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Long way home 2024 TENNOU-SYO

2023年11月25日 GⅡアルゼンチン共和国杯 東京2500m
(約1年の長期休養明け、10着)
2023年12月2日 GⅡステイヤーズ・ステークス 中山芝3600m
(勝ったアイアンバローズの0.4秒差2着)
2024年2月17日 GⅢダイアモンド・ステークス 東京3400m
(1着 2着サリエラとはクビ差)
2024年3月17日 GⅡ阪神大賞典 阪神3000m
(1着 2着ワープスピードに5馬身差!?0.8秒!)

もう何でもいいから、6月の宝塚記念とか出走しなくていいと思う。
去年の11月末から長距離を4走も走ってきて、それで淀の3200mで
2着を2馬身(0.3秒)ちぎるか?
なんぼ馬でも、これだけ長距離ばかり走り続けたら、”疲れ”という
のがたまるはずなんだが。

馬券を買いに行く余裕もないので、予想だけ楽しむ中、もうお釣り
はあるまい、と掲示板内がいいところと思って観ていたら。

ワープスピードが5着、ダイアモンドステークスで好勝負を演じ、
鞍上武豊という事で3番目まで人気を上げ、これまで長距離を選んで
走ってきたが、間隔を開けて使われてきたサリエラは12着。

6歳といえば、人間でいえば30歳手前ぐらいか。

まだ現役を続けるなら、今年秋までもう走らなくていいし、例えば
次走は、京都大賞典~ジャパンカップ~有馬記念とか、それでも
走り過ぎな気もするから次は有馬記念にだけ出走するとか、
何ならこのまま引退と発表されたとしても、残念にも思わなければ
驚きもしない。

テーオーロイヤルさん。
あなたすごいです。
長距離ばかり3回も走ってきた総仕上げの阪神大賞典であれだけちぎった
あげく、本番の今日、169回目の天皇賞・春をあんな強い勝ち方で獲る
なんて。

恐れ入りました。

鞍上の菱田裕二騎手は31歳の中堅どころ。
ベテランの域に入ってきた13年目の初GⅠは、師匠の岡田厩舎に初GⅠを
もたらすダブル快挙。
良かったですなぁ、菱田さん。
これで騎乗数も増えるでしょう。
今年まだ9勝しかしていないGⅠジョッキーなんてあまり聞いた事
ありませんが、汚名となる暇もなくあなたは抜け出すと思う。
今後が楽しみです。

私が予想で一番推しにした2着のブローザホーン。
鞍上菅原明良(あきら)騎手は、こちらも若手から中堅に入る頃合い
となる23歳、6年目。
前走勝ったテーオーロイヤルの0.8秒差3着となった阪神大賞典の時と同様、
今日も外から直線突っ込んでくる競馬だった。

菅原さん、馬場には”内側”というものがありましてな・・・前走の阪神も
今日の京都も、内側の芝は荒れておらず、良い馬場だったらしいそうな。
そうした内のいい所を走るか外の荒れた所を走るかは、馬のスタミナや
脚勢に大きく影響するらしいですな?
これは本職の方に失礼。

しかし、阪神でも今日の京都でもそうした事をものともせずに最後の直線
外側を一気に走るあなたの男気には感服つかまつりますが、例えば菱田騎手
の前走阪神大賞典の乗り方などは、お見事という他はないほど完璧に
内側のコースをとらえた走りでしたな。
その菱田騎手も今日の天皇賞はやや外から行っていましたが、あなたは
さらにその大外から直線突っ込んでこられた。
後方からの競馬ではそれもやむなしかも知れませんが、これで細心の
コース取りが加われば、鬼に金棒、ブローザホーンにGⅠの勲章という
景色が見られるかも知れませんな。

や!これはまた失礼な事を申し訳ない。
え?菱田騎手は今年9勝だが、俺はその倍の18勝もしているって?
余計なお世話だと?
それは重ね重ね申し訳ない。失礼を致しました。
今後勝利数が逆転するなんて事はあり得ないという事ですな。
楽しみに注視させてもらいます。

さて余談になるが、12着となったサリエラ鞍上の武豊騎手。
71年ぶりの牝馬戴冠なるか、と話題になっていたが、その実、前走
の阪神大賞典ではシルヴァーソニックに乗って11着となっている。
休養明け初戦なら着順は別に言う事もないのだが(それにしても
4番人気はちと人気し過ぎやと思うが)、さすがと思わせられたのが
その阪神大賞典のレース後のコメントである。

”休養明けを叩いて良くなってくる。次は期待できますね”
とコメントし、その次走となる今日の天皇賞では、しれっとサリエラ
に乗るという何ともしびれる事をやって下さった武さんなわけだが、
これはまぁ、主戦のルメールがケガした事で早い段階からサリエラ
陣営の依頼があったのであろう。

それより武騎手がサリエラに乗った事で、替わって今日、シルヴァー
ソニック鞍上となったのが、かつてルメールと鎬を削り一時期大活躍
をみせてくれたミルコ・デムーロ騎手である。
8歳のシルヴァーソニックは、その馬齢でもこれだけ走れるんだという
のをみせてくれ、という事かどうかはわからないが、100倍でもおかしく
ないと思っていたオッズは、34.6倍と結構な人気となり、
そしてレースで最後方16着となった。

