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注文に時間がかかるカフェ@大阪に行ってきたよルポ

 私は趣味で小説を書いている。その登場人物の中に吃音症の子がいるのだが、実際のところ吃音症がどういうものなのか、キチンと理解できていない。

 ということで、取材も兼ねて注文に時間がかかるカフェに行ってきた。主に自分用だが、せっかくなのでまとめようと思う。


そもそも、吃音症ってなんだ?

 吃音症とは、言葉が滑らかに発音できない発話障害の1つ。主に以下の3つの種類がある。
連発→「こ、こ、こんにちは」
伸発→「こーーーんにちは」
難発→「…………こんにちは」
 連発のみが出てしまう、といった場合もあれば、難発と連発が出てしまうなど人によって発音は異なる。また、特定の音を苦手とする場合もある。
 「ゆっくりでいいよ」「落ち着いていいよ」という声かけは適切でない。何故なら彼らは発音が滑らかでないだけで、焦っているわけではないからである。
参考:言葉がなめらかに出ない吃音症(きつおんしょう)とは | NHK健康チャンネル
吃音について | 国立障害者リハビリテーションセンター (rehab.go.jp)

注文に時間がかかるカフェ

 注文に時間がかかるカフェは、「接客業に挑戦したい吃音がある若者の夢を叶えるカフェ」をコンセプトにした期間限定イベントである。接客スタッフ全員が吃音のある若者たちで、スタッフの負担にならないよう無料となっている。
 今回の大阪以外にも、全国各地で開かれており、基本予約制。近頃はメディア取材も多く、本も出版されたようです。

実際に参加してみて

 正直なところを言うと、普通に楽しんでしまった。

 今回は野外イベントの一部としての出店で、テントのみで客席はなし。飲み物を買って終わりなのかな?と思ったら、注文前に吃音についての説明をしてくれた。記事前半で書いた内容は、そこで教えてもらった内容も含んでいる。

 良かったところは、接客スタッフの子たちが積極的に話しかけてきてくれて、普通に楽しんで会話してしまった。「何故注カフェ来てくれたんですか?」の質問に、「小説の取材です!」と答えるのが妙に恥ずかしく、なんとか誤魔化そうとしたが結局誤魔化せず、罪のように白状した。スタッフの子たちはニコニコして「すごいですねえ」と言っていろいろお話してくれて、取材とか言いつつ普通に楽しかった。

 オーダーして飲み物を受け取るまでの間や、一人で飲み物を飲んでいたら、スタッフの子が話しかけてきてくれて、この子たちが無給なのがむしろ申し訳なくなってしまった。

 私は以前百貨店バイトというスーパーおしゃべり接客労働をしていたのだが、自分からお客さんに話しかけに行くのが本当に嫌だった。時給が多少高いから乗り越えられた。そんな自分の体験があるから、「なんでこの子たちは無給で私の地獄接客には金銭が発生しているんだ……?」と思った。自信をつけてもらうことが目的だからドリンク代はすべて無料なのはもちろんわかるけど、「ありがとう」の気持ちとして投げ銭できるようなシステムがあったらよかったな。なんか、チップ入れるビンとかPayPayで任意の額送金できるとか……毎月の支援はちょっとハードルが高いけど、この衝動的な「ありがとう」を形にさせてほしいと心から思った。

 飲み物を飲みながらスタッフの子とお話させてもらって、楽しかった。私がスーパー人見知りを発動してしまって、帰ってからとってもがっくりしちゃった。クイズとかもやりたかったな……

 こういった社会福祉系のイベントって結構、当事者じゃないと興味が持てない人は多いと思う。私の大学にある社会学部の生徒も、「社会福祉には興味がない」と言い切っていたりする。社会福祉というと少しお堅い感じがするけど、実際に参加してみると純粋に楽しめる内容だったので、吃音症に限らずこういった活動が普及するといい。

 総合して、楽しいイベントでした。ありがとうございました。

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