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■川村元気『億男』(2018)

■2020年9月の読書

弟の借金を肩代わりしたために家族と別居している主人公、図書館司書の一男。ある日宝くじで3億円が当たり、突然のことに混乱した一男は、大学時代の親友で大富豪となった九十九(つくも)を訪ねるが、翌朝九十九が3億円を持って失踪する。3億円と九十九を探すべく、九十九の友人と会いながら、自分なりのお金と幸せの答えを模索していく物語。

一男、九十九、十和子、百瀬、千住、万佐子、、と登場人物の名前が数字に関するものになっているところ。一男はそれぞれの登場人物や偉人の格言によってお金と幸せの法則を見出していくのだけれど、最後の万佐子は唯一億単位のお金を所持していなくて、その万佐子から投げかけられた言葉によって、最終的に一男が「億男」になれるという感じか。

物語に出てくる落語の話が洒落ている。特に最後の「芝浜」が良い。

ところで、3億円が当たったら何しよう。人生の肥やしを増やしながら、世の中のために使いたい。と優等生的な答えでごめんなさい。

 『億男』 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/978416791026



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