアップへの投資機会を逃さないよう、できれば余裕をもって事前に登録しておくことをお勧めします。

案件情報を受け取って気になる案件があったら案件ページを確認し、そのスタートアップに投資した場合のリスクも理解したうえで投資を判断します。投資の申し込みは各案件ページからオンライン上で完結できます。

クラウドファンディングの募集期間終了後、撤回期間を経て目標とする募集金額以上の申込みがある場合に案件成立となり、個人投資家から集めた資金がスタートアップに入金されます。その後、スタートアップでの所定の手続きを経て個人投資家が正式に株主として登録をされます。

案件ページを見てみよう

案件の内容としてどのような情報が見られるのかというところも簡単に紹介します。
ぜひ「イークラウド」と検索して、実際の募集ページを見ながら読み進めてみてください。

▲イークラウドの募集ページ(https://ecrowd.co.jp/projects/23)

各案件の募集ページでは、冒頭に経営者の2~3分のインタビュー動画が掲載されています。最初にどんな経営者がどんな事業をやっているのか、その企業の概要を把握していきましょう。

インタビュー動画以降は、その企業についての詳細な説明が続きます。例えば、スタートアップが取り組んでいる社会課題や、提供する商品・サービスについて。商品・サービスをすでにリリースしている場合は、それらがどんな実績を出すことができているのかです。

また、今後どんな成長戦略を描いているのか、調達した資金をどんなことに活用する計画か、なども確認できます。事業を成長させた末に、IPOやM&Aなど、どのようなイグジットを描いているかもチェックしてみてください。

さらに、どのような経歴の経営者が、どのような考えで、今の事業に取り組んでいるのかも注目ポイントです。社長以外にもチームにはどのような人達が揃っているのか、どのような人が応援しているのかもチェックしてみましょう。

投資する前にはスタートアップの魅力だけでなく、どのようなリスクが想定されるかを把握する必要があります。各スタートアップの事業のリスクをしっかり理解したうえで投資を判断しましょう。

募集ページをひととおり確認したうえで、不明点がある場合は、募集ページが公開されてから一定の期間、イークラウドのページから経営者に質問することもできますので、積極的に活用してみてください。

詳しい募集ページの見方については次の回でじっくり解説していきたいと思います。

今回の振り返り

今回は、個人投資家にエンジェル投資が浸透しにくかった背景や、株式投資型クラウドファンディングが担う役割について学びました。

個人投資家の皆様にとって、エンジェル投資に参加しやすい環境が整ってきた今、ぜひ株式投資型クラウドファンディングを活用してエンジェル投資家への一歩を踏み出してもらえたらと思っています。

次回は、実際に「エンジェル投資をしてみたい!」と思ったときの募集ページの見方やエンジェル投資家になるまでのステップについて、さらに詳しく解説していきます。


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