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シネマ歌舞伎『大江戸りびんぐでっど』を観ました🎦

2021年8月30日
MOVIX柏の葉にて

大切な一本、見損ねた!

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本当は7月に「籠釣瓶花街酔醒」(かごつるべさとのえいざめ)を
観る予定でした。
歌舞伎ならではの、豪華絢爛な花魁道中での見染めに始まり、
「縁切りの場」での八ツ橋の悲哀と、
次郎左衛門の「そりゃあんまり袖なかろうぜ」に始まる名台詞など、
見どころ多い名作とか。
十七代目中村勘三郎二十三回忌追善、
歌舞伎座さよなら公演ならではの豪華顔合わせ、
玉三郎さん、片岡仁左衛門さん・・・観たかったなぁ。(*´Д`)
またの機会にぜひ!

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と、まぁ、いろいろあって、気が付いたらすでに8月。
で、次の演目が“living dead”=生ける屍(ゾンビ)の歌舞伎でした。
先に言いますが、この作品、私は嫌いじゃないです。
(リアルな恐怖映画はNGですが)
シネマ歌舞伎はみんな楽しみ!
いろいろな今の歌舞伎も観せてもらえるから。
作・演出は宮藤官九郎さん。
2006年に十八代目中村勘三郎さんに「この人に書いてもらう」と宣言されたことがきっかけということです。
平成21年(2009年)12月の歌舞伎座で、昼の部の4つ目の出し物として
上演されました。
当時は特に、歌舞伎の演目としては、演出などの奇抜さもあって、
賛否両論があったそうです。

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演者さん、すごく楽しそう

開幕から、舞台には“くさや”の開きが2体。
『寒いよ~』 『臭いよ~』とずっと叫んでいる。
およそ、歌舞伎らしくない絵柄からの始まり。
開きの顔部分には、どこかで見たことのある、あの役者さんが!
ここから、ほとんど荒唐無稽な展開となっていきますが、
宮藤官九郎の世界をベテラン演者の皆さんが楽しんでいるのが感じられて、
そこがいいなぁと思える作品だと思います。

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中村福助さん

中村七之助さんのリンとした美しさは相も変わらず素敵で目が離せません。
そして、女郎喜瀬川役の中村福助さんの粋な女形の姿も、
今回私が特に好きなところでした。
そして、そのお声もまた気に入ってしまいました。
浪人役の坂東三津五郎さんとの絡みが何度もあって、それは面白おかしく、目を引く場面でした。
中村福助さん、脳内出血による後遺症で、現在リハビリなさいながら、
舞台復帰を目指していらっしゃいます。
そしてこの9月2日に歌舞伎座にて、6分間の出番と、立ち上がって舞台上手に引くまでの動作をなさって、大きな拍手に包まれたそうです。
13年に発病依頼、この舞台では歩くことを目標になさったそうで、
ほんの数日前のこの出来事を知るにあたり、
私も心から応援させていただきたいと思いました。

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ミュージカル

マイケルジャクソンのスリラーをイメージさせるような、
ゾンビの群舞がちりばめられていて、
そこはもはや、歌舞伎ミュージカルの世界。
けっこう、ハードに踊っているので、驚きました。
若い方ばかりじゃないのに、歌舞伎役者さんなのにって思いましたが、
普段どれだけ鍛えられているのか、改めて知らされました。
そして、皆さん、楽しそう。
「りびんぐでっど いん えどぉ~♪」のフレーズが、
実はまだ頭から抜けません。
これを観た皆さんが言うように、かなり中毒性がある音楽みたいです。

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結末は?

全体、これでいいの?の連続ですので、カオスを楽しむ感じでいいのかなと思いました。
歌舞伎役者さんたちの有り様を楽しむ作品かな。
エロかったり、グロかったり、モラルにかけるのでは?だったり、
いろいろあるかもしれませんが、おおらかにエンタテインメントを
楽しむ感じでいいのかな~って思いました。(*´∀`*)
画面には、亡き勘三郎さんや三津五郎さんも活き活き演じられていて、
やはり残されて良かった作品だと感じます。
ENJOY!歌舞伎!

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蛇足

ゾンビ初登場の見せ場、障子からたくさんの死人の腕が飛び出すところ、
印象的なんですが。
舞台では毎回新しい障子を用意していたのかなと
余計なことを考えたりしました。(^^ゞ

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