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summer Tour

夏競馬が始まっている。

馬券を買う金も無いので、予想だけしておいて仕事に出かける。

夕方帰ってから、JRAのホームページを開けば、その日に行われた
全レースの結果、レース映像、オッズ、出馬表が全て観られる。

仕事終わりのビール片手に、なら多少は恰好もつくが生憎私は下戸なので、
今日は冷凍のチャーハンに冷凍の玉ねぎとブロッコリーを温めてぶち込んだのをバクバク食った後、お茶とアイスコーヒー片手に
全てのレースを片っ端から観る。

仕事や用事が無い限り、最近の土日夜のルーティンになっている。

レースを観ながら立てておいた予想の答え合わせをするのだが、これが
夏の夜のホラーというか、おかげで壊れかけのエアコンなどより
遥かに涼しく過ごせる。

レースを観ながら思うのだ。
(もしこれを本当に賭けていたら)と。

JRAというのは誠に血も涙もない。
お金を賭けて、馬券が外れるとそのお金を取り上げられるのである。
一銭たりとも返してはくれない。
全て没収されるのだ。

世界ふしぎ発見!より、スーパーヒトシ君・・・懐かし

しかし、負けるわけにはいかない。
生まれた以上、一生に一度の勝負を毎週戦い続けなければなるまい。
そこでレースが開催されているのだから。
泣いている暇はないのだ。

また再び馬券を買う日がいつ来てもいいように、
鍛錬を怠るわけにはいかない。
が。

まだまだ復活の日は遠いようである。

今日は、全36レース
(現在、函館、福島、小倉で土日に各場で12レースづつ開催している)中、
予想を立てたのが16レース。

(全部予想してたら疲れるので、例えば新馬戦や障害レース、それから
出走馬の頭数が10頭以下などのレースは予想せず、
またオッズの数値が高いのと低いのと極端に割れていたり、
といった場合も予想するのは良そう、と思い、やめている)
↑<ただの病気なんでスルーして下さい>

そして。
予想した16レースのうち当たったのがたったの5レースだけなのだ。

馬券買いの鍛錬とともに、近くにある質屋と“レイクちゃ~ん”と
“そこに愛はあるんか!”の場所と手順と必要な物
(免許証とかハンコとか)を確認しておかねばなるまい。
あと入念な夜逃げのリハーサルと。

もう半年ほどが経過しているが、
実は馬券の買い方を変えようと思っている。

その為、実際に買う前にエアでどれほどの収支になるのかやってみたら、
(こんなんで買えるかい!)と、長い鍛錬の日々が始まった
というわけである。

一口に馬券といっても、いくつか種類がある。
主なものとして8つ。

単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単。
他に2つ、WIN5と応援馬券なるものもこの世にはあるようである。

WIN5とは、JRAが指定した5レースの1着を5レースとも当てる
というもので、年末ジャンボみたいな配当額となっているが、
まあ、当てるのは至難の技だ。

(指定レースは大体レース開催されている競馬場、今なら函館、福島、小倉
3場の3つのメインレース+2レース、メインの一つ前のレースどれかと
いった感じである)

応援馬券は、好きな、応援したい馬の単勝と複勝を同時に買える
というもので、100円づつ計200円から買えるらしい。

で、主要8種類の馬券だが、

単勝は1着となる馬を当てる馬券。
複勝は3着までに入る馬を当てる馬券。
枠連は1着と2着になる馬の枠番号を当てる馬券、である。

<今日の小倉競馬場のメインレース、
第11R(メインレースは大体全12レース中11レース目である)
北九州記念(GⅢ)の出馬表1枠から5枠>
北九州記念(GⅢ)の出馬表6枠から8枠

上記出走馬の出馬表、左端に何やら番号がふってある箇所があるが、
そこに“枠”が8つある。
1枠から8枠までで、それぞれ色が割り当てられている。

レース毎に出走頭数にばらつきがあるわけだが、出走頭数上限は18頭
と決まっていて、その最大出走頭数に合わせて、出走馬達をこの8つ
ある枠にそれぞれ振り分けていくのだ。
どの枠に入るかはくじを引いて抽選で決まる。

(レースには内枠外枠の有利不利というのもあって、その辺りは
“the BEST!!”という有馬記念の時の事を書いた記事で触れている)

1枠<白>、2枠<黒>、3枠<赤>、4枠<青>、5枠<黄>、
6枠<緑>、7枠<橙>、8枠<桃>

(ふと思ったのだが、7枠と8枠は<オレンジ>と<ピンク>のが
わかりやすくね?と思いちょっと葛藤したのだが、他が漢字だから
合わせておきたいという自己満足の方に引っ張られました)

そしてちょっとややこしいのだが、出走馬達には各1頭づつ馬番号と
いう番号が割り当てられ、例えば出走頭数が18頭であれば、1枠に
馬番号1番と馬番号2番の馬が入り、2枠には3番と4番、3枠には
5番と6番、4枠には7番と8番・・・という形で6枠まで各枠に
2頭づつ割り振られ、7枠に13番から15番、8枠に16番から18番
と3頭づつ割り振られて計18頭となる。

出走頭数が少なくなるに従って、8枠から順に割り当てを減らしていき、
出走頭数が8頭の場合、各枠に馬番号1つづつとなる。

出走頭数が7頭以下の場合、枠自体を一つ減らし、先述した複勝は
2着までに入る馬を当てる馬券となり、出走頭数が5頭以下の場合、
複勝馬券は発売自体が無くなる。

とまあ、こんな感じで発走するレースが構成されているわけだが、
馬券に話を戻すと、この枠の番号を買うのが“枠連”であり、
各馬1頭づつ割り振られている馬番号を買うのが“馬連”である。

