ひとりでは生きていない
久しぶりに登った。
設楽町の測量会社の加藤ひろとしさんが
「未来へ森を残す」ために自費で購入した100町歩の山を加藤さんの思いに賛同した方々と一緒に山を育てている。
自然の邪魔をしないようにしながらも森の生き物と触れ合う機会をつくるために「人も入ることができる」よう慎重に整備。
地域の子供達と植樹を行い、自分の木に名前をつけ育てる体験をしてもらう活動にも取り組んでいる。
山に入ると加藤さんの話は止まらない。1メートル進むごとに足を止め「この植物は」「この石は」と「山の中にあるすべてのものに名前があるんですよ」とキラキラと語りだす。
「自然はね、絶滅しないでおこなんて思ってないんですよ。絶滅させないでおこうと思っているのは人間だけ。だから僕たちが山に木を植えることが正解かどうかはわからないけど、整備すると植物たちが元気になっていくのはわかるんですよ。それを見ると嬉しくなってね。嬉しい気持ちになれたら、日頃の嫌なことも忘れちゃうでしょ。それでいいと思うんです。だから自然はすごいなって思うんです。黙って人を受け入れて元気にしてくれる。ありがたいなと思うんです。」と謙虚さを忘れない。
加藤さんのスケジュール帳は、森を語るボランティア活動で埋め尽くされている。
朽ちて倒れた木を片付けるために存在しているキノコ
光を求めてために背伸びしている木々
どれ一つとして同じ形のものはない。まさに多様性。人間がわざわざ目標に掲げていることを彼らは淡々と軽々と遂行しているのだ。
このV字の葉っぱ、何かわかりますか?
スミレです。
では、ホットケーキみたいなこれは?
椎茸です。
本当に個性的で楽しい!
これから紅葉が楽しみなカエデも種類がたくさん!
日本には25種類あって、愛知県奥三河の設楽町には20種類が生息しているそう。
この森のカエデから採取したメイプルシロップ。
山には恵がたくさん!
実は、この森の中に「えこの森」がある。
4年前、リスナーさんと一緒に「設楽町ツアー」をした時、植樹した。
その日は大雨て、レインコートを着て山に入った。
「こんな天気じゃぁ…みなさん、気が萎えちゃうかな…」と思いきや!
「逆にいい思い出になった!」
「大雨の日に山で作業なんて滅多にできないから」
「久しぶりに泥んこになって楽しかった!」と
嬉しい言葉をたくさんいただいた。
皆さんをそんな思いにさせたのはきっと
「自然のお陰」。本当に救われた。
ちなみにこちらが私が植えたカエデ。
途中で腐り、折れたので、他の木より小さい。
しかし、加藤さん曰く、他の木より幹が太い…らしい。(加藤さん、優しい)
あの時「またいつか、植えた木の成長を見るためのツアーをしましょうね!」と約束したまま実現していない…
申し訳ないな…と思っていたら
「あの時、植樹された方々が、自主的に整備をしに来てくれているんですよ」と聞いて感動した。
皆さん、本当にありがとうございます!私も手伝うので声かけてください!
私はこの町にくるといつも思う。
「自分ひとりで生きているわけではない」
そう思わせ、そう信じさせてくれるこの町が私は好きだ。損得勘定なしの人間関係。都会では味わえない人情深さ。大好きだ。
今回の滞在も長くなりそうだ
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