品質管理検定 #26-13

【問13】
方針管理に関する次の文章において、$${\boxed{\space}}$$内に入るもっとも適切なものを下欄のそれぞれの選択肢からひとつ選びなさい。ただし、各選択肢を複数回使用することはない。

方針管理とは、長・中期方針から具体的な年度方針を明らかにし、組織が向かうべき方向を示し、それから展開された全部門の活動計画により、全従業員がベクトルを合わせて目標の達成に向けて取組む活動である。
A社では、次のように新製品開発、品質の改善や体質の強化改善を効果的に推進するために、会社としての方針を明示し、これを各部門にブレイクダウンした重点施策の実施計画を立て、組織的に運営する方針管理を実践している。

① まずトップは、会社の経営理念・基本方針をもとに、$${\boxed{(77)}}$$を含むトップの年度方針を設定し、全社に明示する。
② 各部門では、このトップ方針を受け、方針達成のための計画と管理方法を明確化し、内容によっては前年度の実績や課題を勘案し具体的な$${\boxed{(78)}}$$を作成する。そして、全員参加による活動として実施・推進していく。
③ また、全従業員には品質方針カードを配付する。これに自らの取組みを記述することで、方針の徹底と自らの役割の理解・認識、目標達成意識の高揚を図り、全社一丸となった活動につなげる。
④ 実施段階においては推進組織として、部門推進者や事務局を設置し、定期的に全社推進委員会を開催している。全社推進委員会は、各部門の$${\boxed{(78)}}$$をもとに$${\boxed{(79)}}$$や、教育・訓練、小集団活動の支援など、目標達成に向けたさまざまな活動の推進を行う。

【$${\boxed{(77)}}$$~$${\boxed{(79)}}$$の選択肢】
ア. 実施計画   イ. 品質目標   ウ. 標準化   エ. トップダウン
オ. 進捗管理   カ. 品質方針   キ. トップ診断

⑤ 目標を確実に達成するには、計画・実施だけでなく、途中における目標の達成状況やチェックと反省が必要である。部門ごとに月例報告会を実施するほか、$${\boxed{(80)}}$$や内部監査などを行って手遅れにならないように、必要な措置をとりながら活動を促進している。
⑥ 年度の活動が終了すると、実施結果をまとめ、全部門が参画する報告会を開催し、反省を踏まえた$${\boxed{(81)}}$$を打ち出す。
⑦ わが社では、この方針管理を行う一方で、日常の維持管理も着実に実行され$${\boxed{(82)}}$$の維持が可能となっている。つまり、日常管理と方針管理を相互に連携させることで総合的品質管理の推進ができている。

【$${\boxed{(80)}}$$~$${\boxed{(82)}}$$】
ア. 社員就業規則   イ. 国際規格   ウ. 成り行き管理   エ. 安定した管理状態
オ. 次年度方針   カ. トップ診断   キ. 委託先監査




【正解】
(77) カ. 品質方針
(78) ア. 実施計画
(79) オ. 進捗管理
(80) カ. トップ診断
(81) オ. 次年度方針
(82) エ. 安定した管理状態

国語問題😅 あんまり好きじゃないけど何となくやっておけば点数がとれると思います。計算問題よりもラク。
こういう問題を作る人ってあんまり数学にこだわりが無いかと思うことが、「ベクトル」。
全従業員がベクトルを合わせて目標の達成に向けて取組む活動が「方針管理」と述べています。「ベクトル」って「向き」と「大きさ」があります。多分「向き」だけの話で「大きさ」は気にしていないか気付いていません😅

① まずトップは、会社の経営理念・基本方針をもとに、「(77) 品質方針」を含むトップの年度方針を設定し、全社に明示する。

「品質目標」か「品質方針」か悩みました・・・。
私の解釈ですけど、②の最初で「このトップ方針を受け」とあります。だかあらここは「方針」と考えています。ホントそれだけ。あんまり微妙な選択肢はやめて欲しいです。

② 各部門では、このトップ方針を受け、方針達成のための計画と管理方法を明確化し、内容によっては前年度の実績や課題を勘案し具体的な「(78) 実施計画」を作成する。そして、全員参加による活動として実施・推進していく。

直前に「具体的な」があります。「目標」や「方針」は具体的ではありません。具体的なのは「計画」ですね。「方針」や「目標」から具体的な「計画」を作っていきます。

③ また、全従業員には品質方針カードを配付する。これに自らの取組みを記述することで、方針の徹底と自らの役割の理解・認識、目標達成意識の高揚を図り、全社一丸となった活動につなげる。

ここは穴埋めありません。「品質方針カード」が気になりました。これ、実際に2社で経験しました。恐らく役に立っていません。。。何年かやっていれば馴染むのでしょうか?その会社が形式的な取り組みで終わっただけかもしれません。意気込む組織もあるかも?

④ 実施段階においては推進組織として、部門推進者や事務局を設置し、定期的に全社推進委員会を開催している。全社推進委員会は、各部門の「(78) 実施計画」をもとに「(79) 進捗管理」や、教育・訓練、小集団活動の支援など、目標達成に向けたさまざまな活動の推進を行う。

「実施計画」をもとにしてやることと言ったら、計画通りに進んでいるかの確認、必要に応じて計画の見直しですので、「進捗管理」です。

⑤ 目標を確実に達成するには、計画・実施だけでなく、途中における目標の達成状況やチェックと反省が必要である。部門ごとに月例報告会を実施するほか、「(80) トップ診断」や内部監査などを行って手遅れにならないように、必要な措置をとりながら活動を促進している。

「チェックと反省」をするという選択肢は、「トップ診断」か「委託先監査」くらい。社内のことなので「トップ診断」が適切です。

⑥ 年度の活動が終了すると、実施結果をまとめ、全部門が参画する報告会を開催し、反省を踏まえた「(81) 次年度方針」を打ち出す。

年度の活動を見て、反省して、さてと。。。次の方針を決めます。

⑦ わが社では、この方針管理を行う一方で、日常の維持管理も着実に実行され「(82) 安定した管理状態」の維持が可能となっている。つまり、日常管理と方針管理を相互に連携させることで総合的品質管理の推進ができている。

直前の「日常の維持管理も着実に実行され」があるので、しっかりと管理されていることが分かります。あんまりこういう問題でボロクソ状態だと、なかなか正解を作りにくいですから。微妙な選択肢の「成り行き管理」は、管理といいつつも実質管理されていない状態にあります。生産量やスピード、品質は労働者が自分で決めているような状態。でも、これって悪い状況にもなるし、良い状況にもなります。ただし安定しにくい。「成り行き管理はやめて、安定した管理状態を!」と言ったところで、具体的にどう管理するかを決めなきゃどうにもなりません。気持ちばっかり先行して結果が伴いません。実際、そういうのって多いと思います。

ではー。


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