従って枠連を例えば2枠と4枠で2-4と買うと、馬番号3番、4番と
7番、8番計4頭分を買う事になり、その4頭のうちどれかが1着と2着
になれば当たりである。

馬連だと2-4であれば、馬番号2番と4番の2頭分となり、2頭の
どちらかが1着でどちらかが2着となれば当たりである。
(当然だが、どちらか1頭が1着ないし2着にきたところでもう1頭も
1着乃至2着にこなければ外れとなる)

つまり枠連と馬連を比べると、枠連は馬連よりは当たる確率は上がるが
配当は馬連より低くなるケースが多く(枠連の方が高くなる場合もある)、
馬連は枠連よりも配当が高くなるケースが多い(逆も枠連と同じくあり)が、枠連より当たる確率は低くなる。

もう一つ、馬単という馬券があるが、これは馬連と同じく1着と2着の2頭
を当てるのと同時に、着順(つまり1着何番、2着何番というように)も
当てなければならないというもので、配当は概ね馬連より高くなるが、
当たる確率は馬連よりもさらに低くなる。

このようにJRAは血も涙もなく、それは長い間、単勝、複勝、枠連、
馬連の4種類だった馬券の種類を、1999年にワイド馬券の発売を導入し
馬券の種類を増やした事に如実に表れている。
もっと庶民にたくさん馬券を買わせようという魂胆なのだ。

ワイド馬券は、馬連の拡大版というか、3着までに入る2頭の馬を当てる
馬券である。私も時々買っていた。
JRAの魂胆に乗ったわけではない。
社会勉強の為にちょっと買ってみただけである。

(配当は低いけど、でも当たる事は当たるんですけどね。
当たっても馬券を買った金額よりも配当が低い事を“トリガミ”と言います。
“さっきのレース、馬券取ったんだけどガミっちゃってさぁ”などと
競馬場とかウインズで言ってる親爺がいても私じゃありません)

世の中に社会勉強ほど見返りの無いものはない。
私自身はやめておいた方が賢明だと思っている。

ちなみに馬単は、日本競馬発足時のその昔あったようだが、1969年に
廃止され、それが2002年に復活している。
つまり、なおも搾り取ろうというわけである。

(当たるとでかいんだけど、当たるまでがさぁ・・・
どれだけ借りりゃいいのよ?って話でさぁ)

我々から巻き上げようという彼らの企みはこれにとどまらない。

2002年の夏、3連複導入、2004年秋に3連単が導入されるに至り、
その守銭奴ぶりは極限に達した感がある。

3連複とは、1着、2着、3着となる馬の組み合わせを馬番号で当てる馬券
で、組み合せとして当たっていれば良く、着順は関係無い。
配当は高い時もあるが、低い時も多い。

問題は3連単である。
1着、2着、3着となる馬の馬番号を着順通りに当てないといけない。
当たると配当は大きい(場合が多々ある)。
恐らく配当額の平均は、全馬券の種類中最も高いと思われる。

が、これが当たらない・・・。

1着2着や1着3着など2頭はいくらでも当たる。
何なら毎回のように2頭までは当たっていたりする。
ところが3頭目が、これがまぁ、こないのだ。
(何でこの馬が?)というのが3着内のどこかに突っ込んで来る事が
結構な割合である。

お察しと思うが、私が今、四苦八苦というか、七転八倒というか、七転び
八起きというか(一緒やないかぃ)艱難辛苦、風に吹かれ雨ニモ負ケズ
血沸き肉踊りながら日夜鍛錬に取りつかれている馬券がこの3連単である。

これまで(といっても半年ぐらい前までだが)、単勝1点に10枚、という
買い方で、数年間無敗だったのだが(その替わり馬券を買うのは年間
20レース以下だった)、それはそれで充実した競馬ライフではあったの
だが、何を血迷ったか、半年ほど前、出来心でついそれまで買った事の
ない3連単を1000円ほど買ってしまった。

それが間違いの元であった。
1000円がン十万になったのである。

それから以前のように、“このレースはこの馬が勝つ以外の結果が想像でき
ない“というレースがくるまで、石橋を叩くだけの日々(といっても土日の
2日間だけだが)を送りながら毎レース追い続けていた頃に
戻れなくなってしまった。

こんな事を書いておいて、嘘つけ!と思われるかも知れないが、戻れなく
なったのは配当が大きいからだけではない。(もちろんそれもあるが)
毎度毎度配当が高いわけではないのだ。

可能な限り少ない点数で、1着から3着までを当てられた時の
快感と言ったら・・・!

何と言うか、わかってはいるのだが、
(このレースは俺のものだ!俺が俺のものにしたんだ!)
的な勘違い。

馬券を夢と買い、夢を勘違いと解くならば、心はガミっても鯛なのだ。
(スルーして下さいね。あとでおくすりもらってきますんで)

少しならトリガミ上等、わずかでもプラスになればそれで良い、
とさえ思えるようになってしまった。

いかに点数を絞り1着から3着までを当てられるか、その上でどれだけ
大きな配当を得られるか。

目下、この命題以上の命題が今の私にはない。
いずれ機会があればもう少し掘り下げてみたい。

夏競馬の話をしようと書き始めたら、馬券の話になってしまった。

夏競馬の事はまた別の機会に。

競馬に興味が無い方には無駄でしかないかも知れないが、少しでも関心
がある方、競馬に関心は無くても爺様の悪あがきをおもしろいと思って
下さる方に、共感頂ければ幸いである。

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