品質管理検定2級 #32-07

【問7】
実験計画法に関する次の文章において、$${\boxed{\space}}$$内に入るもっとも適切なものを下欄のそれぞれの選択肢からひとつ選びなさい。ただし、各選択肢を複数回用いることはない。なお、解答にあたって必要であれば付表を用いよ。

製品Xの強度に関する調査のため、強度に影響すると考えられる因子Aとして寸法について調べることになった。因子Aを4水準設定し、繰り返し2回で計8回の実験をランダムに行ったところ、表7.1の結果を得た。

① 得られたデータを用いて、分散分析表を作成すると、表7.2を得た。

【$${\boxed{(39)} 〜 \boxed{(42)}}$$の選択肢】
ア. 0.525   イ. 2.921   ウ. 3.910   エ. 4.540
オ. 8.764   カ. 9.289   キ. 3   ク. 4   ケ. 7

② 分散分析表およびF分布表より、寸法は$${\boxed{(43)}}$$。また、表7.1のデータの数値が大きいほど強度が高いとすると、もっとも強度が高くなる寸法は、$${\boxed{(44)}}$$のときである。
【$${\boxed{(43)}\space\boxed{(44)}}$$の選択肢】
ア. 有意である   イ. 有意でない
ウ. 水準1   エ. 水準2   オ. 水準3   カ. 水準4



【正解】
(39) オ. 8.764
(40) ア. 0.525
(41) キ. 3
(42) イ. 2.921
(43) ア. 有意である
(44) オ. 水準3


実験計画法問題。計算しっかりあります。

測定結果から分散分析表を作ります。

分散分析を行う手順を覚えましょう。何回かやれば覚えます。やらないとムリ。

総平方和$${S_T}$$ = A間平方和$${S_A}$$ + 誤差平方和$${S_E}$$

水準は$${a}$$個あって、$${r}$$回の繰り返しとします。
総データ数$${n=ar=8}$$ です。当たり前😇

ここで、修正項CT(Correction Term) = $${\cfrac{{\space}T^2}{n}}$$ を計算しておきます。

$${CT=\cfrac{(19.4+17.8+23.5+20.8)^2}{8}=830.281}$$

A間平方和$${S_A}$$を計算します。
全体の平均を$${\overline{x}}$$、水準$${A_i}$$の平均を$${\overline{x}_i}$$、水準$${A_i}$$のデータ合計を$${T_i}$$とすると、

$${S_A=\displaystyle\sum_{i=1}^a\sum_{j=1}^r(\overline{x}_i-\overline{x})^2=\displaystyle\sum_{i=1}^a\cfrac{T_i{\space}^2}{r}-CT}$$
$${=\cfrac{376.36+316.84+552.25+432.64}{2}-830.281=8.764}$$  - (39)

誤差平方和$${S_E}$$を計算します。
直接計算するんじゃなくて、
誤差平方和$${S_E=}$$ 総平方和 $${S_T-}$$ A間平方和$${S_A}$$ で計算します。水準$${A_i}$$の$${j}$$番目のデータを$${x_{ij}}$$とします。

$${S_T=\displaystyle\sum_{i=1}^a\sum_{j=1}^r(\overline{x}_{ij}-\overline{x})^2=\displaystyle\sum_{i=1}^a\sum_{j=1}^r{x_{ij}{\space}^2}-CT}$$

$${=(188.20+158.50+276.37+216.50)-830.281=9.289}$$

$${S_E=9.289-8.764=0.525}$$  - (40)

因子Aの自由度は、水準が4つなので、4 - 1 = 3 です。 - (41)
全自由度$${{\phi}_T}}$$は全データ数 - 1 = 8 - 1 = 7
誤差自由度$${{\phi}_E={\phi}_T-{\phi}_A=7-3=4}$$ あとで使います。

因子Aの平均平方$${V_A}$$は、A間平方和をAの自由度で割って

$${V_A=\cfrac{8.764}{3}=2.921}$$  -(42)

ここまで計算できたら
分散比$${F_0=\cfrac{V_A}{V_E}=\cfrac{2.921}{0.131}=22.298}$$

F表を見ます。分子=3、分母=4でしたから、その交点を見ます。
有意水準0.05で6.59、有意水準0.01で16.7 です。
分散比$${F_0=22.298}$$ですから、有意水準0.01と比べても大きいため、因子Aの寸法は有意であるといえます。

もっとも強度が高くなる寸法は、それぞれの水準の平均値が推定値になりますから、もっとも数値の高い水準$${A_3}$$になります。ここだけは取っておきましょう😁

ではー。

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