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持つべきものは

甥っ子と姪っ子にシラミがわいた。
GW中に名古屋のおばあちゃんちで遊んできて、帰りの高速渋滞で13時間車の中にいたから、そこでいい感じに温まって卵が孵ったらしい。

やっぱり土用は整理したりトリミングした方がよいなぁ!適切なタイミングで処置しないとトラブルが尽きない。
発生源は甥っ子の方らしく、姪っ子の方は二次感染していた。

見つけてくれたのはファミリーサポートのIさんで、その日は子ども達はIさんちで晩ごはんを食べてくるはずがIさんが子ども達の頭にシラミの卵を発見。早々にうちに連れて来たのであった。

Iさんも2人の子どもが小さいうちにシラミがわいたらしく、その節はノイローゼになりかけたという。大人にまでうつってしまったらしい。

取り急ぎまずは皮膚科に見てもらってくださいとのことで、夜やってる隣街の皮膚科に2人を連れて電車に乗って行った。
途中で姉と合流し、大人2名子ども2名見てもらった。疑わしい物質を切り取り、プレパラートを作成し、顕微鏡でシラミの卵かどうか確認するのだ。

大人2人は白だったが、子ども2人は黒だった。姉は精神的にだいぶショックを受けていた。
お医者さんができるのは診察だけなので、
その日のうちにドラッグストアでシラミ用のシャンプーを購入した。
猫は昔ノミがついたときブラッシングちゃんとしてね、と獣医さんに言われたのでこの土用は念入りに毛をすいていたけど、人間はノーマークだった。

何が大変かって、シラミとりシャンプーで駆除できるのは成虫だけで、卵は依然として毛髪にところどころくっついているのである。帰ってシャンプーをしたあと、ドライヤーの熱風で乾かし、卵がくっついている髪を一本一本ハサミで切る。大人2人がかりで2人の子どもを約3時間かけて切って行った。シラミ潰しに探すとは正にこのことである。

私自身は自然栽培の畑で働いたことがあり、その際キャベツについたナメクジを手で取れるくらいになっていたし、屋久島でヒルに血を吸われた経験もあり、我が家でのGの駆除係は主に私なのでこの髪を切る作業はそこまで苦ではなかったけど、姉は生理的に虫の卵がダメらしくやりながらキーキーキャーキャーしていた。しかし、3時間もかかると流石に「丸刈りにした方が早くね?」という結論に達した。

自分が小学校のときに歴史の授業で習った、戦後子ども達の頭にシラミがわいたからみんなおかっぱと丸刈りにされて校庭でDDTを頭に撒いたという言い伝えが頭に浮かぶ。丸刈りにしたくなる気持ち、わかるよ。

子ども達は髪を切られながら眠りにつき、大人達もその日は力尽きた。
自分も念のためにシラミシャンプーをしたけど、ビオレで肌荒れするのであんまり劇物は避けたいところだ。保育所の先生によると、やはり劇物を安易に頭にやるのは抵抗があるのか、意外にシラミが流行っているのだという。感染は物理的な接触で、清潔にしてるかどうかは関係ないらしい。

今日、寝不足の姉は金曜日は家で仕事をできるようにしているので昼過ぎに家に帰り、早速床屋に連絡したところ、「うつるからちょっと、、、」と切るのを断られてしまった。
昔は割合切ってもらえる場所も多かったが、今は難しくなっているらしい。成虫は熱風や熱湯で死ぬけど、卵は残るからだろうか。

仕方がないので姉がバリカンを買ってきて、自己流でやろうとするがやはり初めてでは上手くいかない。痛くて子どもが泣き出す。泣きっ面に蜂とはこのことである。

だんだん迫害を受けてるユダヤ人みたいになってきてかわいそうだったので、たまたま茅ヶ崎に帰っていた旅人で美容師のMさんにSOSを出した。明日は伊勢に行ってしまうので、うちに泊まりがてら髪を切ってもらえることになった。Mさんは旅する自然派美容師で、ヘナも取り扱っているのだけど、シラミにはヘナがよいらしい。ヘナはインド原産の植物で、現地の人に自然素材のヘアダイとして利用されている。確かにインド暑いしシラミ沢山居そう!
まさに地獄に仏、救いの神である。髪だけに!

私は青山塾に行かなきゃだったので髪を切る現場には立ち会えなかったけど、髪を切ってもらってニッコリ笑顔の甥っ子の写真が姉から携帯に送られてきて安堵した。

持つべきものは困ったときに助けてくれる友人だな、と思った1日でした。タイトルの写真はしょんぼりしている甥っ子で、下はMさんに切ってもらっている姪っ子。


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