品質管理検定 #26-14

【問14】

工程の管理に関する次の文章において$${\boxed{\space}}$$内に入るもっとも適切なものを下欄のそれぞれの選択肢からひとつ選びなさい。ただし、各選択肢を複数回用いることはない。

① 緊急事態が発生したときでも、訓練の行き届いている組織では被害を最小限に食い止めることが期待できる。「もの」を生産する工程やサービスを提供する場面においても、異常なトラブルが発生した場合、いかにして被害を最小限に食い止められるかが重要なポイントとなる。

一般に異常処置の$${\boxed{(83)}}$$は取り決められているが、そもそもの”異常”とは何かが明確にされていないと、”異常”と認識されないことが多い。$${\boxed{(84)}}$$上の欠陥や$${\boxed{(85)}}$$上の危険を予知すべく、設備や工程あるいは作業ごとに、異常とはどういう状態をいうのかを明確に決め、異常が見過ごされることがないようにする必要がある。


【$${\boxed{(83)}}$$~$${\boxed{(85)}}$$の選択肢】
ア. 製品   イ. 手順   ウ. 回避   エ. 安全
オ. 衛生   カ. 品質   キ. 工程


② 異常が発生した場合、誰しも慌ててミスをおかしたり、混乱して、もたもたすることなどはよくある。これらを防止するためには、ひと目でわかる$${\boxed{(86)}}$$化した判断基準や行動手順について$${\boxed{(87)}}$$を明確にした連携を含めた活動を決めると良い。
いくら対処方法が明確化されても、いざというときにすべて対処できるとは限らない。突然のことで、緊張のあまりに瞬間的な判断ミスや、条件反射動作に間違いをおかすことがある。この用な事態にも十分対応できるようにするためには、訓練の$${\boxed{(88)}}$$実施が大切である。避難訓練の$${\boxed{(88)}}$$実施で多くの問題点が発見でき、工程異常の場合も、訓練の$${\boxed{(88)}}$$より良い改善点を見つけることができる。

【$${\boxed{(86)}}$$~$${\boxed{(88)}}$$の選択肢】
ア. 会議   イ. フローチャート   ウ. 5S   エ. 事後
オ. 5W1H   カ. 4M   キ. 反復


【正解】
(83) イ. 手順
(84) カ. 品質
(85) エ. 安全
(86) イ. フローチャート
(87) オ. 5W1H
(88) キ. 反復


① 緊急事態が発生したときでも、訓練の行き届いている組織では被害を最小限に食い止めることが期待できる。「もの」を生産する工程やサービスを提供する場面においても、異常なトラブルが発生した場合、いかにして被害を最小限に食い止められるかが重要なポイントとなる。

一般に異常処置の「(83) 手順」は取り決められているが、そもそもの”異常”とは何かが明確にされていないと、”異常”と認識されないことが多い。「(84) 品質」上の欠陥や「(85) 安全」上の危険を予知すべく、設備や工程あるいは作業ごとに、異常とはどういう状態をいうのかを明確に決め、異常が見過ごされることがないようにする必要がある。

トラブル発生時の対応。結構大変です。問題文だと簡単そうですが、現実には原因が分からないこともあります。それでも異常時は「手順」を決めておきます。何の「手順」か?というと、状況を記録するとか、設定を確認するとか、報告して指示を仰ぐ、とかそんなものになると思います。何が原因かがあらかじめ分かっているなら、そもそもトラブルは起きないですから。良くないのは、「修正して、トラブルを無かった」ことにすることです。トラブルは何があったか、対応するために何をしたのか、などの記録は必要です。分野や組織によっては、全く手順も異常記録が無く、職人の経験と勘でやっていく、ところもあるでしょう。正直、わたしはそういうのに付いていけませんでした😅
次の選択肢「品質」上の欠陥。ここ、「製品」と迷いました。正直、他で「製品」を使うわけじゃないから「製品」でも良いと思うんですが、「品質上の欠陥」となります。そういうもの、と覚えておきましょう。実際には「製品の欠陥」と言ってしまうこともあると思います。理屈を付けるなら、「品質」の方が範囲が広いのかな?と思います。それくらい。
次の選択肢も微妙で「安全」上の危険。「安全」なんだから「危険」ってあるか!と思ったんですが。「工程」上の危険でもいいんじゃない?と思います。とりあえず、合格のために従っておきましょう。

② 異常が発生した場合、誰しも慌ててミスをおかしたり、混乱して、もたもたすることなどはよくある。これらを防止するためには、ひと目でわかる「(86) フローチャート」化した判断基準や行動手順について「(87) 5W1H」を明確にした連携を含めた活動を決めると良い。

