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2023.01.09

旅先を走るのが好きだ。旅行の目的の一つと言ってもいい。普段とは違う環境で、タイムも気にせず街の空気をかぐのだ。
大町というところにいて、私は20数年ぶりの家族旅行に息苦しさを感じながら、山を眺め温泉に浸かっていた。太宰にとっての津軽のような場所が、私にとっては出生した街ではなく長野であって欲しかった。

あまりすすめられたことではないが、風呂に浸かり軽くのぼせた身体にランニングウェアを纏い、外に出る。山に囲まれたこの地は陽が上るのが遅い。朝焼けを眺めながら氷点下の風を身体に浴びる。のぼせた身体に心地よい。北アルプスの峰々に向かって、何だか叫びたいような気持ちで走っていた。

朝飯は濃い味噌汁だった。食は文化を表すのだと思うが、この寒い街で精一杯汗を流して食うにはこのしょっぱさなのだろう。

家に帰ってこい味噌汁を作った。美味しかった。

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