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【Her Odyssey】17日目

『クローバーの7』

  水と食料をしっかりと調達して、ボク達は早々に旅を続けることにする。
 ロケットペンダントの入っていたパズルの箱が良い値段で売れたので、装備も少し新調できた。おかげで今日は足取りも軽快だ。

 しばらく歩いていると、顔に当たる風が少し涼しくなってきた。木々の匂いを微かに感じる。
 だからそちらの方向に向かって歩みを進めた。心なしか、キィ君もここ数日で一番元気な様子だ。
 やがて踏みしめる大地が硬くなり、多少なり植物の根を足裏に感じるようになってくる。
 大地の死骸を無事に抜けることができたらしい。

「……これは、山道かな。もしかして」
「キィ!」

 腕の中で飛び跳ねたキィ君が、ボクの足下に降りたって元気に鳴いていた。
 道は緩やかに上り傾斜となっていた。

 気持ちよく晴れた日の、快い風が吹いている。
 ボクは足下の変化によく気をつけながら、山道を登り始めた。とりあえず道がある以上は進めるということだと思う。他の旅人に会うこともできるかもしれない。
 旅は順調。幾分歩きやすくなった旅路を、ボクはのんびり進んでいく。