少年の心をもつオカン

　幼少期、田園地帯で生まれ育った私は、ご近所さんもみんな農家だと思っていた。クラスのひょうきんものベスト３女子の部で、優勝経験がある。クリスマスプレゼントにもらった花の子ルンルンコンパクトをもって、何で変身できないのか首をかしげながら1時間ほど庭の花の前に座り込んでいたこともある。学習塾は、学校の勉強についていけない子が通う所だと親に言われて、じゃあ私には必要ないところなんだと素直に信じていた。　
　そして、結構大人になるまで、自分も含め、関西人はみんなお笑い好きだと思っていた。

　天真爛漫で、素直に人の言う事を信じ、よく食べ、よく笑い、よく泣く。　　
新しいモノ好きで、初めましての事柄にはいつもワクワクする。ハリーポッターとワンピースはもちろん全巻持っている。お笑いの賞レースは、必ず録画しながらオンエアをチェックし、結果をもってもう一度（納得できないときは更にもう一度）録画再生でネタを再確認する。いまだにお笑いライブや、気に入った芸人さんの単独ライブにも足を運ぶ。

　死にたいくらいに憧れた花の都大東京に、長距離トラックの助手席にちゃっかり座らせてもらい、トランク一つで上京してはや四半世紀。その間、転職→倒産→転職→結婚→出産→離婚→子供の成人を経験した。更年期で常に頭にもやがかかったような状態だが、朝はシャキーンと目覚め、夜は泥のように眠る。

　不平不満を口にするより、感謝の言葉を口にするように心がけ、仕事がいくら忙しくても、トイレだけは常にきれいな状態をKEEPしている。子供が小さい頃は、仕事・家事・育児の共倒れを避けるため、「家が汚くても死なない」という事で、掃除の手を抜くことで、子供との時間を最優先させた。
　区民プールの小プールで、ギャラリーのいる中、全力エアーリアル野球盤を息子と二人で、６回裏まで戦い抜いたこともある。

　人前に出ると高揚し、ステージ上では本来の力以上の実力を発揮する。笑いじわは、楽しく生きている勲章だと思っている。嬉しいこと楽しい事大好き。

　正直半世紀も生きると、途中で自分の事が嫌いになるようなこともあったが、今は、ショーウインドウに写る自分を無意識に目で追ってしまうくらい、自分の事が大好きだ。何なら、生まれ変わっても又私でいたい。

　そんなことを照れなく言えてしまうのも又いいやつだなぁと思う。

　

　
　

#私は私のここがすき