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Not coming anymore ?(91th Derby)

56歳・・・56歳である。
3度目のダービー制覇は、武豊騎手のG1勝利最年長記録を
更新するものだった。

横山典弘騎手。

第91回東京優駿、勝ったのは9番人気のダノンデサイル。

父エピファネイア
(ハマの守護神、大魔神・佐々木元投手がオーナーだった)
母トップデサイル、母父congrats

という、まさにコングラッチュレイションなダービー制覇となった
横山騎手が、ゴール後、4番人気アーバンシックの手綱をとった息子、
横山武史騎手と馬上、親子でハイタッチする姿は観ていて思わず
笑みが浮かんだ。

スタートをうまくでると前目につけて道中4番手あたりを追走、
絶えず内内の経済コースを通りつつ馬の消耗を抑えながらの
3コーナーから4コーナー、位置取りが6番手あたりに下がるが
ペースはそのまま馬の行く気に任せて先頭集団最後方につけ、
最後のコーナーを内側の利で馬に力を使わせずに回ると、
直線で3番手となり、そこからさらに内ラチへ、
前を行くピンクの帽子の左横、馬一頭分の隙間を走り抜けると
ラスト3ハロン33.5秒の脚で2着の皐月賞馬、ジャスティンミラノ
に2馬身の差をつけ、ゴール板を駆け抜けた。

無敗の2冠目か、17年ぶりの牝馬戴冠かという前評判はゴール後、
ベテランの、いぶし銀の鈍い光も鮮やかに走り抜けた横山典弘の、
何度も上がる右腕に、両腕に、驚きのこもった東京競馬場の歓声が、
朝曇っていた空に、ダービーが近づくにつれ次第に差してきた陽光
のように降り注ぎ、その陽だまりの中、弾ける横山騎手とスタッフ
達の笑顔の中へ、跡形もなく溶けて消えていた。

第91代日本ダービー馬・ダノンデサイルと横山典弘騎手(56歳)

現時点では、陣営はこのまま定石通りに、と言っていたという事で、
何事も無ければ今秋、菊の季節にまた91代目に会えるだろう。
(頼むから昨年の世代みたいにならないでね)

というわけで申し訳ない。
ピンボケのトップ画像は今日の日本ダービーの画像ではない。
11Rのダービー後、JRAのレースとしては恐らく年間通して最も遅い発走時刻
となる、17時発走で行われた、本日の12R(毎年12Rなのだが)
第138回目黒記念(GⅡ)のゴール時の画像である。

発走時刻が遅いのは、多分、競馬界最大の祭典であるダービーが開催される
ので、レース前後の催しにいつもより時間を取られるからだろうと
思われる。

歴史としてはダービーよりもこちらの方が古い。
いわゆる伝統あるレースで、風物詩的な意味合いをも帯びたレースである。

ダービーでは、5番人気、ダノンエアズロックに騎乗し14着に敗れた
”マジックマン”ことジョアン・モレイラ騎手。
最終12Rの目黒記念では見事1番人気のシュトルーヴェで1着となった。
が、ダービーの無念は晴れまい。
競馬人なら誰もがダービーを夢見るというが、そういう意味ではない。

モレイラ騎手は現在、JRAの短期免許という制度で日本で騎乗している。
初来日は2014年の安田記念、2015年にもワールドオールスタージョッキーズ
参加の為再来日、この時20レースに騎乗し、7勝、2着4回、3着1回という
成績を上げ、インパクトを残している。

世界中を股にかけ活躍し続けているモレイラ騎手が日本で短期免許の交付
を受け、日本のレースに乗り始めたのは2016年から。
この短期免許という制度、交付を受けるにあたっていくつか条件があるの
だが、今回、モレイラ騎手はそれらのいずれの条件も満たしておらず、
このままだと来年は日本で騎乗する事ができない。

現時点で唯一、クリアできぞうな条件があって、過去2年プラス当該年に
JRAのGⅠレースを2勝以上、というのがある。
これをクリアできれば、来年の短期免許が交付される事になるのだが、
現在、モレイラ騎手は、今年の桜花賞をステレンボッシュで勝利し、
1勝を挙げており、あと1勝すれば来年も日本で乗る事ができる。

今日、ダービーを勝てなかった事で、チャンスはあと1回、来週に行われるこの春関東での最後のGⅠレース、安田記念で1着を取るしかない。

のだが。

モレイラ騎手騎乗予定のソウルラッシュは、レースにおいて有力な一頭で
はあるものの、現時点での評価は3番手か4番手といったところである。
加えて国際競争に指定されている同レースには、香港から強豪が参戦
してくる予定もある。

先週のオークスでの騎乗機会を自国のレースに乗る為自らフイにした、との
声もあるが、自国での”しがらみ”があったとの情報もあり、今更言っても
センない事だと思う。

ルメールと2人で、配当額を六甲おろしのごとく下げまくってくれるので
馬券的にはいない方がいいという向きもおられるようだが、ルメールが
ケガで戦線離脱していた期間、軸に迷った時、密かにモレイラ頼みで
買い目を決めていた人が何人かいるのを知っている。

全盛期、”困った時は武を買え”と言われた頃の武豊騎手みたいなものだ。

噂では、2018年のJRAの通年騎手としての試験(短期免許の1か月間という
有効期限がなく、1年を通して騎乗できる免許、短期免許は条件を満たして
いれば、1か月おきに更新して長期に乗る事も可能)に落ちた事もあり、
もう日本でレースに乗る事はない、と本人が言っているという話もある。
(あくまで噂レベルである)

”大体コイツかルメールが勝ってんじゃん、ツマんね”と言われる事もある
が、世界最高峰とも言える騎乗技術が一切見られなくなるのは、
何というか・・・寂しい、の一言に尽きる。

私たちからふんだくった、なけなしの金で京都競馬場や阪神競馬場を改装
してアミューズメントパーク化するのも結構だが、こういった事に
何かやりようというものもあるのではないか、と思うが。
というか、何かせぇよJRAさん。
それか金返してくれ。
今無くて、馬券も買われへんねや。
(今日のダービーは別に無くて良かったんやけどナ・・・)



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