品質管理検定 #32-02

【問2】
確率分布に関する次の文章において、$${\boxed{\space}}$$内に入るもっとも適切なものを下欄のそれぞれの選択肢からひとつ選びなさい。ただし、各選択肢を複数回用いることはない。

① ある確率分布の平均は、その確率分布に従う確率変数の$${\boxed{(7)}}$$である。また分散は、その確率分布に従う確率変数の$${\boxed{(8)}}$$である。

【$${\boxed{(7)}}$$ $${\boxed{(8)}}$$の選択肢】
ア. 期待値   イ. 確率
ウ. 中央値(メディアン)   エ. 最頻値(モード)
オ. 実現値   カ. 分布の平均からの距離の2乗の期待値
キ. 分布の平均からの距離の期待値   ク. 分布の平均との差の期待値
ケ. エントロピー

② 2つの確率変数$${X,Y}$$がそれぞれ正規分布$${F,G}$$に従っている。確率分布$${F,G}$$の平均が同じで、分布$${F}$$の分散が分布$${G}$$の分散よりも小さい場合、$${X}$$の方が$${Y}$$よりも$${\boxed{(9)}}$$。

【$${\boxed{(9)}}$$の選択肢】
ア. 平均値の近くの値が起こりやすい。
イ. 平均値の近くの値が起こりにくい。

③ 2つの確率変数$${X,Y}$$がそれぞれ正規分布$${F,G}$$に従っている。確率分布$${F,G}$$の分散が同じで、分布$${F}$$の平均が分布$${G}$$の平均よりも小さい場合、確率変数$${X}$$と$${Y}$$について、$${\boxed{(10)}}$$。

【$${\boxed{(10)}}$$の選択肢】
ア. それぞれの実現値を比較すると、$${X}$$の実現値の方が$${Y}$$のそれよりも小さいことが多い。
イ. それぞれの実現値を比較すると、$${X}$$の実現地の方が$${Y}$$のそれよりも大きいことが多い。




【正解】
(7) ア. 期待値
(8) カ. 分布の平均からの距離の2乗の期待値
(9) ア. 平均値の近くの値が起こりやすい。
(10) ア. それぞれの実現値を比較すると、$${X}$$の実現値の方が$${Y}$$のそれよりも小さいことが多い。

言葉の意味が分かっていますか?問題😊 簡単な話を難しそうに書いています。なんでこういうことするかな?と思います。
計算問題と違って、教科書をちょっとやっておけば出来そうです。

① ある確率分布の平均は、その確率分布に従う確率変数の「(7) 期待値」である。また分散は、その確率分布に従う確率変数の「(8) 分布の平均からの距離の2乗の期待値」である。

こちら、平均0、分散1でおなじみの標準正規分布です。こんな風に平均を中心に前後に同じようにばらつきますから、平均は期待値になります。

分散の計算方法は、

$${V=\cfrac{\displaystyle\sum_{i=1}^n{\bigg(}x_i-{\overline{x}}\bigg)^2}{n}}$$

各データの平均からの距離(差)を2乗して、全部足します。それをその数で割ります(期待値)。計算式の意味を文字で表現した、というところでしょうか。

② 2つの確率変数$${X,Y}$$がそれぞれ正規分布$${F,G}$$に従っている。確率分布$${F,G}$$の平均が同じで、分布$${F}$$の分散が分布$${G}$$の分散よりも小さい場合、$${X}$$の方が$${Y}$$よりも「(9) 平均値の近くの値が起こりやすい」。

このグラフは、青と緑でどちらも平均は0ですが、青が標準偏差1(分散1)、緑が標準偏差2(分散4)です。分散が大きいということは、ばらつきが大きいということです。分散の小さい青の方が平均0に近づきます。分散の大きい緑の方は平均から離れたところに散らばりやすくなります。
分散の式を見てみると、

$${V=\cfrac{\displaystyle\sum_{i=1}^n{\bigg(}x_i-{\overline{x}}\bigg)^2}{n}}$$

各データから平均を引いて2乗しています。分散が大きいということは、平均から離れる量が大きいということです。

③ 2つの確率変数$${X,Y}$$がそれぞれ正規分布$${F,G}$$に従っている。確率分布$${F,G}$$の分散が同じで、分布$${F}$$の平均が分布$${G}$$の平均よりも小さい場合、確率変数$${X}$$と$${Y}$$について、「(10) それぞれの実現値を比較すると、$${X}$$の実現値の方が$${Y}$$のそれよりも小さいことが多い」。

2つのグラフはどちらも標準偏差1(分散1)ですが、青は平均0、ピンクは平均1です。
どちらも平均を中心に左右にばらついています。平均が小さければ、実現値も小さくなる、と当たり前のこと。難しそうにいうから、分かりにくくなっているだけです。試験問題の余白にイメージを書いて確認しましょう。

ではー。


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