エアスピネルの時の恨みがまだ残っているという事ではもちろんないが、
何となく頭をよぎってしまった。

2015年、武騎手は当時の全GⅠレース完全制覇まで残す所あと朝日杯のみ
という状況の中、有力馬で一番人気となったエアスピネルに乗り、
ゴール直前まで1着で来ており、ついに全GⅠレース制覇成るか!と
思われた所、外から来たリオンディーズに寸前で差され2着に敗れている。
リオンディーズの鞍上はミルコ・デムーロ騎手であった。

その朝日杯後の競馬バラエティ番組でミルコと共演し、
”ホワーイ?イタリアンピーポォー!”
と当時流行ったお笑いネタでロケを盛り上げていた武騎手だが、
現在まで、全GⅠレース勝利はまだ達成されていない。
2021年にドウデュースで朝日杯を制しているが、ホープフル・ステークス
が新たにGⅠレースに格上げされたので、残す所あと一つという
状態は変わらないままだ。

そして今日、天皇賞を制したテーオーロイヤルは、
リオンディーズ産駒である。

16着に敗れたシルヴァーソニック鞍上のミルコ・デムーロ騎手は
2017年には171勝(JRA通算)を挙げ、最高勝率騎手に輝いている。
同じ年(2015年)に同じく日本での通年騎手となり、今ケガで
離脱中だが、現在のJRAナンバー1であるクリストフ・ルメール騎手
と鎬を削っていた頃である。

2018年は153勝しているが、2019年には91勝、2020年65勝、
2021年75勝、2022年72勝、2023年44勝・・・。
今年は菅原騎手よりも少ない、13勝しかしていない。
(何も言ってないですよ?菅原さん!どうか早くお休みになって下さい。
疲れたでしょう?大外からの直線一気、お疲れ様でした)

一言で言えば、その強すぎる個性故に干されたのである。
原因は複数あると考えられるが、いずれ機会があったら記事として
書きつつ考察してみたい。(絞殺じゃない!何か私のパソコン、
変換がおかしくないか?)

個性もそうだが、馬を壊しすぎたね。
角居厩舎との関係修復はもう難しいのかな?
移動の新幹線の中でも食べるほど納豆が好きで、将来は日本で
調教師になりたいと言っているという。

以前よくやっていた1着でゴール後、走っている馬上で両手を
離し、ヒコーキポーズを取るのを賞賛する事はできないが、
かと言って村社会ルールに強制され去勢された個性の残骸など
見たくもない。
ただ、この親日家のイタリア人が復活する姿は見たい。
今日、眼前に15頭を見ながらミルコはどんな思いで馬を追っていた
のだろうか。

ところで予想だけで楽しんだ天皇賞、もし馬券を買っていたら
外していた。
ブローザホーン軸の3連単マルチで組み立てたはいいが、3着の馬を
ヒモに入れていなかった。

もういい加減上積みは無いだろうと思った。
2021年天皇賞春、2着、2022年、2023年も同じ天皇賞春で2着。
4年目の珍しい記録がかかっているとはいえ、もう7歳。
前走阪神大賞典でもテーオーロイヤルから1.3秒遅れた7着。
ディープボンド。

2着は無かったが、それでも3着はお見事。

スタート後早目2番手につけそのまま行った好判断の鞍上は
幸騎手。4コーナー出口から直線入口では、一時先頭に立った。

最後の直線、幸騎手の追いと右鞭は明らかにこの長年の功労者に勝利
の盾を獲らせたいという想いがこもっていたと見えた。
左外側からテーオーロイヤルに抜かれる時も、馬体を併せ
ようと右手に持ち替えた鞭を目一杯に振るい、抜き去られた
後も、ならばせめて4年連続2着の記録を、と追う手も鞭も緩む事
は無かった。

4番手につけて勝ったテーオーロイヤルの菱田騎手の騎乗も文句の
つけようがなかったが、今日、私の目に一番光ったのは、
幸騎手の想いの乗った騎乗と、
4コーナーから直線、先頭に立ったディープボンドだった。

ボケボケで申し訳ない。4コーナーから直線、先頭に立つ赤い帽子、ディープボンド。
手前側14番、オレンジの帽子がテーオーロイヤル。
ゴール前、画像右端の黄色い帽子、白い馬がシルヴァーソニックとミルコ・デムーロ騎手。
後ろにまだ数頭いるが、この後、シルヴァーソニックとミルコは
ズルズルと最後位まで下がっていった。

(5分18秒)
By Eric Clapton/Can't find my way home(Live)

※追記※
ところで、2023年のダービー馬と菊花賞馬はクラシックの価値を
これ以上落とさない為にも引退を検討すべき、と言ったら言い過ぎ
だろうか?

3番手をいい感じで追走しながら、既に4コーナーでどこにもおれ
へん、(え?どこいった?)と思えば、15着にいたり(軽い熱中症
か?という情報もあるが未確定、4月29日朝6時現時点で何かあった
のかは不明)ケガが無ければいいが、もし何もなくてそうなった
なら、今回一番人気で最も売り上げを上げてるだけに、もはや
馬券を発売していい対象ではないと言わざるをえない。
(しかし鞍上の戸崎騎手は、ドウデュースの時といい運がない
イメージがつきまとう)

2023年のダービーは同年のオークス(牝馬のダービー的なレース)
より2秒遅かった。
いかに短期免許で来日中の世界一とも言われる超名手モレイラでも
馬の能力が足りないところを補うにも限度があり、0.8秒差7着が
精一杯だったというところだろうか。

ここにくるまでのコストは、去年のダービーと菊花賞を獲った事で
もう回収できたであろうし、早目に考えた方がいいと思うのだが。

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