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本当に「荷造り銀杏だけでいい」のか?

まずは皆さんにこの動画をご覧頂きたい。

この動画の1分1秒辺りで、かの有名なインド料理人クンナ・ダッシュ氏がこう発言している。

「荷造り銀杏だけでいい」

日常会話の様にカレーを作る片手間でサラッと発言しているのでボーっとしていると「確かに~」と流してしまいそうだが冷静に考えてみて欲しい。

荷造り銀杏だけでいい状況とはどんな状況なのか?

引っ越しする際の荷物がギンナンしかないくていいとはどういう了見なのか?
新生活が始まる引っ越し先のまっさらな何も無い部屋。
そこにあるのはギンナンがギッシリ詰まった段ボールが一つぽつんと置いてあるだけ。
それで良いと言い放つこのインド人は一体何を考えているのだろうか?
考察していこう。

§1:問題点の洗い出し

新生活において通常の荷造りをせずに銀杏しか持って行かなかった場合の問題点を考えてみよう。まず考えられるのは家具だ。
銀杏しか持って来て無い訳だから当然、ベッドも無ければ椅子もテーブルも電子レンジや冷蔵庫、洗濯機、テレビ、その他の雑貨などが一切無い。
それら全てを銀杏だけで賄わなければならない。
本当に可能なのだろうか?

§2:解決案の提示と懸念点

ギンナンはイチョウの種子なので、植えれば木が生える。
そこから家具や日用品を作り出す事は理論上可能だ。
また銀杏の実は食する事も可能であり空腹を満たすのにも困らないだろう。
なるほど、確かに新生活の家具を自分でDIYして植物性の食事を楽しんでみるのもそれはそれで乙なものだ。
しかし、問題点は残る。
イチョウは成長するのが速いとは言えせいぜい1年に30~50cmしか成長せず木材に適したサイズに成長するまでに年単位で待たなければならない。その間、何も無い部屋で銀杏だけを食べ続けるつもりなのだろうか?
また、イチョウの実の食べ過ぎは食中毒を引き起こすという問題点もある。
銀杏にはメトキシピリドキシン(4-MPN)と呼ばれる有毒な成分が含まれており、これは少量では問題無いが大量に摂取すると脳の情報伝達を助けるビタミンB6の働きを阻害してしまうのだ。
毎日銀杏を3食食べるなどもっての外。
それにご存知の通り銀杏は熟れると悪臭を放ってしまう。
冷蔵庫すら無い状況で段ボールにいっぱいの銀杏を放置すればどんな地獄が待っているかは火を見るより明らかだ。
とても現実的とは思えない。
何を考えているんだこのインド人は?

§3:結論

荷造り銀杏だけでいい訳ねぇだろ。あほか。

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