いくら対処方法が明確化されても、いざというときにすべて対処できるとは限らない。突然のことで、緊張のあまりに瞬間的な判断ミスや、条件反射動作に間違いをおかすことがある。この用な事態にも十分対応できるようにするためには、訓練の「(88) 反復」実施が大切である。避難訓練の「(88) 反復」実施で多くの問題点が発見でき、工程異常の場合も、訓練の「(88) 反復」より良い改善点を見つけることができる。
異常が発生すると、「あー大変!どうしよう!」となるかもしれません。そんなときに頼りになるのが「フローチャート」。実際にそんなに便利なフローチャートって見たことがないです😅 言いたいことはわかるんですよ。文字だけで、長ーーい文章の手順は、理解するのに時間がかかるし、一方で実際にトラブルが起こって作業が止まっているんだから、じっくり手順書を読んで理解している場合じゃない。そもそも手順書があればまだ良いんですけど。そういうときのために、フローチャートって作られていることは良くあります。ところが・・・、そのフローチャートが分からないんです。実際に使ってみると、状況が当てはまらなかったり、文章と手順が違っていたり😅 それが正式文書としてリリースされているんだから始末が悪い。偉そうな人の部下が無い時間から絞り出して短時間で作って、形式的にレビューされて、「<です><ます>が混じっているから統一したほうが良い」とかどうでもいい指摘をしたりして、肝心の中身がめちゃくちゃになっていたりします。ウソみたいな話ですけど、実際にあります。手順書がそんな状態だから、実作業もうまくいきません。そのくせ、作業を行う担当者が「しっかりしろ!」とこれまた曖昧に怒られたります。QC検定では出題されない課題は山積みです。
話を戻して・・・。ひと目でわかる「(86) フローチャート」化した判断基準や行動手順について「(87) 5W1H」を明確にした連携を含めた活動を決めると良い。というわけですよ。フローチャートはうまく作ったとして、その後ね。QC検定もですが、「用語」が好きです。「5W1H」とか。
Who 
What
When
Where
Why
How

あー、はいはい。こうなると、「異常記録」とか作って「5W1H」が分かるように記載すること。とか手順に書いて作業員に丸投げするヤツがいます。もう、おかしい。記録書式はとても大切です。どういう書式にしたら、5W1Hを適切に記録して、そこから問題点を発見できるか。書式には単に記録欄を作成するだけでなく、うまく誘導できるようにしなければなりません。完璧にできることはありませんが、書式案でいくつかのトラブルに対して記入してみて期待通りの結果が得られる書式かどうかは試すべきです。記録欄はあるけど、とても使いにくいし問題解決に結びつかない書式はたくさんあります。むしろ、そういう使えない書式のほうが多いと思います。何でろくでもない書式を作って運用したくせに記録者に文句を言うのかと思いますね😠 ちょっと怒っています。

突然のことで、緊張のあまりに瞬間的な判断ミスや、条件反射動作に間違いをおかすことがある。この用な事態にも十分対応できるようにするためには、訓練の「(88) 反復」実施が大切である。

トラブルへの適切な対応のために、「訓練の反復実施」が必要とのこと。あー、良いですね。分かります。やったほうが良いでしょう。しかし現実にやっているのは見ないです。実務において、失敗したときの練習をやる人ってほとんどいません。成功の練習しかしないんです。私が思うに失敗したときの教育の手順が無いのです。教育手順が無くOJTとして教育するので、そこでは基本的に「失敗」しません。仮に「失敗」したときは、その処置は教育者が行い、受講者にはその手順を説明したり、そのOJTを行いません。失敗したときの手順はほとんど検証されないので、手順に不備があってもそのままになっています。失敗の処理が嫌いな上司は多く、その処理に時間を割きたくありません。失敗した人に問題があるとして面倒事を処理しようとします。失敗しない作業者が優秀であると。ところが行政や取引先の監査を受ける場合「トラブル対応」をどのようにしているか、は重要視されます。長期間業務を行っていると必ず失敗があります。「全くトラブルはありません」は不自然でほぼウソと思われます。優秀どころか悪質と疑われます。品質管理では「失敗」の対応はとても重要です。原因を追及して、対策を行います。「真の原因」なんて言いますけど、それが分からないから苦労します。会社は「多少雑でも成功」を好むことが多いです。「適切な失敗の処理」なんて興味が無いのです。しかしとても重要なのです。

愚痴っぽくなってしまいました😓

ではー。

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